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Channel: へべれけ登山隊のブログ
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ベトナムのダナンでへろへろ~

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ベトナムはダナンという街に行ってきました。

毎年行ってる研修と言う名のリゾート旅行です。
今回はほぼ単独なので、目的は陸ッパリの釣りです。

しか~し!事前にネットでリサーチしてみるとベトナムの釣り情報は、ほぼほぼ皆無。
俺の好きなルアーでの海釣り情報はダナンに限らずベトナム全域でもゼロでした。

という事は・・・「ぜんぜんスレていないお魚がウヨウヨいるはず!」などというポジティブな思いが俺をかきたてるのでした。

出発前にグーグルアースで下調べをしてみると、街からそう遠くない所に良さそうな磯があったのです。ソンチャ半島という景勝地でした。

強めのバスロッド1本と80gまでぶん投げられるジグロッドを1本。リールはシマノのスピニング3000番と6000番を持ちます。
ルアーはトップ系のソルトルアーとショアジグをメインにたっぷり持っていきました。
このセットは沖縄の離島やインドネシア、サイパンなどで良い釣果を出している実績のあるタックルです。自信満々です。

さて、6/7(木)にダナン入りしました。
泊まったのはグランビリオ・オーシャンという高級リゾート。ベトナムなのに大浴場まで付いているというコテコテの日系ホテルでした。なので日本語が通じます。

イメージ 1

まずは明日の釣場までの足を確保です。
手段はレンタバイクを借りて無免許で行くか、タクシーをチャーターするかでした。
当初は無免許でバイクのつもりでした。もしも警察に掴まっても少々の賄賂でどうとでもなるはずです。

しかし空港からホテルまでの間、道路の交通事情を観察してみると、ま~あ皆さん無秩序な運転をしてらっしゃる。
無理な追い越し追い抜きは当然だし、走っている間は常にプープーとクラクションを鳴らし続けているのが普通。
観光バスでさえ反対車線にはみ出して追い越ししまくりです。
しかもほとんどの交差点に信号が無い。
片側4車線もある大きな交差店でさえ信号は無いのです。
そこをおびただしい数のバイクや自動車が、まるで日本大学の集団行動部のように不思議な秩序で通り抜けているのでした。
さすがの俺も、この街での無免許バイクは無理と判断しました。

仕方が無いのでホテルのフロントデスクでタクシーをチャーターしてもらうことにします。
このホテルは日本語が通じるので楽々です。
頼んだ内容は、
1、ホテルから片道40キロほどのソンチャ半島の先端近くまで行きたい。
2、途中でサンドイッチや飲物を購入したい。
3、そして、そこからジャングルを藪漕ぎして磯まで降りて釣りをしたい。
4、俺が釣りをしている間、約4時間ほど道端で待っててほしい。
5、釣りの場所を移動する可能性もあり。

とまあ、このようなわがままを注文したので、相当な金額だろうなと思っていたのですが、タクシー会社に値段を聞いてもらうと、
「その程度の予定ならチャーターじゃなくて普通に乗ってもらっても4~5千円ですよ。チャーターだと8千円ほどになっちゃうので損です。」
という解答でした。
安くてビックリ!!日本だったらすげえ金額だろうな・・・・

と言うことで、翌朝8時に迎えに来てもらう事にしました。

夜はダナンの街に繰り出してシーフードの晩飯としました。観光客プライスのお高めの店でしたが、それでも安いですねえ。しかもうまかった。
イメージ 2
イメージ 3

その後はお色気たっぷりの繁華街でウハウハ。と行きたいところですが、ダナンの街ってショボイんだよね。
韓国人が経営する超怪しいカラオケ店でお茶を濁しました。でも女の子はみんな可愛かったので良しとしましょう。

6/7(金)
さてさて、翌朝の朝8時です。
豪華なバイキングの朝飯を食い終わってフロントに行ってみると、タクシーは来ていました。
ドライバーは気の弱そうな小柄な若い男でした。
英語も日本語も全く通じませんが、文明の利器iphoneがあるので問題なしです。
グーグルの翻訳アプリで同時通訳してくれるので、コミュニケーションはバッチリです。

今回の装備は、
20リッターザック
5ミリ×30mロープ1本
エイトカン 1個
スリング・ビナ 少々
アクアステルスの沢靴
ナイフ 1本
釣り道具 1式

とまあ、そんな軽装備ですが、今回は見知らぬ国の見知らぬ磯。無理はしない事にします。
1時間ほどで目的地付近に到着しました。ソンチャ半島のGhềnh Bàngというところです。半島の鞍部のくびれたところの南側です。
目的不明の駐車場があったのでそこにタクシーを停めます。
駐車場の奥のほうに、これまた目的不明の小屋というかバラックというか、粗末な建物が1軒ありました。

道路から標高で100mも下降すれば磯なのですが、どこも凄い藪。とても突っ込む気になれません。
どこか降りられそうなところは無いかと右往左往していると、遠くの方でバラックの住人らしきオジサンがなにやらベトナム語で言っています。何を言っているのかさっぱり分かりませんが、手招きをしているので、どうやらこっちに来いと言っているようです。
すなおにそちらに行ってみると、そのオジサン、今度は藪の一箇所を指差して「ヒフティーミニッツ。ヒフティーミニッツ。」と英語をしゃべりだしました。

見るとそこには明確な踏み跡があり、おそらくは磯への下降路なのでした。たぶん15分で降りられるのでしょう。
英語と日本語でおじさんに礼を言うと、笑顔で何か言いましたが意味は分かりませんでした。
ありがたく踏み跡の下降路を使わせていただきます。
その道はまさしく踏み跡で、けっして道ではありませんでした。沢形のその踏み跡は雨のときは川になるはずです。日本の沢と同様でその一筋だけブッシュが無いのです。なので藪漕ぎ無しで歩けるという事なのです。

イメージ 4

何ヶ所かクライムダウンがあったりして楽しめますが、聞いたことも無い獣の鳴き声や、聴いたことのない蝉の鳴き声が常に大音量で聞こえていて、そこが単なる藪山ではなくジャングルの一部である事を思い知らされます。
毒蛇とか毒虫とかが少々怖いですが、幸い途中で出会ったのは狸のような獣1匹と地味な色のニワトリのような鳥だけでした。
下降を開始して、確かに15分ほどで磯に達しました。

イメージ 5
海は驚くほど透明です。波は静か。というかベタ凪でした。
磯の形状は予想通り複雑な形。崖下の周辺には小さなゴロタのビーチが点在していて、サンゴ礁は無し。海中には大小さまざまな大きさの石がゴロゴロあって魚の隠れ家が沢山ありそう。なのでロック系のお魚が沢山いるはず。
足元から数十メートルはゴロタのドシャローですが、そこから先は急激に深くなっていそう。周辺の地形からそう判断できます。
という事は100m以上キャストすれば大型回遊魚も狙えるはずです。
むかしサイパン島のバンザイクリフの下の磯で大きなGTを掛けた事がありますが、あそこもこんな地形でした。

イメージ 6

とりあえずシャローの小型のハタを狙ってみる事にします。
ロッドは28gまでキャスティングできる強めのバスロッドに3000番のスピニングリールを取り付けます。ルアーは石垣島で成績の良かったポッパーをチョイス。
フルキャストして水面をバシャバシャさせながら引いてきます。
これは反応無し・・・・

次に宮古島で絶好調だったペンシルに変えてみます。
これも反応無し・・・・

トップ系はダメっぽいので、バイブレーション、シンキングミノー、スプーン、ワームなど次から次へとルアーを変えてみましたが、魚っ気が感じられません。
この海には魚がいないのか?と思いましたがそんなはずはありません。
何しろ足元には小さな魚が無数に泳ぎまわっているのが見えるのだから。
仕方が無いのでジグロッドに変えて沖にいる回遊魚を狙う事にします。
ロングレンジ作戦です。

小さな岬の先端に移動します。快晴無風なのでえらい暑さですが仕方がありません。気温は40度は確実にあるでしょう。
ジグは40gのキラキラ系をチョイス。
メインラインはPラインの2号。リーダーはフロロの8号でシステムを組んだので、5キロ程度の青物ならどうにか勝負できるはずです。
で、思いっきり遠投。
で、高速リトリーブ。手前数十メートルはドシャローなので高速で巻かないと根掛りは必至。狙っている相手は青物なので6000番ハイギアのリールで高速巻きしても余裕で食ってくるはず。
ラインの垂らしを大目にとってバックスイング。身体全体を使ってフルキャスト。
着水したら3秒のカウントダウン後、全開高速巻き。
これを繰り返すのです。
なので、えらい疲れるのです。
15投もしたでしょうか、ようやく始めてのアタリ。
ゴンという手ごたえが伝わってきましたが掛かりませんでした。
しかし、可能性は出てきました。
先ほどから、あまりの暑さで滝のような汗が止まりませんが、アタリがあったからにはここでやめるわけに行きません。
帽子の下に手拭いで汗止めを作ってキャスティングを繰り返します。
最初のアタリから20分も頑張ったでしょうか。
次のアタリはありませんでした。

イメージ 7
それにしても暑い。
喉がカラカラです。
あまりの暑さなので、いったんブッシュの下で休憩しようと岩場を移動し始めたのですが、なんと、バランスがうまく取れません。
ふらふらするのです。しかもちょっと吐き気もする。
やっちまいました。熱中症の症状でした。

これはまずい事になったわよ~。

持参の500ミリの水は既に飲み終わっちゃったし、タクシーまで戻るにはジャングルの沢登り100mが待ってるし・・
とりあえず汗が引くまで日陰で休憩しようとブッシュの下へ転がり込みます。
で、とにかく落着こうと煙草を一本付けます。
しかし、いまだに止まらない汗で煙草が濡れて火が消えてしまったのです。

釣りに夢中で気がつかなかったのですが全身の汗が凄いのです。帽子もシャツも短パンも海で泳いだみたいにビショビショに濡れていました。
日陰に入って15分もじっとしているのに、いまだにポタポタと汗が顎から滴り落ちるのが止まらないのです。

疑いの余地はありません。完全に熱中症でした。

水を500ミリしか持ってこなかったのが甘かった。
たぶん観光気分で準備したのが甘さに繋がったんだよな~

こうなっちまったら、とにかく水分の補給をして涼しいところで休憩するしかありません。

しかしこの状態であの急勾配の標高差100mを登れるんだろうか?
無理っぽく思えましたが登るしかありません。

海に飛び込んで体温を下げようかとも思いましたが、無駄に体力を使うのもいかがなものか?
飛び込むのはやめにしました。
ゆっくりゆっくり体力を消耗しないようにタクシーを目指すことにします。
実を言うとランガンしながら300mほど下降点から移動していたのですが、この水平移動の300mでさえ辛かった。ふらふらするし、力が入らないのです。
なので、たった300mの移動に3回も休憩を入れました。
まあ、水平と言っても結構な荒磯なので、登攀やヘツリが随所にあって意外と大変だったのです。

ようやく下降路の取り付きに到着。ここからは本当にゆっくり登ります。まさに牛歩。
山仲間から冗談で「牛歩戦術のヘベ」などといわれることがあるのですが、このときは本当の牛歩戦術。
1歩に1秒くらいかける。そして10歩おきに止まって休憩する。でも座ったりしない。
立ち休みです。
とにかく心拍数を上げない。息も切らさない。を心がけます。
これが山でバテちゃった時の歩き方の基本なのです。
しかし、いまだに汗は止まりません。ボタボタと顎から滴り落ちます。
下降路はブッシュの中なので直射日光はあたりません。なので意外と涼しいのですが、汗が止まりません。
これにはマジであせりました。すでに暑さは感じていないのに汗が止まらないのです。
このままでは脱水症状にまで陥りそうでした。というか陥っていたんだろうな。
ふらふらしてバランスが取れないのでブッシュに掴まりながらゆっくりゆっくり登ります。
下りは15分だったのですが、登り始めてから既に1時間が経とうとしていました。
ようやく上のほうからバラックのオジサンの物であろうラジオの音が聞こえてきました。
もう大丈夫だ。俺はピッチをあげて一気に登りました。

転がり込むようにバラックのテラスに向かい、英語で「頼む、水くれ~」とお願いしました。
このバラックは店ではなくて普通の民家(たぶん)なのですが、頼れるのはそこしかありませんでした。
奥さんらしき人が出てきて、ぬるいミネラルを2本くれました。
俺は一気に2本飲んでしまいました。
タクシーの運転手は俺の顔色の悪さに気がついたらしく、風通しの良い日陰に連れて行ってくれました。そして奥さんのところに行き追加の水を貰ってきてくれました。
今度のは冷たいミネラルでした。

30分ほど休むと漸く少し落着きました。でも汗は止まりませんでした。
一刻も早くホテルに帰って水風呂に入り、ベッドで休む必要がありました。
俺はバラックの住人に礼を言い、日本円で1000円ぶんのベトナム紙幣を差し出しました。
20万ドンという一番大きな紙幣です。
すると奥さん、金を指差しながら首を横に振り、何か言っているのですが、さっぱり分かりません。

「礼などいらん。気にするな。」と言っているのでしょうか。
それとも、「これじゃあ足りない。もっと出せ。」と言っているのでしょうか?

困っているとタクシーの運転手が翻訳アプリで通訳してくれました。
奥さんは、「これじゃあ大きすぎておつりが返せない」と言っていたのでした。
俺は「これはお礼だ。お釣りはいらない。」と邦訳アプリで言いました。
奥さん、うれしそうに受け取りました。

めでたしめでたし。でした。

ちなみにベトナム人の労働者階級の平均年収は20万円
つまり、このようなバラックに住んでいる人の一日の稼ぎは千円以下なのです。
この奥さん、1本7円くらいのミネラルウォーター3本と引き換えに1日分以上の稼ぎを得たという事になるのでした。

さてさて、落着いたので一刻も早くホテルに帰りたいのですが、汗だくのままタクシーに乗るのは気が引けました。でも、そんなことは言ってられません。
運転手にチップを弾むからすぐにホテルに向かってくれ。と翻訳アプリで言います。
運転手は「前の座席のほうがエアコンの風が強いので助手席へどうぞ。」とドアを開けてくれました。

車の中はずいぶん前からエンジンを掛けていたらしく涼しくなっていました。
運転手が気を利かせたのでしょう。
車に乗ってからも一向に汗は止まりませんが、水はあるのでどんどん飲みます。
本当はポカリとかが良いのでしょうが、贅沢はいえません。
運転手は俺の具合の悪さを察してか、来るときよりもスピードを出して走ってくれます。クラクションを鳴らしまくりながらビュンビュン追越をかけます。なので非常に恐怖です。

イメージ 8

しかし結局、来るときと同じで1時間ほどかけてホテルに到着しました。
俺の乗っていた助手席のシートは汗でビタビタに濡れていました。
いまだに汗が止まっていませんでした。
本格的に熱中症だったようです。

タクシーのメーターは日本円で4500円ほどでした。
事前の話どおりでした。
俺は座席の清掃代を含むチップとして日本円で2500円を追加して7000円分のベトナムドンを支払いました。
財布の金も汗でべちょべちょに濡れていました。
運転手はうれしそうに頭をペコペコ下げて、べちょべちょの金を受け取りました。
この運転手、座席の汗の掃除をするだけで三日分の労働賃金に等しい金を手に入れたのです。

めでたしめでたし。でした。笑

部屋へ帰り、バスタブに水を入れて入りました。寒いと感じるまで身体を冷やしてから、缶ビールを3本ほど飲んで体の内側からも冷やします。
しかる後に全裸でベッドで寝ました。

2時間ほどで目が覚めました。
熱中症の症状は治まりましたが、なんだかえらく疲れた感じです。
お腹がすいていたのですが、街に飯を食いに出て行くのが面倒でした。
リゾートホテルのレストランに1人で行くのもなんだか寂しいし・・

仕方が無いのでルームサービスで氷を頼み、成田の免税店で買ってきたシーバスの水割りを飲むことにしました。アテは飛行機で出たナッツの子袋一つです。
3杯飲んだら目が廻ってきたので、夜7時には寝ちまいました。
なんだか疲れました。

後書:
こんなダメダメな釣り旅行でしたが、思い出深い旅行となりました。
面倒なので本文中には書きませんでしたが、現地人の真心に触れたエピソードが沢山ありました。
ダナンという街は観光都市なのですが、人口が100万人もいるベトナムで三番目に大きな街なのです。
しかし我々日本人から見たら、とても田舎です。
なので、純朴な人が多いのでしょうか。
他のアジアの国々と比べると、ずるい感じの人が少ないように感じます。
タクシーひとつとってもボッタクリは1人もいませんでした。

釣りに関してですが、今回は釣れませんでしたが、たまたま釣れなかっただけで、何度か通えば絶対に釣れる筈です。
特に俺が行ったソンチャ半島の磯は見た限りでは凄く良い感じでした。
早朝の涼しい時間帯とか夜釣りとかなら大型のハタとかフエフキ系が出ると思うんだけどな~。
ホテル前のビーチでのキャスティングでも絶対釣れる筈。何しろローカルの漁師の船がビーチ沖200mくらいに沢山いたもの。聞いてみたら海老やカニやイカを主に捕ってるみたいだけど、それらのベイトを食ってる魚が必ずいるはず。少なくてもフラット系はいるはず。何しろシーフードレストランに生きたヒラメやマゴチが売られていたので、いないわけが無いのです。
これを読んだルアー釣り師の皆さん、もしも釣れたら教えてください。
お待ちしております。

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