2017/09/06~10
メンツ:俺、家内、息子、娘
遅い夏休みで家族そろって宮古島に行ってきました。
ここ十年くらいは石垣島に毎年通っていたのですが、新空港ができてからの石垣島は、観光客数がえらいこと増えちゃって、まあ、なんとなく、俺好みではなくなってきつつあったのでした。
で、以前から気になっていた宮古島に行ってみることにしたのです。
なんで今まで行かなかったのかというと、「家族旅行で行くには、ちょっと田舎過ぎるかなあ・・」というのが理由なのですが、しょせん俺が選ぶ旅行先の基準は・・
1、郷土料理を食いながら地元の安酒をたっぷり飲める店がある事。
2、おもしろい釣りができる事。
3、あまり観光客がいない事。
と、まあ、この程度なので、宮古島は十二分に合格ラインに入っていたのであります。
9月6日(水)
俺と家内の二人が先行して宮古入りします。
名古屋に単身赴任中の息子と大学4年の娘は二日送れて別々の飛行機で合流予定です。
11時ごろに宮古島到着。
始めて来る島なので、とりあえずレンタカーを借りて島内をぐるりと一周しました。
で、印象はというと・・・
青い海と白いビーチがきれい。
青い空がきれい。
あとは、な~んもねえわ・・・
というものでした。
ドライブ中に見える景色はサトウキビ畑ばかり。海沿いの道路でも背の高いサトウキビが道路の両側に植えられているので、見えるのはやっぱりサトウキビばかり。
なので、ドライブしながら景色を楽しむというのは、かなり厳しいことがわかりました。
仕方が無いのでレンタカー屋で無料で貰ったガイド冊子を頼りにピンポイントで観光名所を何ヶ所か廻ってみましたが、ま、これといった感動も無く、「ああ、きれいだね」「まあ立派な橋があるね」という程度でした。
で、結論です。
「この島で楽しむためには、確固たる目的を持って遊ぶこと。」
たとえばダイビングとかシュノーケリングとか釣りとかね。
でも、ビーチでのんびり一日過ごすとかはダメです。なんたって日陰のあるビーチがほとんど無いのです。なぜかと言うと、ほとんど木が生えていないから。
ふつう南国のビーチって椰子の木陰があったりするのですが、宮古には高い木がほとんど生えていないのです。なので一日ビーチにいたら暑くてぶっ倒れちゃうだろうね。
目的も持たず、普通に観光旅行で来ると、「この島・・・ショボイね・・・」という感じで終わっちゃうかもしれない。
しかし、我々はというと、確固たる目的があるのでぜんぜん問題ないのであります。
それは何かというと、魚釣り!
なんたって今回は釣竿だけでも12本も持ってきているのです。
リールも12個。それに付随する仕掛けやルアーなんかもゴソッと持ち込んでいるのです。おかげで飛行機に乗るときに荷物の重量オーバーで4000円も超過料金を取られたほどなのであります。
そんなわけで、島内観光は適当なところで切り上げて、家内と二人して陸っぱり(陸からの魚釣)ポイントを物色します。
この日は南西の風が強かったので島の東側、つまり風裏のポイントを何ヶ所かやってみる事にしました。
小型のミーバイやフエフキダイなどを狙う基本タックルは
スピニングバスロッドのMLを二人分。
リールはやや強めでシマノの3000番HG。
ラインシステムはPE1号に6号のリーダーを組む。
ルアーは派手なトップ系のミノーやポッパーなどをを基本に、20gくらいのスプーンとジグヘッドとワームを少々。
また、ガーラ系などの、やや大物用タックルとして
6000円で買った安物のキャスティング用ジギングロッドを1本。
リールはシマノの5000番HG
ラインはPE2号に10号のリーダー
ジグは28gから60g 色はやはり派手目のキラキラ系を基本にチョイス。
最初に向かったのは池間大橋が正面に見える西平安名岬というところに行ってみました。
ド干潮の時刻で絶望的なシャローだったのですが、他にやることもないので40gのジグをぶん投げてまみます。
水深が2mもなさそうなので高速リトリーブしないとあっちゅうまに根がかりしそう。
なので全開高速巻きです。
で、2回目のキャストでヒット。
掛かったのは50cmくらいのバラクーダ。トルクはないがジャンプしまくるので面白い。剃刀みたいな歯を持っているので、ちっこいミノーなんかにヒットすると一瞬で切られちゃう事が多い魚なのですが、今回は大丈夫。
と、思っていた矢先に何度目かのジャンプ中に空中でフックオフ。
まあ、あまり好きな魚じゃないので良しとします。
その後はロングキャストを繰り返すも、見切られてしまったのか、チェイスはあっても食うことはありませんでした。
ジグは疲れるのでやめにしてFミノーやジグヘッドを使ってミーバイを狙ってみます。
水面下50cmを引いてくる感じでゆっくり巻きます。
すぐにコンコングイ~ンという感じでミーバイが釣れてきます。
色々な模様のミーバイが釣れて面白いですが、いずれも30cmに満たない小さな魚ばっかり。
ま、釣れりゃあなんでも面白いから良いのです。
魚は全てノータッチリリースしました。
いずれにしても、宮古島のショアキャスティング、今回は小手調べ的に適当な場所で条件の悪い時間帯にしかできなかったけど、きちんと調査してまじめにやれば良さそうですねえ。
9月7日(木)
橋を渡って池間島、伊良部島、来間島などを調査
適当なビーチでだらだらしたり、よさげなポイントを見つけたら釣り~という感じで過ごしました。
9月8日(金)
子供たちも到着。
レンタカーで空港に迎えに行って合流。
この日もビーチでだらだらしたり、地下で海と繋がってる池など観光してだ~らだ~らと過ごします。
9月9日(土)
さてさて、実はこの日が今回の旅行のメーンイベント。
船で沖に出ての五目釣りの予定が組んであるのです。
宮古島に来たのは、これが本当の目的なのです。
チャーターしたのは栄真丸という本気の釣り船。
この船の船長は東京出身で、もともとはIT戦士という変り種なのですが、釣り好きがこうじて宮古島に移り住んだという、根っからの釣り師。
と言うことは、俺みたいなヤツの考えている事がすぐにわかるはず。
と思えたので、宮古島の数ある船の中から選んだのでした。
栄真丸↓
とは言っても、今回はファミリーフィッシング。あまり本格的な釣りは無理と判断したので、マグロやカンパチなどの超大物は狙えません。
だいたい、関東在住の俺は、そんな大物を釣り上げる道具を持っていません。
船にはレンタルタックルもあるのですが、俺はどうしても自分の準備した道具で釣りたいのです。
そもそも釣りという遊びの楽しみの半分は準備にあると思っているので、レンタルタックルなどで釣ったのでは楽しみが半減してしまうのです。
まあ、そんなわけで、今回の作戦は、
とりあえずグルクンとかを釣って、そいつを餌にして泳がせてアカジンとかの根魚や小ぶりなカンパチなんかが釣れれば良いなあ。
ついでにライトなジギングで遊ぼうかなあ。
という感じで船長にプランニングを頼んでおいたのでした。
で、そのような釣りをするためのタックルを準備して、夜の明けていない朝の5時半に港に到着。
船長に挨拶を済ませ、タックルを船に積み込みます。
で、船長と今日のプランの打合せを行います。
船長:「ジギングの道具持ってきた?」
俺:「まあ、いちおう・・・」
船長:「じゃ、朝一の活性が高いうちにジギングやりましょう。活性が落ちてきたら餌釣りに変えるって感じが良いとおもうよ~」
俺:俺以外はジギング未経験なんだよな~。でもまあ良いか。という感じで「じゃ、そうしましょう。」
とまあ、こんな感じなのでした。
早々に船は出港。進路を北へとり池間大橋をくぐる。
進路を北東に修正して1時間ほどクルージング。
ポイント到着と同時に夜明けとなりました。
で、まずは、お遊び用に持ってきたライトジギングを人数分準備します。
家内と娘にはジギングのジャーキングは無理だろうと思い、タダ巻きで狙えるインチクとラバージグをチョイス。
息子にはスローロッドの3番、ジグはスロー用のショートタイプ130gを付ける
俺はイナダやサバなんかを狙うハイピッチ用の2番のロッド、ジグはたしか中古200円で買った60gのショートタイプをつけた。。
ラインは全員PE2号、リーダーはフロロの8号です。
準備をしているときに船長から「根にもぐられると厄介だからガチドラグにしてくださいね~」と指示がでます。
俺は素直に全てのリールのドラグを閉めこみました。全締めではありませんが、まあ、実用のガチガチって感じで。
で、全員同時に釣り開始。
船長が「水深は60m。沖縄の魚は派手なアクションが良いですよ~」とマイクでアドバイス。
ルアー着底後、俺は素直にワンピチの早巻きでジャーク。
20mくらいまで巻き上げたら、再度底まで落とします。
これを繰り返します。
2回目、着底から10mほどの所で、ドスン!という感じで乗りました。
ライトなジグロッドが危険な角度で曲がります。
すると船長、「お!お父さんヒット~」と、のんきな感じでマイクで言っていましたが、俺はそれどころではありませんでした。
ほぼガチドラグのオシアカルカッタ300HGの最大ドラグは6kg。それがギャギャ~という感じで出て行く。で、約2秒でラインブレイクしたのでした。
何だったんだ今のは・・・という感じで放心していると、その直後、なんと家族全員がヒット。
そして、俺と同じように全員がほぼ同時にラインブレイクしたのでした。
これはもう完全にタックルのミスチョイスなのが明白。
お遊び用に持ってきたライトジギングタックルでは話にならなかったのでした。(つまり関東のスタンダードタックルね)
さて、どうしようか?
ドラグを締めれば切られるし、緩めれば根にもぐられるし・・・・
俺と息子はリーダーの先で切れていました。
家内のインチクはフックのダイニーマがぶち切られています。
娘のラバージグはPEラインが切られていました。ひょっとするとホテルで飲みながら組んだリーダーのスッポ抜けかも知れません。
いずれにしても話にならないほど強度不足でした。
しかしこの船の下には間違いなく大きい魚がうようよいます。何しろ数分の間に全員にヒットして全員が切られたのですから。
仕方が無いので全員のリールを変更する事にしました。
泳がせ釣り用に持ってきたリールはジギング用ではなく、巻き上げスピードの遅い普通のリールですが、Pラインの4号から5号が巻いてありました。
リーダーは全てフロロカーボンの14号でシステムを組んであります。
14号の強度は約22キロ。つまり満タンの石油缶を持ち上げても切れない強度があるのです。
少々竿とリールのバランスは悪くなりますが全員のリールを変える事にしました。
しかしライトジギング用の竿の強度はどうしようもありません。無理をすると竿が折られる可能性があるのです。
でも、このチャンスを逃す手は無ありません。なにしろここに来るために結構な良い金を掛けているのです。旅費やチャーター代、新調したタックルなど、全部あわせれば数十万円という、サラリーマンとしては洒落にならない金額が掛かっているのです。
竿の1本や2本、折られた所でどうでも良いのです。
最初に交換が終わったのは家内の竿でした。
もはやインチクやラバージグの在庫は無いのでスロー用のジグ130gを付けました。
「リールをグルグル回しながら竿をグイグイ煽れば釣れるよ。」などとおざなりなレクチャーをして手渡します。
そしてすぐに娘のリール交換を始めます。
と、なにやら家内が前のほうで大騒ぎしていました。どうやら何か掛かったようです。
「アカジンだ~!いいサイズ~!」と船長の声が聞こえてきました。
見に行きたいのは山々ですが、まだ3人ぶんの交換作業が残っているのです。
無視してせっせとリールの交換作業をします。
すると、またしても大騒ぎする家内の声!
「キー」だの「ギャー」だのと、まさに豚を殺す騒ぎです。
次に聞こえてきたのは「こんどは大きいミーバイ!」と船長の声。
俺はウズウズする気持ちを抑え、心を無にして交換作業に集中しました。
20分以上も掛かったでしょうか。ようやく全員ぶんのリール交換が終了して釣りを再開しました。
皆ちゃんとジャーキングができてるかな?と全員の様子を見てみると、ま~あ、てきとうなジャークです。
というか、とてもジギングしているように見えません。ど素人が仕掛けの回収でリールをぎこちなく巻き取っているようにしか見えないのです。
息子だけは、さすがバスアングラーだけあって、そこそこさまになっていますが・・
家内たるや竿を横方向にブンブン振ってみたり、長時間止めていたりと滅茶苦茶なのです。
こんなんで釣れるのかあ?と不安になりましたが、家内はすでに結果を出しています。しかも大物2匹。
俺は未だにゼロでした。
で、今度は2番目にいい加減なジャークをしていた娘の竿にヒット。
「キャ~!ぜんぜん巻けない。重い~。竿折れる~。」などとこれまた大騒ぎ。
安物とはいえアブガルシアの最新型大物用リールなので、そんなに苦労するはずはないのですが、確かに重そうです。
5分ほどかけて上がってきたのは、なんとアカジンが2匹でした。つまりスロー用のジグのフロントフックとリヤフックの両方に掛かっているのです。しかも先ほど家内が上げたのと同サイズの良型でした。
重たいわけです・・・
船長いわく、「この船でジグでアカジン2匹掛けは初めてですよ。今日の魚の活性はすごいですよ~。がんばって~!」でした。
がぜんやる気が出てきます。
で、まさしくその通り、娘も家内も息子も次々とヒットさせています。
息子も既にカスミアジやアカジンを釣り上げていました。
しかし、俺だけ釣れないのです・・・
なぜかって?
理由があるんです。
リールを変えてはみたものの、掛かる魚の瞬発力は凄まじく、14号のリーダーでさえブチブチ切ってしまうのです。
リーダーが持ったとしてもフックが伸ばされたり折られたりが連発。何しろ関東の根魚ジギングのスタンダードタックルですから・・・
リール自体のパワーも不足しているらしく、ガチガチに締めたドラグでさえズルズル引きずり出され、根ずれによるラインブレイクも・・・・・
そのたびに「はい、おとうさん。また切られちゃった・・」という感じでタックルの修理依頼が殺到するのです。
そんなわけで、お父さんには釣る暇がないのでした。
うなだれている俺を見かねた船長が、「おとうさん。キャスティング用の竿が一本あったよね?あそこにナブラが立ってるからやってみようよ。たぶんカツオだよ。」と俺のためのステージを用意してくれたのでした。
しかし、確かにナブラ打ち用にキャスティング用ジグロッドは持っていました。でも残念ながら肝心のプラグやポッパーのケースをホテルに忘れてきてしまったのでした。
すると船長、「じゃあ一番強い竿でトローリングしましょう。40gのジグで行けますよ。」と言って、俺のタックルケースから小さなジグを取り出してトローリング用の凶暴な大きい針に交換してくれたのでした。
で、娘に使わせていた5号のPEラインのリールでトローリング開始。
空には鳥山。沢山の海鳥が急降下を繰り返し、海面は逃げ惑う小魚を追い回す大型魚で大きなナブラができていました。
そして船は40gの小さなジグを引きながらナブラの横ギリギリをかなりのスピードで突っ切るのです。
実は俺、トローリングって始めてなのでワクワクです。
船長に簡単なレクチャーを受けて船の最後尾に陣取ります。
竿を大きめにギュンギュンと煽ってアクションを加えます。すると程なくガツン!あっけなく最初のヒット。船が走った状態で掛かるので最初の衝撃は「オオ!すげえ!」と感じますが、所詮は小さめのカツオ、簡単に寄ってきます。
釣れたのはスマガツオといって四国などでは最も美味しいカツオといわれる種類でした。
とにかく、これでようやく坊主から抜け出せました。
しかし確かにに嬉しい事は嬉しいのですが、トローリングって他力本願的に船長に釣らせてもらった感が強く、素直に喜べないのでした。
実は息子も俺ほどではありませんが、外道ばかりが釣れていて、あまり良い思いをしていなかったので、二回目のトローリングは息子にやらせてみました。
するとすぐに1匹追加。
少々小ぶりですが同じスマガツオでした。
せっかくなのでもう一流ししてもらって3匹目を追加してトローリングは終わりにします。
さて、この後はどうする?と船長
俺はせっかく泳がせ釣りの準備をしているのでグルクン釣って泳がせ釣りをしたいと希望します。
で、サビキにキビナゴの付け餌作戦でグルクンを狙いましたが、釣れるのは餌になりそうもない変な大きなカワハギとか不気味な変な魚ばかり。たぶん棚が合ってないんだと思います。
これでは泳がせ釣りができないじゃん!と思っていたのですが、
「生簀にオジサン(魚の名前です)が1匹だけ入ってるから使っていいよ。」と言ってくれたので、ありがたく使わせていただく事に。
タックルは持ち込んだものの中で最強と思われるものを組み合わせて構築します。
ハリスは14号。リーダーも14号。針はタマン針24号。南方延縄結びでがっちり縛ります。竿は新調したばかりの大物用を使います。
餌はオジサン1匹だけしかありません。まさにワンチャンス。一発勝負です。
針を口から上顎に抜いて投入します。
着底後7mほど棚を切ります。今までの経験上、今回のタックルではドラグが引きずり出されて根ずれで痛い目にあっていたので多めに棚を切ったのです。
で、投入後わずかで前アタリです。竿先がブルンと震えます。
直後、ドカン!と言う感じで竿先が海面に突き刺さりました。
マックス10kgのドラグをかなり締めこんでいるはずなのにズルズル糸が出て行きます。
大物用の竿は海面に刺さったまま持ち上げられません。
こいつは間違いなく大物!と思った瞬間、バチ~ン!!
ラインブレイクでした・・・・
切れたあとは、何の重さもなくなってしまったので、リーダーが抜けたのかなと思いましたが、親子サルカンの繋ぎ目で切れていました。
サルカン結びは自信があるし、知っている限りの最強のノットで結んでいたので、14号のリーダーが強度不足だった事で間違いないのでした。
燃え尽きました・・・真っ白な灰になっちまいました・・・
と言うほどではありませんが、もはや万策つきた感がありました。
そんなわけで、俺はもう帰港して良いかなと思っていたのですが、
「ねえ、おとうさん。私の竿はあ?」と娘と家内。まだまだ釣りたいみたいです。
仕方が無いので、またしてもジギングの仕掛けを作り直します。
でも、もうアシストフックも無くなっちゃったし、20本以上持ち込んだジグも切られまくりで半分以下になっていました。
もうどうでもいいや的気分になっていた俺は150gのロングジグにキャスティング用のちっこいフックを付けたりミノー用のトレブルフックを付けたりと、まあ滅茶苦茶なバランスで作り直して家内と娘に渡します。
しかしこの二人、今日一日、道具の良し悪しもテクニックもヘッタクレもなく、成果を上げまくっているのです。
どおせまた何か釣っちゃうんだろうな・・・と、羨ましさと嫉妬を感じながら思っていると、我が家内の竿がまたしても海面に突き刺さっているではありませんか。
そして「何か変!何か変!何か変!何か変!」と騒いでいます。
家内は奇声をあげつつ、たっぷり時間をかけて巻きあげてきます。
ようやく魚の姿が見えてくると・・・
「なんじゃこれ~?」とランディンッグネットを持って待ち受けている船長が叫びます。
釣れたのはコブシメという大きなイカでした。
8キロくらいありそうです。船長は10キロあるんじゃないかなあと言っていましたが、まあ、7~8キロってとこでしょうか。いずれにしてもランカークラスの大きさです。
それを、事もあろうかジグで釣っちゃうんだからあきれます。
我が妻・・・いわゆる「もってる」ってやつなんでしょうか?
そして船長、「この船でイカ釣った人は奥さんが初めてです。なんだか今日は初めてづくしだなあ。ワッハッハ。」でした。
この後、最後の最後に俺と息子が小さなタマンを釣り上げたところで時間切れ。
沖上がりとなりました。
俺的にはダメダメな結果となりましたが、それでも充分楽しかったです。
<今回の釣行で学んだこと>
宮古の海は、とにかく頑丈なタックルが必要。
特に、根魚狙いではファーストランで根に潜ぐられると切られるので、ドラグまかせの細いラインは通用しない。強引な巻上げが必要。
釣れる魚は、関東の同じサイズの魚に比べて、パワーは2倍。瞬発力は3倍って感じ。
14号のリーダー(強度50ポンド・23kg)が何度も瞬殺されました。根魚にですよ・・・
何度も言いますが、ドラグが緩められないという条件がつくので、我々の常識が通用しません。
上手な人なら底のほうで食わせないで、上まで誘い上げてから食わせる。しかる後にドラグを効かせながら余裕で巻いてくるなどの高等技術で釣れるのかもしれませんが、ど素人ファミリーフィッシングではそんなの無理です。
実釣して感じたラインの現実的な組み合わせは、ジギングでも泳がせでも、PE4号(高級なヤツ)にリーダーは20号。(ショック吸収を考慮すると長めのナイロンのほうが良いかも)泳がせるならハリス18号。
まあ、つまり、でっかいブリとかを狙うようなタックルって事だよね。
これでも大物がかかると切られると思う。
当然ながらロッドやリールもこれに耐えられる物が必要。
絶対切られたくなければPE6号(強度50kg以上)にリーダー30号(強度45kg)だろうね。
でも、そんなの、うちの近所の釣具屋じゃ絶対売ってないぞ・・・
ネットとかで調べるとリーダー60号とか使う人もいるみたいだけど、そんなの使うと娘とか家内とかじゃラインが切れる前に海に引きずりこまれちゃいそうで危険だと思う。
運が悪いと鮫とかのモンスタークラスが掛かる可能性だってあるわけだし。
<今回の釣行で思ったこと>
今回釣り上げることができた魚は、ヒットした中で小さなものばかりのはずです。大きな魚には、ことごとくぶち切られてしまったのですから。
今思うのは、逃げた魚の口から針が外れてくれることを願うばかりです。
でも、おそらく針が外れずに無駄に命を落とす魚がほとんどでしょう。心が痛みます。
これを読んだ皆さん。
宮古島の海で釣りをするなら、魚のためにも、とにかく頑丈なタックルで臨みましょう。繊細さは必要ありません。たぶん・・・
この日の夜はホテルの近くの海鮮悟空という居酒屋に魚を持ち込んで料理してもらいました。
1人2000円という低価格で7品の料理にしてくれると言う約束でしたが、数えてみたら10品ありました。
料理はどれも大変美味しく、大満足でした。
唯一、言わせて貰えば、超豪華な船盛りが最後に出てきた事くらいでしょうか。ふつう刺身は最初に食いたいもんね。
それでも大満足でした。お奨めですよ。
ちなみにメニューは
モズク酢
ミーバイの煮付け
タマンの煮付け
フエフキダイのから揚げ
ミミジャーのマース煮
コブシメのゲソの炒め
コブシメのフリッター
握り寿司(アカジン、コブシメ、スマガツオの3種)
豪華船盛り
グルクンの味噌汁
でした。
当然ですが、4人ではとても食いきれる量ではなく、半分近くを残してしまいました。
現地で食べた魚以外は翌日、持参したクーラーに入れて飛行機で持ち帰りましたが、帰宅後も充分鮮度が保たれていて、美味しくお刺身で頂けました。
もちろん何度も氷を追加したりして温度管理は神経質にやりましたし、つれた魚は船長が血抜きと絞めをやってくれて、しかも大きなクーラーの海水氷で初期の温度管理までしてくれていたのが良かったんだと思います。(ここまでやってくれた船長は他にはいませんよ~)
これを書いている今(釣ってから4日目)も、アカジンのエージングがちょうど良いらしく、とてもお刺身が美味いです。
たぶん来年も行っちゃうと思います。
何しろ俺、完全に欲求不満ですから!
栄真丸の鈴木船長、大変お世話になりました。俺だけは欲求不満ですが、家族はみな大満足です。
HPで書かれてる「ファーストクラスのサービスを・・・」まさしくその通り、きめ細かなサービスに感謝します。
来年また、よろしくお願いします。
おしまい。