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乗鞍岳周辺 大崩山

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前回に引き続き、またまた平湯ベースで行って来ました。

メンツはハイジ、ひなこ、俺

今回はK2のピナクルっていう板を新調したこともありテンション高めです。

初日の11(土)はドバドバの大雪で雪崩が怖いので、前回と同じく軽めの猫岳夫婦松を目指しましたが、ハイクアップで軽く雪面を切っただけで ゴソッ!ってかんじで斜面が割れて滑り出しちゃう状態。
40センチ下に明確な弱層があって、そこからきれいにずれているもよう。
だましだまし登ってみましたが、山全体が雪崩の巣って感じがしたので素直に退却。
昼前から温泉はいって飲んじまいました。

翌、12(日)は天気は回復傾向ながらも雪は朝まで降り続いていたので、リスクの低いツリーランとします。
向かったのは四つ岳。森林限界手前で引き返す予定です。

大阪からヒラベも合流して平湯キャンプ場から登り始めます。

ゆうべ温泉で一緒だった金沢のDr早川Pのトレースがあるので途中まではラッセルは無し。ありがたくトレースを頂いちゃいます。
彼らは2時半に出発して大崩山を目指すそうだ。
我々とはモチベーションも実力も大違いだね。とても真似する気にならんわ・・・

程なくして、大崩と四つの分岐点到着。
ここでハイジ、「俺らも大崩にしない?トレースあるし・・」と提案
ま、どちらにしてもピークは踏む気ないし、ラッセルいやだし~・・・という感じで、満場一致
あっさり大崩方面に変更しました。(これで岐阜県警に提出した計画書が無駄になったけどね)

みなで地形図を再確認して出発します。
雪質は昨日とはあきらかに違っていて安定した感じ。

ひなこ先頭でガシガシのぼります。
付いていくのがやっとです。
すげえ女だな~と思っていましたが、2000m付近で雪面がガリガリ言い出したあたりで、急激にテンションダウン。

「まだ登るの・・・」と言い出すヒナコ。
「えっ?ひょっとして怖いの?」ときくと
「こわい~!もう帰ろうよ~」と言い出しちゃいました。
なにやら急に乙女心が顔をだしたのか、普通の女の子に戻ってしまったので、ここで引き返すことに。
まあ、ここから先はしばらく緩斜面が続くので無理に登っても滑りは期待できません。

シールを剥がして滑降開始です。

ところどころに小さなオープンバーンはありますが、今日の雪では雪崩祭りになることは間違いありません。
樹林から出ないようにしながらビュンビュンぶっ飛ばします。

みんなバフバフのディープパウダーに雄叫びをあげて突っ込んでいきます。
あまり飛ばすと顔面スプレーで前が見えなくなっちゃうほどのディープドライパウダー
これほどの条件は1シーズンで1回あればラッキーってくらいのもんです。
時々ちいさな雪崩をおこしながらも、あっという間に滑り終えてしまいました。

堪能させていただきました。
俺的には今回が「山スキー再始動完了」って感じでした。
同行の皆さん、おつかれ!

↓ハイジ編集の動画↓

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妙高周辺 前山

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またまた山スキーに行ってきました。
面子は毎度おなじみのハイジ、ヒラベ、ヒナコ、そして俺の四人
なんだか最近、この面子になることが多いんだけど、みんな凄い長距離を一人で運転して毎週のように集まってるんだよね。
どこから来るのかというと、大阪、東京、新潟、群馬
交通費だって凄いことになってるはず・・・・
馬鹿だね~

さて、今回の計画はロングなクラシックルートで有名な乙妻でしたが、前夜、信州町に到着してみると凄い吹雪。
こりゃあ乙妻は無理だろうなということになり、なし崩し的に宴会が始まっちゃって深夜2時くらいまで飲んじゃった。

そんなわけで、お手軽BCで有名らしい前山という山に登ってきました。

赤倉スキー場のゲレンデトップから標高差でわずか400m登るだけで1200m分のダウンヒルが楽しめるという反則技的なBCスキーなんだけど、ここは良かった。
三田原っていう案も出たんだけど、こっちのほうがずっと良いね。
ビギナーにお勧め。
今回は登り斜面が変な雪だったんでハイクアップが下手糞なおれはちょっと苦労しちゃったけど、滑りは最高だった。
ほとんどの斜面が雪崩のリスクの少ない樹林帯なんだけど、藪っぽさはなくて開放的。
いや~よかったね。

ハイジ編集の動画ね↓

後ろは妙高
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赤城山 黒檜北東斜面 モナカで満腹~

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またまたBCスキーに行ってきました。
とは言っても、今回は「超お手軽近所の山」ってテーマで行ってきました。
毎週のように北アルプスに通っていましたが、さすがに資金が底をついてきたうえに、家内の機嫌が悪くなってきたのです。
そんなわけで、チャチャッと半日勝負のBCスキーです。

向かったのは赤城山は黒檜山の北東斜面。
ここは自宅から35分の距離で非常に近いのですが、BCスキーの情報は皆無。
おそらく雪質はガリガリかモナカだと思いますが、地形図とグーグルアースの衛星写真を見た限りでは、なんとなく滑れそうな感じ。
まあ、ババを引いたとしても無駄になるのは往復のガソリン代の数百円と時間だけなので行ってみることにしました。
県道62号線を根利方面へ向かい、めぼしを付けておいた林道からハイクアップを開始します。

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積雪は50センチってところでしょうか。
雪質は最悪のモナカ・・・
まあ、予想はしていたので、かまわず登り始めます。
運がよければ上のほうはマシになるかも。

意外な事に、先行者のつぼ足トレースが一人分あります。
確かにここからまっすぐ南西に登れば黒檜に行けるんですが、変な人がいるもんだね。(人の事は言えませんが・・・)

30分ほど登ると林道は終わりで、ここからは樹林帯を進みます。

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予想通り、意外と良さそうな斜面が広がっています。
相変わらず雪質はモナカですけど・・・

ここからは地形図の点線をトレースしていきます。
夏なら踏み跡くらいあるんでしょうか?
先ほどのつぼ足トレースもまだ続いています。
不明瞭な尾根筋をしばらく登っていくと、ここで先行のトレースはUターンしていました。
ずいぶん中途半端なところで引き返しているので、ひょっとすると登山者じゃなくてハンターだったのかもね。
俺はいちおう登山者なのでどんどん登ります。

気温が高いので昼過ぎになれば雪も緩んでモナカも滑りやすくなるかも~・・などと希望的観測をしつつ登っていきます。

標高で1200mを越えたあたりまで来ると、なんだか藪が濃くなってきてしまいました。
おまけにササのブッシュもピロピロしてる。
なんとなく「これ以上登っても無駄かな・・・」ってな気分になってきました。

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ということで、このあたりでシールを剥がすことに決定。
あと1時間半も登れば小黒檜は充分狙えるのですが、べつに良いのです。
もともと低いモチベーションで登っているので良いのです。

行動食のジャムパンを食べて滑降開始です。

で、すべりがどうだったかと言いますと、もちろん最悪。
外はガリガリ、中はサクサクの最強モナカ雪ですから、下山するだけって感じ・・・

えらい疲れたわ。

でもまあ、南岸低気圧通過後とかで、条件がよければ充分楽しめそうな斜面が確認できたのでよしとしましょう。
ま、二度と来ないだろうけどね・・・

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乙妻山

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今回は先々週に悪天候でパスしちゃった乙妻に行ってきました。
乙妻はロングで有名なクラッシクルートなんですけど、ちゃんと行けたのか?と言いますと・・・

行けませんでした。

ヒラベとハイジの企画だったのですが、なんとなく人数が集まっちゃって、その数なんと総勢11名

メンツはというと
関西勢:ヒラベ、岳、渓、山、フナッシー
関東勢:ハイジ、ササ兄貴、タケオ、ヒナコ、俺
関東勢補欠:カッキー(去年一ノ倉沢で落っこちてリハビリ中・・・)

この人数が前夜に集合しちゃったわけで、そうなると当然宴会が始まっちゃうわけで・・・・
その中には悪乗り大王とか悪乗り大魔神とかウワバミ星人みたいなのが数人いるわけで・・・
ちょっとだけ飲むはずが、けっきょく1時過ぎまで飲んじゃって・・・

当然ながら、まあ、明朝3時半に叩き起こされたときには酷い二日酔い。

こんなんで乙妻なんて行けるのかあ?という状態だったのですが、なかにはモチベーションが高く、ほとんど飲んでない者もいるので、否応も無く戸隠大橋まで連行されてしまうのでした。

補欠のカッキーを一人だけ残して
5:30 10人でハイクアップ開始。
カッキーはのんびり岩魚つりでもするらしい。

まずは長~い林道歩きから佐渡山南の鞍部を目指す。
一時間ほどで林道は終わりで鞍部南東の支尾根に取り付く。
で、この支尾根がパック気味のモナカとガリガリ雪。相変らずシール登りが下手糞な俺は四苦八苦。
あっというまに皆から置いていかれてしまう。

しかも強烈な二日酔いで頭はガンガン、胃はムカムカでちっともペースが上がらない。

ハイジにプレッシャーを掛けられながら、だ~らだ~らと登っていると、なぜか岩魚釣りに行ったはずのカッキーに追い抜かれてしまう。

で、気がつくと一人ぼっち・・・・

鞍部まで登れば皆が待っていると思っていたが、誰もいない。

完全に置いてけぼりを食ったようだ。

しょせん我々は山好き同人。山岳会では無いのだ。一人一人が自己責任の判断で登っているので文句も言えないのであ~る。

仕方が無いので面倒だが地形図など見ながら一人ルーファン。
実を言うと俺、今日のルートの詳細を聞いていなかった。なので、どこから乙妻へ登るのか知らないのだ。
現地は夕べ雪が降ってないので大勢の人のトレースが残っていて、どのトレースを追っていけば良いかも分からない状態。

ま、氷沢川の二股まで行けば誰かいるだろうと、明らかに他人のトレースを使って下って行って見ると、カッキー以外の9人が出発するところだった。

で、カッキーと二人して「このあとど~する?」という感じで打合せ。
相変らず吐き気が止まらない俺はピークを踏む気はゼロ。しかし、せっかくここまで来ているのでちょっとは美味しいパウダーを滑りたい。
骨折リハビリ中のカッキーも「意外と足の調子も腕の調子も良いのでちょっとは滑ってみたい」ということになり、「適当なところまで登って適当なところから滑ろうよ。」という事になった。

で、みなのトレースを使って高妻山東の尾根に取り付く。

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ゼーハーゼーハー言いつつ登って行くと、そこらじゅうにゲロを吐いたあとが残っている。

どうやら俺以外にも二日酔いの者がいるらしい。

で、そのゲロの数が半端じゃない。数えたわけじゃないが10箇所以上にゲロが吐いてある。
しかもそのゲロ、トレースの横とかじゃなくて、ど真ん中に吐いてあるので、歩きながら吐きまくっているようだ。
いまだに俺も気持ち悪いので、ゲロを見るたびにもらいゲロを我慢しつつゲロを避けながら登って行くと、もうちょいで標高2000mという地点でゲロの犯人がのびていた。

そいつは関西勢の岳だった。

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青白い顔をして「あまりにも気持ち悪いのでここでリタイヤしました。」などと力のない声で言っていた。
こやつ、本来は、本日の主要ラッセル要員。なんたって今日の面子の中では一番若いのだ。
ゆうべハイジあたりにしこたま飲まされたんだと思うが、どんだけ注がれたとしても、その酒を口に運ぶのは本人!
なので自己責任なのだ。

しかし、そんなんでよくもまあ、ここまで来たもんだ。

ということで、おいてけぼり第2号なのであった 笑

何度も言いますが、しょせん我々は山好き同人。
一人一人が自己責任の判断で登っているので文句は言えないのだ。
しかし逆に我々は、だれもが単独で行動できる能力をもっているのである。
なので、何の問題も無いのであ~る。

ちなみに、脱落者を無慈悲に放っておいて先に進んでいってしまった8人は俺たち二人が後から登ってくることを知らないので、岳はまぎれも無く厳冬期の雪山に置き去りにされたのである。
まったく酷いやつらだ。

さて、そんなことで、期せずして結成されたグダグダチーム3人でその後の行動をしたわけなのだが・・・・

山の神様は無慈悲ではなかったのだ。

カッキーとの打合せでは、もうちょっとだけ登ってから谷側へドロップしようと考えていたのだが、岳の今の状態ではこれ以上登らせるのは、あまりにも酷。
実は俺もバテバテだったので、「面倒だからここからドロップしちゃおう。」という事になった。

で、俺が先頭で良さそうな斜面を物色する。

尾根をわずかに下方向へトラバースしていくと、ま~あ良さそうな斜面を発見!
そこは上から下まで斜度45度くらいの急斜面でフワフワのパウダーが積もっていた。
しかも雪崩れる気配もなし。オープンバーンではないが適度に木が生えていて安心感もバッチリの斜面だった。

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もちろんファーストトラックは発見者の俺がいただく。

最初のワンターンまでは慎重に行く。
表面をスラフがバラバラ落ちていくが、バーン全体はしっかりしている。
思い切って長めに斜面を切ってみても全く問題なし。
で、後続のカッキーと岳に「最高だー!!」とコールを送る。


で、二番手はリハビリ中のカッキー。
思うように手足が動かないので最初はビビッていたのだが、滑り始めたとたんに事故前と変わらない勢いで「ヒャッホー!」などと叫びながらブッ飛んで降りてくる。


さてさて、問題はシンガリの岳。先ほどまでゲロゲロ吐きまくっていたので平衡感覚はゼロなはず。この急斜面を降りられるだろうかと心配していたのだが・・・
「最高ー!!」と叫びながら最高のパフォーマンスを見せてくれた。


二人とも一時的なアドレナリンの過剰分泌で興奮しているだけだと思うのだが、良いすべりだった。

あまりにも良い斜面だったので谷に下りてからは気分はもはや消化試合。
だらだらと下って氷沢川の二股に戻る。

すると岳、アドレナリンのスイッチが切れたようで、またしてもゲロゲロ二日酔い状態に逆戻り。ザックにもたれ掛りうずくまってしまうのだった。

程なくして無慈悲な8人が我々と同じ沢から降りてきた。どうやらヤツらも時間切れで乙妻までは行けなかったようだが、稜線までは上がったらしい。
みな満足の顔で「パウダー最高ー」などと興奮していた。

そして結果的に11人全員で下山となった。

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今回も良い山行だった。
おしまい。

ハイジレポ↓

※よいこの皆さんは、くれぐれもパーティーを見捨てたりしてはダメですよ。へたすると遭難しちゃいますからね~


謹賀新年

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みなさん明けましておめでとうございます。
 
この正月休みは、ひたすら飲んでました。
足の骨折が完治していないので、お山の計画は立てませんでした。
山に雪が無いのでいつもの仲間からのお誘いもゼロ。
 
しかたがないので、ただただひたすら飲んでました。
カウントしたわけじゃないけど、たぶん毎日1升5合くらい飲んだんじゃないかな。
朝から晩までダラダラ飲んでるとそれくらいは飲んじゃうんだよね。
でも、あきらかに飲みすぎ。
肝臓は悲鳴をあげないから気をつけなきゃね。
 
まあ、そんなことで、今年もよろしくお願いします。
 
 

ホアヒン旅行記

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日時  :2016年6月22日~6月26日
メンバー:俺と家内(どっちも50代)
行程  :一日目 スワンナプーン国際空港からバスでホアヒンへ
            二日目 プタラクサホテルに滞在
            三日目 バンコクへの移動日だが移動手段は未定
 
タイはバンコクの南、約200キロに位置するホアヒンって所に行ってきました。
実は前々から行ってみたいと思っていたビーチリゾートなんだけど、なんでもホアヒンという所は、「タイの王様の保養地として古くから発展した優雅な気品漂う由緒正しいリゾート地」という触れ込みで、タイにありがちなゴーゴーバーとかマッサージパーラーとかの風俗系は無いらしい。大型ホテルもあんまり無くて交通の便も貧弱。
そんなわけで、ゆったりした時間が流れる昔ながらのアジアリゾートが満喫できそうな気がしていたのである。
実を言うと、今回の旅行、前回のパタヤに行った時と同様で、会社の研修旅行なのである。
俺の会社の研修旅行って非常に変わっていて、「交通費と宿泊費は出してやるから好きに楽しんできてヨシ!」という、団体行動が苦手な俺としては非常にありがたいシステムなのである。
で、会社が出してくれるのはバンコクまでの交通費と市内の高級ホテル3泊分だけ。
そこから先は自己負担なのだが、タイ国内で必要な予算なんてたかが知れているのであ~る。
 
さて、では旅行記を書こう。
 
6月22日
午後10時ごろ羽田空港到着
今回利用する飛行機はJALの深夜便。会社が用意してくれたシートはもちろんエコノミーだったのだが、チェックインの時に「1万円余分に払えばプレミアムエコノミークラスにアップグレードできまっせ~」と受付の兄ちゃんに言われた。
すでにビールとワンカップで良い気分になっていた俺は1万円払ってアップグレードしてしまったのだが、これは正解だった。シートがビジネスクラスと変わらない大きさだし、足元もとても広いのである。深夜便という事で熟睡できるのは嬉しいし、なにより普通より良い席に座っているという優越感が良い気分なのであった。
 
6月23日
夜中の0時40分に出発した飛行機は定刻通り5時過ぎにスワンナプーン国際空港に到着。
ここで俺たち夫婦は他の社員とお別れして約200キロ南のホアヒンへと向かう。
交通手段はBELL TRAVEL SERVICE っていう会社の高速バスで空港からホアヒンまでの直行便だ。ネットで予約できて値段は@約1000円と格安なのだが、大型バスにたった24席のゆったり設計で、シートの大きさは飛行機のビジネスクラスと同じくらい。車内にはトイレもついていて非常に快適であるという情報を掴んでいたので、出発数日前にネットで7:30発の一番バスを予約しておいたのだ。
滞りなく入国手続きを終え、空港1階8番出口付近にあるBELL TRAVEL SERVICE の受付カウンターに向かう。それはすぐに見つかった。ネットで送られてきた支払い済みのバウチャーを差し出すと胸に貼り付けるシールとチケットを渡される。チケットはすべてタイ語で書かれているので何が書いてあるのかさっぱりわからないが、出発15分前にここで待っていろと英語で言われた。

 
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出発まで1時間ほど時間があるので朝飯を食う事にする。受付カウンターのすぐ横にmagic foodっていうフードコートがあるのでそこに入ってみる。
どうやら地元人向けのフードコートらしく、全てタイのローカルフードのメニューだが、写真付の看板メニューがあるのでわかりやすい。1人分はおおむね150円くらいで食べられそうだ。おそらく、この空港内の食堂ではここが一番安いんじゃないだろうか。
入り口で100バーツ(約300円)分の食券を購入。
店内は混雑していたが、俺たち以外はすべてタイ人だった。
家内は良くわからないぶっかけ飯。俺は良くわからないワンタンメンを頼んだ。
一年ぶりのタイ飯なので美味しかった。
 
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定刻が近付いたのでカウンター前に戻る。約15名ほどが集まっていた。そのうちの半数が俺と同様に40リッターくらいのザックを背負っていた。
家内を連れての旅行にバックパックというのもどうかと思うかもしれないが、今回の旅行、予定を決めてあるのは行きだけで、帰りの予定はしていなかった。というか、バンコクへ戻るためのバスの予約方法が判らなかったのだ。なので、帰りの交通手段によっては相当な歩きが必要な場合が考えられるし、事によっては見知らぬ街で右往左往する可能性だってあるのだ。なんたって俺、タイ語はぜんぜんわからないし、英語力はせいぜい中学1年生か2年生程度。円滑なコミュニケーションは無理なのである。そんなわけでスーツケースという選択肢は無かったのである。
 
話をもどそう。
 
係りのオバサンが「ホアヒーン、ホアヒーン。」と言いながら歩き出したので、皆がゾロゾロ付いていく。道路を横切った先にバスは待っていた。
乗り込んだバスは情報通り、とても贅沢なゆったり設計。広い室内に大きなシート。後部奥にはトイレがあって、運転手の他に女性の乗務員が1人。飛行機と同様で客室と運転席は分厚いアクリルのガラス板で仕切られていた。
さすがに機内食までは出なかったが、乗り込むとすぐにミネラルウォーターが配られる。
ちなみにバス内での飲酒は禁止になってしまったそうだ。
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バスは定刻通り7:30に出発。
懐かしいバンコクの街並みの中をバスはどんどん走る。時間が早いのでお約束の渋滞もない。小一時間ほどで市街地を抜け、湿地滞の中をしばらく進む。そして間もなく4号線のクルージングに入る。100キロくらいで走っているのでおそらく高速道路なんだろうけど、日本のそれとは違い、自動車専用道路ではない。路側には普通に家もあるし、原チャリも走っている。しかも路側帯を逆走している原チャリを何台も見かけた・・・タイでは原チャリはバイクじゃなくてチャリ扱いなんだろうか・・・?
見える景色は鬱蒼としたジャングルだと予想していたのだが、そうではなかった。はるか遠くまで見渡せる背の低いブッシュの原野にヤシの木が点在しているという景色だ。
 
タイって亜熱帯だと思っていたのだが、分類はサバンナ気候だそうだ。サバンナはライオンとか像とかがいるアフリカが有名だが、タイもサバンナ気候なんだそうだ。
(※サバンナ気候:雨季と乾季が明確に分かれていてヤシの木が生えるような気候だそうだ)
で、その背の低いブッシュの原野はいつまでも延々と続き、すぐに景色には飽きてしまう。なぜかというと、けっして魅力的な景色ではないからだ。中途半端に店舗や民家や企業の大型看板なんかがあって、大自然のサバンナっていう物ではないからなのであった。
そんなわけですぐに眠くなってしまい寝てしまった。
 
10時を少し回ったころ目が覚めるとチャームに差し掛かっていた。
チャームとは、ホアヒンのちょっと北にある小さな街で、昔から地球の歩き方でも紹介されていてローカルにも好まれる田舎のリゾート地らしいのだが、実は田舎好きの俺はチャームも今回の行先候補に上げていたのだ。しかし、実際に来て見て「来なくてよかった」と思った。だって田舎過ぎるんだもの。
バスの窓から見た感じでは、ハイウエイと海の間にホテルが点在していて、他は例の背の低いブッシュの原野だけで、他にはなんにも無いのだ。
俺はアジアのローカルな生活感を感じながら優雅なホテル生活を楽しみたいのだ。
昼はホテルのビーチやプールで生ビールなど飲みながらのんびり過ごし、夜はローカル色満載の屋台とか市場とかで庶民の味を楽しみつつ地元の安酒をたっぷり飲みたいのである。
それをするにはチャームは田舎過ぎると思う・・・
 
チャームを過ぎると間もなくホアヒンに到着した。11時ちょい過ぎだった。
バスターミナルは町の中心より3キロほど南に下った場所であった。

 
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バスを降りるとすぐにお約束でタクシーの客引きが群がってくる。しかし、たいていの場合、こういった客引きドライバーはボッタクリなのだ。
なので完全無視を決め込む。そして道路に出て流しのタクシーを拾うのだ。
道路に出るとすぐに一台のタクシーがつかまった。タクシーと言ってもトラックの荷台を座席に改造したソンテウと呼ばれるものである。
とりあえず町の中心へ向かい昼飯を食う事にする。
 
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が、すぐにマーケットビレッジと書かれた大きなショッピングモールのような建物があったのでそこで降りてみた。タクシー代は一人@10バーツ(約30円)。安いね~
中に入ってみると、さまざまな種類のレストランが沢山あって、和食の店だけでも4店舗もある。寿司、鉄板焼、蕎麦うどん、と・・・ま~あ・・・こりゃ日本のショッピングモールと変わらないぞ・・・。
つまり、ぜんぜん面白くないじゃないの!!
という事で、再度道路に出てソンテウを拾って中心街へ向かう。
ここで、ソンテウの紹介。先にも書いたけど、素性は日本製の小型トラックである。荷台をてきとーに座席に改造したものなのだが、ドアーなどは無く、しっかり捉まってないと落っこちちゃうという安全性に欠けるタクシーなのだ。
いちおう屋根の上に日本と同じようなTAXIの看板が付いているので前から見てもそれとわかる。
バンコク市内では見たことないが、バンコク以外では、どこの町もソンテウが主流。
値段は決められた路線を走るものなら一律10バーツ(約30円)とかが多い。
えらく安いのだが、基本は乗合なので、ある程度人数が乗らないと出発してくれないし、途中途中でどんどん客を拾ったり降ろしたりするのでノロノロだが、それでも東京の路線バスよりずっと早いと思う。
降りたいときは屋根をコンコン叩いたりすればどこでも止まってくれる。
さてと、そんなソンテウにのってようやくホアヒンの中心地に到着した。我が家を出てから、実に17時間が経過していた。現在時刻は現地時間で12時。
ずいぶん遠くまできたもんだ。
 
ソンテウを降りたすぐそばにレストランがあったのでそこに入る。フランスのカフェーのように歩道にテーブルをはみ出させた席があったので、そこに座る。そして生ビールを2杯注文する。良く冷えたジョッキの生ビールは、注いだ瞬間から結露で水滴を滴らせ実にうまそうに見えた。で、ぐびぐびと一気にやる。染み渡るうまさであった。
料理は焼きソバとトムヤムクンを注文した。
焼きソバは美味かったが、なぜかトムヤムクンはトムヤムチキンが出てきてしまった。俺の発音が悪かったんだろうな。
 
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お代わりした二杯目のビールを飲み終えたので、時間つぶしのためにマッサージをすることにする。ホテルは午後2時からチェックインなので、まだ1時間半もあるのだ。
すぐ近くに暇そうな小さなマッサージ店を見つけた。入り口のウインドウに全身マッサージが1時間で165バーツと書かれていた。つまり日本円で500円。2人分でも1000円だった。
10年くらい前のバンコクで100バーツだった記憶があるので、だいぶ値上がりしたようだが、さすがに高いとは感じない。だって日本だったら1時間で3000円はするもの。
店に入ると、ま~あ粗末な感じでフットマッサージの椅子が3個。奥に全身マッサージ用の施術台が3個の小さな店だった。
で、施術するベットに案内されると、笑っちゃうほど大きなブカブカのパンツを渡され、裸になってこれに着替えろと言う。
俺は男だから良いが、家内にも同様なパンツ1枚しか渡さないのだ。つまりオッパイ丸出しになれと言うのである。しかも着替えはここでやれという。更衣室など無いのだ。ちなみに脱いだ物を入れるカゴすらないので、汚れないようにザックの上に脱いだものを乗せる。
開き直った家内、「恥ずかしがる歳じゃないわよ」とか言いながらオッパイ丸出しになった。幸いマッサージ師は女性だったのだが、男のスタッフからも見えちゃう位置であった。
しかし、ここのマッサージの技術は良かった。強すぎず弱すぎず、的確にツボを押さえる。17時間の長旅で疲れた体が蕩けていくようであった。
あまりにも満足なマッサージだったので支払は500バーツ(1500円)を渡し釣はチップとした。店のスタッフも満足そうに笑顔になった。たった500円でみんなが笑顔。マイペンライだ(違うか?)笑
 
タオルの下はノーブラです
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店を出るとちょうど午後2時だったのでホテルへ向かう。
予約したホテルはプタラクサという、ホアヒンで2番人気の小洒落た小さなホテル。いちおう高級な部類にあたるので俺というキャラには似つかわしくないのだが、今回は家内と一緒なので奮発したのである。
 
アイフォンのグーグルマップで位置を確認すると600mほどの距離だ。歩くには暑くていやだし、タクシー乗るには微妙に近いし・・という中途半端な距離だったが、結局歩いてしまった。
ホテルに入るとすぐに可愛らしい受付嬢が出迎えてくれた。
チェックインだと言うとウエルカムドリンクと冷たいオシボリが提供され、しばし待たされる。
というか、えらく待たされた。「まさかひょっとしてオーバーブッキングで部屋が無いとかかあ?」と不安になったころ、ようやく部屋に案内された。歩きながら待たせた理由らしいことを英語で説明してくれたが、俺の英語力で理解できたのは「用意できたのは2階の眺めのいい角部屋ですが、それで良いですか?」という事だけだった。
で、部屋に入ってビックリ。予約した部屋よりだいぶ広いのだ。予約したタイプの部屋が満室なので運よくこの部屋があてがわれたのかと思ったが、どうもそうではなく、他に空き部屋は結構あるように見受けられた。
そんなわけで、いまだに何で部屋がアップグレードされたのかは謎なのである。俺の英語力じゃそれを確認できないし・・・・まあ良いけどね。笑
 
さて、このプタラクサというホテル。非常に良かった。もちろんネットでしっかりリサーチしてから予約を入れたのだが、評判通りこじんまりした良いホテルだった。
ちなみに予約したのは一番安い部屋をさらにディスカウントされたもので一泊@約13,000円。(定価は約30,000円)。ホアヒンでは高級な部類なのだ。(※最高級じゃないですよ。)
で、このホテル、一言で言うと大人向けのリゾートホテルである。実際に熟年夫婦の欧米人が多く見受けられた。
プールサイドでは中年のオバサンはビキニだし、頭の禿げたオヤジは突き出たお腹を堂々とさらしながら日光浴を楽しんでいた。(まあ、俺たちの事でもあるけどね・・・笑)
もちろんピチピチのマイクロビキニの白人ギャルもいるので目の保養にも事欠かないのであ~る。

部屋からの眺め
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この写真を撮ったあと、盗撮で訴えられそうでドキドキした・・・笑
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大型ホテルのようにプールバーがあったりはしないのだが、プールには専属のスタッフが常駐していて、新しい客が来るとさりげなくタオルを運んできてくれたり、時々冷たいミネラルウオーターをクーラーボックスごと無料で運んできてくれたりと、キメ細かなサービスが嬉しい。もちろん頼めばトロピカルカクテルなんかも持ってきてくれるのだ。
街の中心部などに外出したいときはホテル専用のトゥクトゥクというオート三輪が用意されていて街まで無料で送ってくれる。
朝食のビュッフェも美味しかったし種類も豊富。
客室はと言うと、白を基調に品よくまとめられて良い雰囲気である。ベッドはキングサイズのダブルで程よい硬さ。毎日果物と氷のサービスがあって、とてもきれいに掃除してある。
どの部屋もバルコニーにはベットのような大きいソファーがあって、白いパイル地の清潔なカバーが付いている。若いカップルならそこでイチャイチャするもよし。本でも読みながらのんびりするのも良し。酒を飲みながら煙草をふかすのもよしなのである。(ちなみに室内は禁煙)
バスルームのシャワーの勢いとお湯の温度が低いのが難点だったが、まあ、そんなことはどうでも良いと感じられる満足のホテルだった。
 
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ホテル紹介はこの辺にして続きを書こう。
 
まあ、そんな感じで俺も家内もこのホテルは充分に気に入ったのだった。
ホテルで夕方までのんびり過ごし、夕方に例のトゥクトゥクで街まで送ってもらう。
この街にはナイトマーケットがあって、さまざまな雑貨や土産物などの屋台が立ち並ぶのだ。一画では新鮮なシーフードを食わせるレストランが軒を連ねていたりで、非常におもしろいのである。
 
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しかしそれは観光客を狙ったものに違いなく、ローカルな生活感を求める俺の欲求を満足させるものではなかったのだが、実は昼間ホテルに行く前にナイトマーケットの路地裏に見つけておいたのだ。活気あふれる地元民用の市場をね。で、夜はそこに遊びに来ようと楽しみにしていたのだが、そこは夜は店仕舞いした後だったのだ。
考えてみれば、それもそうなのである。地元民用の市場が夜までやっているわけがないのであった。
しかたがないので素直にナイトマーケットを楽しむことにした。
とは言っても、屋台で安物のお土産を買ったりするほど若くは無いので、とりあえず適当なバーに入って一杯やる事にする。そんな場合の店を選ぶコツは、長期滞在者らしき欧米人が多く座っている店を選べば大抵間違いはない。彼らは安くて居心地が良いい店にしか入らないからだ。

で、すぐにそのような店が見つかった。
俺はジャックダニエルのストレートを注文。家内にはなにかトロピカルなカクテルがよかろうとメニューを見ると、hua hin というカクテルがあったのでそれを注文した。ウエイトレスにどのようなカクテルなのか尋ねたのだが、怪しい笑顔を浮かべるだけで答えようとしなかった。またしても俺の英語が伝わらないのか?と思っていたのだが、運ばれてきたグラスを見て理解した。ジョークたっぷりのセクシーカクテルであった。
女性の体をモチーフしたグラスにナフキンで作ったかわいいビキニが着せてあったのだ。
田舎のレストランバーにしてはなかなか洒落ててよろしい。ますますホアヒンの町が好きになった。
ちなみに中身はラムベースのダイキリでアルコール度数は高め。
若い女の子を酔わせるには良いかもしれないが、我が家内、この程度じゃ屁とも思わないので面白くない・・・
 
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さてと、ウイスキーとダイキリですっかり良い気分になったので食事をすることに。
食べたいのはもちろんシーフード。
で、今いる店のとなりがシーフードレストランだった。
レストランといっても厨房が路上という屋台のようなレストランなのだが、鮮度の良さそうなエビや魚が氷の上に大量にディスプレーされていて、見るだけでも実に楽しい。料理は路上の厨房で豪快に調理されるのだが、高火力のバーナーで中華鍋を振るうので、ちょくちょく鍋から火柱が上がるのだ。そのたかさは2mくらい。これがまた見ていて実に楽しいのだ。
何を食おうか迷う所なのだが、タイに来たらとりあえず食べたかったのが、プーパッポンカリーという渡り蟹のカレー。店を仕切っていたオババに「つくれるか?」と聞くと「もちろん!」というので迷わず注文した。サイドメニューはホタテガイのグリル。バターとチーズのガーリックソースで味付けしてもらう。〆はエビチャーハンを頼んだ。
で、美味かったのかというと、まずまず及第点であった。
しかし、支払いの伝票をみてビックリ。2人でこれだけ食べてビールだって飲んだのに、日本円で1800円ほどだったのだ。コストパフォーマンスは素晴らしいと感じた。
 
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お腹も膨れたし、ずいぶん飲んだので、あとは帰って寝るだけ。流しのトゥクトゥクを拾ってホテルに帰った。ちなみにトゥクトゥクの料金は100バーツ(約300円)走る距離はたったの600m。昼間乗ったソンテウが10バーツだったことを考えると、えらく高いと感じたが、どのトゥクトゥクと交渉しても100バーツだというので、これが相場らしい。
でもまあ・・・300円だけどね 笑
 
 
6月24日
今日はのんびりゆっくりしていて良い日なので早起きする必要はないのだが、歳のせいなのか興奮のせいなのか判らないが7時前に目が覚めてしまう。
まだお腹もすいてないのでホテルの周辺を散歩する事に。
とりあえず道路を挟んで海側の宿泊棟のほうに行ってみる。このホテルの造りはちょっと変わっていて、道路の海側と山側と敷地が半々に分かれているのだ。ちなみに俺たちが泊まっている山側はアパート風の造りの一般客室で、海側はコテージ風の高級客室棟となっているのだ。行ってみると確かに良さそうだが、こっちは一泊5万円以上もするので普通の人には無理。いつか泊まってみたいものだ。
敷地を抜け海まで行ってみたが、海はまあ、きれいではない。というか汚い。ゴミや古タイヤなどの漂着物が散乱していて、最近の日本の海水浴場より汚い感じ。
ま、泳ぐ気にはなれないな。
 
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という事でこのビーチで長居する気分じゃないので朝飯を食いに行く。
ホテルのレストランは俺たちの部屋のとなりだった。
円形茅葺みたいな屋根の洒落た建物がそうだ。中に入ってみると既に8時だというのに客は俺たち以外に二人だけだった。
みんなまだ寝ているのだろう。
食事はバイキング形式だった、どの料理も優しい味付けがされていて美味かった。種類も豊富。
 
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朝飯を終えてからはしばしプールでまったりする。

今日の予定は特になにも決めてなかったのだが、俺は昨日行けなかったナイトマーケットの路地裏に見かけた例の市場にどうしても行きたかった。
家内もそういった市場などを冷やかすのは大好きなので、「行ってみようぜ」と誘ってみると「良いわねえ。私も水着とか買いたいし。」と、すぐに食いついてきた。
そんなわけで昼飯を絡めていく事にした。

11時ごろフロントに行きトゥクトゥクでナイトマーケットまで行きたい旨を伝えると「昼間はマーケットはやってませんよ。行っても何もありませんけど・・」みたいな事を言われた。やはりあの市場を見物に行く観光客はあまりいないらしい。
「まあ良いから良いから、とにかくトゥクトゥクにのせてくれよ。」という感じで無料トゥクトゥクで出発する。

テーマパークの乗り物のようなトゥクトゥク
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で、行ってみると、やっていました。市場!
入り口がとても狭くて分かりにくい市場なんだけど、中はかなり広くて活気にみなぎった正しいアジアの市場が展開されていた。魚と野菜と果物の市場らしいのだが、衣料品や雑貨品も売られている。
この市場で何か買いたいと言うわけじゃないのだが、とにかく俺はこういった所を見物するのが大好きなのだ。

 
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で、この市場の入り口に小さな食堂があるのだが、その店の入り口にあった大きい鍋の中に凄く食いたいと思っていたものを発見した。煮込み豚足だ。
20年くらい前に一人でサムイ島やパンガン島など旅行した時に、豚のモツと豚足のゴッタ煮のような物を食った事があるのだが、それがもの凄く美味しくて「また食いたいなあ」と思っていたものなのである。ここ店の物はモツまでは入っていなかったが、まあ似たような感じだ。
いても立ってもいられず早速注文した。通常は豚足を小さく切ってご飯に乗せて食べるものらしいが、ビールのつまみとして食いたいのでご飯抜きで注文する。煮卵も添えてもらった。付けあわせに小さい丸ごとのニンニクと小さい唐辛子が付いてきた。
その小さなニンニクと唐辛子をかじりながら食べるらしい。
さっそくそのようにして食べてみたのだが・・・・絶品であった。
豚足は甘辛くトロトロに煮込まれていて、噛み締めていると自分の脳味噌までトロトロになっていきそうだ。
家内はこういったビジュアルのよろしくない物は苦手なので俺が一人で全部食ってしまったのだが、食べ終わっても口の中には脂っこさなど微塵も無く、むしろ爽やかな余韻さえ残るほどの美味しさだった。
この料理、今回のタイ旅行で食った物の中でダントツ1位である。
 
豚足
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骨を外して食べやすい大きさに
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盛り付け完了
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小粒のニンニクと唐辛子2種類
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絶品です
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興味のある方は是非おためしあれ。
その後は、またしても昨日行ったマッサージ店でマッサージなど受け、家内の水着を買ったり(なんとビキニである)してホテルに帰る。
午後はプールでのんびり過ごした。
 
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夜はまたしてもナイトマーケットに行く。
今日はホアヒン最後の夜なので、贅沢をしようというのが目的だ。
家内は夕べのレストランが気に入っていたらしいが、同じ店と言うのもつまらないので夕べの店のとなりのレストランにした。まあ似たような感じの店なんだけどね。
で、値段など気にしないで美味そうなものを物色する。
とりあえずは1キロくらいのでっかいロブスターを一匹チョイス。半身をバターソースのグリルにしてもらい、もう半身はガーリック味で焼いてもらう。
ムール貝の蒸し物を1キロほど頼む。
さらに見た事の無い魚だが、ヒラスズキのような魚があったので、それは香草蒸にしてもらった。
付けあわせはもやし炒め。
この量、絶対に二人で食いきれない事は解かっているのだが「今日は贅沢する」が目的なので良いのだ。
飲み物はとりあえずビールで乾杯。二杯目からは免税店で買ったシーバスリーガルの12年を持ち込んだので、氷と水を注文してスコッチの水割りとした。
タイのレストランって酒の持ち込みとか全然OKなのである。おおらかで良いよね。
で、料理の味がどうだったかと言うと、まあ、昨日と同じで普通に及第点だ。
値段はと言うと、夕べの感じでだいたい予想はついていたが、あれだけの高級食材をたのんだにもかかわらず、日本円で約5800円だった。安いよね。これでも観光客向けの値段設定なんだよね~。熱海あたりで同じもの食ったら何万円するんだろ?
ま、二日目の夜もこんな感じで夜は更けていくのであった。
 
ハイテンションのウエイトレス
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持ち込みOKです
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6月25日
今日はバンコクへの移動日
しかし、帰りの足は確保できていない。

考えられる交通手段は
 
贅沢にタクシーだと6000円~8000円くらいらしい。値段はともかく面白くないのでこれは却下
 
列車だと1人1200円位らしいが、早朝とか夜遅くにしか便が無いのでこれも却下。でも、本当は列車で帰りたかった。外国で電車乗るの好きなんだよね。
 
エアコン付のバスだと1人1000円位でしかも快適なのが解かっているのだが、予約ができていない。でもこれが現実的なので第一候補。
 
残りはロットゥーと呼ばれるミニバス。おもにトヨタのハイエースなどのバンの乗合なのだが、おそらく狭いだろうし、安全性とか良くわからんので、これは第二候補。
 
 
早めに朝食を済ませ9時にチェックアウト。
とりあえずホアヒン駅近くのバス乗り場に行ってみた。
その場所はバス停でもあるのだがロットゥーの乗り場でもあった。
ロットゥーの客引きがうるさいのだが、無視してバスの受付に行ってみると、時刻表があり、それには10時と12時のバンコク行きが書かれていた。現在の時刻は9時40分。
ちょうどいいと思い10時のバンコク行きのチケットを頼むと、なんと、10時のバスは出ないという。なんで?と尋ねたが俺の英語力では理解不能~
とにかく10時のバスは無いのだ。
タイでは時刻表がインチキで、まったくもって信用できないという情報は持っていたのだが、まさしくその通りであった。
という事で交通手段の選択肢はロットゥーだけとなった。
しかたがないのでロットゥーの出発時刻を聞いてみると、帰ってきた答えは「NOW!」だという。値段はバンコクの戦勝記念公園まで@500円だという。
決定であった。
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切符を買い車に乗り込む。乗客は俺たち2人だけ。「貸切じゃん。これで一人500円なら凄い安いよな。」と喜んでいたのだが・・・
NOWと言った割にぜんぜん出発する気配が無い。
すぐに気が付いた。「NOW=今」というのはウソで、お客が集まったらスグに出発するという意味だったのだ。
結局、20分ほどの間に続々とお客が乗り込みほぼ満席になった。俺たちを含む外国人が半分。地元タイ人が半分くらい。赤ちゃんを抱いたタイ人のお母さんなんかもいて、ローカル色満載だ。俺は腹が立つどころか、だんだん楽しくなってきた。
こういったローカルにどっぷりつかるのが大好きなのだ。

 
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結局ロットゥーは10時に出発となった。
この分なら13時にはバンコクだなと思っていたら、このロットゥー、頻繁にあちこちに止まるのだ。バンコクまでまっしぐらと思っていたのだが、路線バスのように、あちこちに停留所みたいな物があって、そのたびに地元客を乗せたり降ろしたりして小銭を稼いでいるようであった。
だがそれもチャームの町までで、その後は4号ハイウエイをビュンビュン飛ばして走った。
運転はけっして丁寧ではなく時速100キロからの急ブレーキも頻繁で、とても2種免許を持ているとは思えない荒っぽいものだった。そもそもタイには2種免許なんて無いのかもしれないけどね。
ただ、この運転手、乱暴だが運転はうまい。というか、ちょうど俺と同じような運転スタイルなので妙な安心感を感じていた。
しかし家内は何度も「ひゃ~」とか「うわ~」とか小さな悲鳴をあげていたようだった。
 
ロットゥーはバスと違い、車にトイレが無い。なので途中で休憩が入る。バンコクまでの中間点と思しきあたりでガソリンスタンドとドライブインを兼ねたようなところで休憩となった。効きすぎのエアコンでトイレに行きたかったので助かった。
さっそくトイレに駆け込んだのだが、ここのトイレは20年以上前にタイを旅行したころの懐かしいスタイルのままだった。けっして清潔とは言えないし、どちらかと言うと汚いトイレなのだが、なつかしくて思わず笑ってしまった。
どのような物かと言うと、水洗便所なのだがレバーやボタンで水は流れない。便器は和式に近い形状で、トイレットペーパーは無い。代わりに水の貯められた桶が置いてあるのだ。

 
どのようにして使うのかと言うと、用を足した後はお尻を桶の水を柄杓で汲み、手で洗うのだ。もしくは水道がある場合はホースで尻を洗うのである。しかるのちに今度は柄杓で汲んだ水を一気に便器に流しウンコを流すのである。
初めてだとビックリするかもしれないが、アジアのトイレはどこもこんなスタイルが多かった。
俺も初めてアジアを旅行した時はビックリしたし抵抗もあったのだが、慣れると非常に気持ちがいいのだ。そもそも紙で拭くよりも、よほど衛生的なのである。
しかし、最近はこのスタイルはめっきり少なくなった。少なくても外国人旅行者が多い場所ではぜんぜん見かけなくなった。
 
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まあ、便所の話はこれくらいにして続きを書こう。
お客のトイレも終わり、ロットゥーの給油も終わって車は再び走り出す。
見える景色は来る時と同じ、例の背の低いブッシュの原野。
おもしろくない景色なのでやっぱり眠くなってしまい居眠りの開始。
次に目が覚めると、ちょうどチャオプラヤ川の橋の上だった。
とうとうバンコクに入ったのだ。
 
ここまでは渋滞も無く来れたようだが、チャオプラヤ川の橋を渡ると間もなく渋滞につかまった。まあ以前のバンコクの渋滞に比べたら可愛い渋滞だったけどね・・
結局渋滞は目的地の戦勝記念公園まで続いていた。で、この渋滞の原因はなんと、凄い数のロットゥーだったのである。ロットゥーの発着場所に行くためには中央分離帯で区切られた片側2車線ある道路をUターンしないと入れないのだ。なので凄い数のロットゥーが同じ場所でUターンするのだが、車体の大きいロットゥーがUターンするには3車線もの車を一時的に止まらせる必要があるのだ。それをすべてのロットゥーがするものだから、このあたりだけ道路は上下車線で凄い渋滞。もしもこれが東京だったらえらい騒ぎになると思うんだけど、ここはタイだからね・・・
そんなこんなで、とにかくバンコクにたどり着いたのは予想より30分遅い13時30分だった。
ロットゥーの発着場は排気ガスで薄汚れた高架下のせまい広場だった。おびただしいロットゥーが停まっていて、なぜか多くの品の無さそうな男たちがあちこちで大声でわめき散らしていた。何を言ってるのか判らないが、文句を言いあっている感じだった。
ちょっと怖いので急いで退散する。
実は俺、ここに来るのは初めてだし、戦勝記念公園の近くだという事は判ってはいるが具体的な現在位置は全く分からなかった。西も東も判らない状態だった。そんな時に活躍するのがアイフォンのグーグルマップ。正確な現在位置と行きたい場所への距離も方向も一目でわかる。便利になったもんだな。

調べてみると次に乗る予定のBTSという電車の駅までは少し歩くようだ。
駅は戦勝記念公園の向こう側であった。ちょっと遠いがこの公園もバンコクの観光スポットの一つに違いないので見物しながら歩いていく。
腹が減ったので途中の食堂でタイで最もポピュラーなメニューの一つのカオマンガイと言う鳥飯を食べる。まあ普通にうまい。今までも何度も食った事はあるけど、どこで食っても普通にうまい。日本人の感覚だと駅前食堂のカツ丼と言ったところかな。
 
カオマンガイ
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道路は渋滞
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さて、飯も食ったし、BTSの駅に向かう。
ホアヒンと違って妙に蒸し暑いし、ギュウギュウ詰の40リッターザックを背負っているので汗でびっしょりだ。汗を拭き拭き歩く。
駅に着くと凄い混んでいた。しかも、自販機で切符を買いたいのだが小銭が無い。両替したいのだがなぜか両替場は長蛇の列。50人くらい並んでいる。
痺れを切らした家内、「タクシーで行こうよー。」と言い出したが、道路が渋滞しているのは先ほど思い知らされているので先刻承知。おとなしく並んで電車に乗った方が絶対に早いのだ。
15分も並んでいただろうか。ようやく切符を手に入れて電車に乗り込んだ。列車の中はエアコンが利いていて天国のように感じた。

 
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途中で一回乗り換えがあるが、目的地のサラディーン駅まで行けばこの旅も終わりだ。
サラディーン駅の目の前に会社が予約してくれたクラウンプラザという高級ホテルがあるのだ。
まあ、帰国するのは明日なので旅が終わりと言うわけじゃないのだが、まあ俺的にはここで一度ピリオドっていう気分なのである。
 
というわけで、レポはこれで終わりにする。
日記と言うつもりで書いたので、えらい長文になっちゃったけど、最後まで読んでくれた人、ありがと~。
 
<ホアヒンの率直な感想>
色気の無い街なので若い人や団体旅行には向かない。俺たちみたいな熟年夫婦とかには凄く向いてると思う。
街は全体的に騒々しくはないが静かでもない。
しつこい呼び込みや物売りはほとんどいない。
レストランやバーはそこそこ充実しているので、食事や酒には困らないが、派手な店は見かけなかった。
日本人はぜんぜんいない。ホテルで何人か見かけたけど町ではゼロ。なので日本語は全く通じない。街では英語すら通じないところがけっこうあった。
これといった見どころもアクティビティも全然無いので、のんびりする以外に過ごしようがないのも事実。
事前情報の「優雅な気品漂う由緒正しいリゾート地」というのはちょっと違うぞ~。ほめ過ぎだろうって思うけど、まあ、嘘でもないかな。
とにかく俺たちはとても気に入ったので、おそらくこの先、何度も来ることになると思う。
おススメではありますね。
 
<ホアヒン旅行の情報が欲しくて、ネットで検索してたどり着いた人へ>
俺も今回のホアヒン旅行に行くにあたって、けっこう情報不足で苦労したので、知りたいことがあればコメントしてください。知っている事はお答えしますよ。
今ネットで流れている情報だけだと古すぎて使えない物も多かったし・・

リベンジ沢行 三重泉沢

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2016/07/23~24
 
メンツ:かっきー・へべれけ
 
去年の7月25日の遭難事故からちょうど1年が過ぎた。
折れた足首は順調に回復していたが、金属プレートとビス7本は未だに入ったままだった。
実を言うと事故から半年くらいで普通の登山ができるくらいには回復していたのだが、その頃は真冬の1月。
そんなわけで山に登るとなると厳冬期の雪山での山スキーだからして、本格的すぎちゃって行く気になれなかった。
春のGWにはザラメの鳥海山から山スキーに復帰したのだが、雪不足という事もあってスキーシーズンはそれで終了となってしまった。
 
スキーシーズンが終わると沢シーズンが始まる。
 
何処の沢もユキシロが少ない事もあって、いつもの年より早く沢シーズンは始まっていて、仲間たちの沢レポなど読んでいると、行きたい気持ちも湧いてきていたのだが、やはり、なんとなく恐怖感があるというか、ちょっとした渓流釣りでさえ行く気になれなかった。
 
いつもの年より仕事が忙しい事もあったのだが・・・
まあ、とにかく、ずいぶん長い事、山から遠ざかっていたのである。
20キロくらい担いで近所の山でのボッカトレとかは時々していたのだが、そんなものは焼け石に水で、体力も筋力もやる気も落ちていて、増えたのは体重だけ・・・・というありさまだった。
 
そして、気が付くと事故から一年がたとうとしていた。
 
節目が近づいてきていた。
 
やらねばなるまい!
 
という気持ちがわいてきていた。
 
という事で、事故から363日目にあたる7月23日(土)にリベンジ三重泉沢行が決行されることになったのだ。
達成できればギリギリ1年以内のリベンジ沢行という事なのである。
 
同行者はおなじみカッキー。
サポートとして仲間内では最強のポテンシャルなので心強い。
 
当初の予定ではアルピニストの安藤塾長も参加予定だったのだが、急な仕事が入ってしまい残念ながらドタキャンとなってしまった。
 
さて、では、俺にとっての三重泉沢がどういうものなのかを、ちょっと説明しておこう。
 
実は、ものすごく特別な沢なのだ。
 
地元群馬県の沢なのだが、
登山をはじめて間もないころ、源流釣りの延長線上ではあるのだが、はじめて本気で臨んだ沢が、この三重泉沢なのである。
そして、はじめて途中退却したのも三重泉沢。
何しろその頃の俺、懸垂下降以外の登攀技術は何も知らないのだ。
その時は、退却用のアンカーに、持っていた全てのハーケンを残置したし、ほとんどの捨て縄も使い切って、フラフラになりながらのヘッデン下山だったのだ。
そしてバリエーション熱に火が付いたのは、これが切っ掛けと言って間違いないのである。
 
また、今回同行のカッキーと初めて出会ったのも、この三重泉沢。(別パーティーで前後して登ってたのだ)
今ではすっかり馴染みの仲間なのだが、実はこの沢が始まりなのである。
 
そして、初めて遭難してヘリに救助されたのも、この三重泉沢なのである。
 
まあ、そんなわけで、俺にとっての三重泉沢は、今の俺の山行形態の基盤になっている沢であり、今の山仲間の出合いの場所でもあるのだ。
そして、何度も繰り返し遡行しているホームグラウンドのような沢なのである。
 
さてさて、では山行記録を書こう。
 
つづく
 
これは2008年6月の写真 第3ゴルジュのCSをリードする俺(今の俺には無理です)
離陸が難しいんだよね
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岩の割れ目に手を突っ込んでグーを握って・・
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よくもまあ登れたもんだわ。今の俺には無理だね
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リベンジ沢行 三重泉沢 ②

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7月23日

7:20 林道ゲート出発
今日の予定、というか目的は、第一ゴルジュ先の事故現場の検証。
事故当日はそれどころじゃなかったので、今日あらためて事故状況を検証したいのだ。
ゲート前
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その後はゆっくり釣でもしながら1年ぶりの沢登りを楽しむつもり。
 
8:30に三重泉橋到着。
ここまでは約1時間の林道歩きなのだが、1年のブランクはさすがに大きく、足取りも体も重いし、ちょっとした登りでも息が切れた。

 
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10分ほど休憩を入れて、いよいよ三重泉沢に入渓する。
予想はしていたのだが、沢の歩きがなんとなく恐い。
滑るんじゃなかろうか?とか、この石動くんじゃなかろうか?とか、よけいな事を考えてしまい、恐る恐るギクシャクした歩みで遡行を開始する。
 
それでも第一ゴルジュまでは30分ほどで到着した。
ゴルジュ入口の滝は、高さが2mもない小滝なのだが水量が多いと水線突破は難しい。しかし去年と同様、水量は少ないし、しかも滝壺が埋まって浅いので、胸まで浸かれば簡単に超えられた。
 
第一ゴルジュ
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そして、記憶ではここから15mか20m先が事故現場なのだ。

が・・・慎重に探しながら歩いたのに、それらしい景色が見当たらない。
事故発生からヘリの到着まで3時間以上もの間、見続けた景色なので忘れるわけがないのだが、見つけられないのだ。
「15mか20m先・・」というのが俺の記憶違いなのかと思い、さらに進みながら探したが見つからない。
 
この写真の奥のほうが事故現場のはずなのだが・・・
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そしてとうとう発見できないまま第二ゴルジュまで進んでしまったのだった。
おそらく、この一年の間に大きな出水があって沢の形が変わってしまったんだと思う。
 
そんなわけで、現場検証と言う第一の目的は永久にできない物となってしまったのだった。
 
ま、できない物は仕方がないので、気持ちを切り替えて沢登りを楽しむことにする。
 
さて、訳が分からんうちに到達してしまったこの第二ゴルジュ。
ちょっとした廊下の奥にCSの二段滝があるのだが、ハーケン打ちまくっての人工登攀になるので、俺的には素直に巻に入りたいのだが、同行のカッキー、直登する気まんまんらしい。
「やめようよ~」という俺の願いを聞き入れず、すでに滝の直下まで進みルーファンを開始している。
しかたがないので俺もそばまで進んで行き、「今日はリベンジでもあるし、1年ぶりの沢登りでリハビリ的な要素もあるのだから・・」などと説得してようやく思いとどまらせた。
 
ルーファン中のカッキー
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で、いつも通り左岸から高巻を開始する。
しかし、この高巻、人工登攀の直登ほどではないが、けっこうめんどくさいのだ。
結構な高さまで登らされるし、トラバースもズルズルでイヤラシイのだ。しかもそのトラバースは結構長く続き、最後はきっちり30mの空中懸垂で沢に復帰するというのがいつものパターンなのだ。
 
が・・・・
今回はもっとめんどくさくなってしまったのである。
適当なところからテキトーに登りはじめ、てきと~な高さでトラバースを開始する。
いつもはもっと上まで詰め上げて岩盤基部をトラバースした記憶があるのだが・・
「木の根っこが沢山あるからダイジョブダイジョブ~」と言いながらどんどんトラバっていくカッキー
んで、俺はと言うと、ズルズルのトラバースに怖気づいてしまい全然動けない。
これではらちが明かないので「アンザイレンしてスタカットで行こうよ~」と希望すると、カッキー、どうやらめんどくさくなってきたらしい・・・
「ここから斜め懸垂で強引に降りちゃおう!」という作戦に変更されてしまったのだった。
しかし高さはどう見ても50mはありそう。
「あそこでピッチ切れば良いんじゃね?」と言う感じで2ピッチの強引懸垂の開始。
持ってきたロープは8ミリ30mのザイル1本と5ミリ30mの細引き1本。
まあ、強度的に問題ないのは解かっているけど、幕装備を背負って5ミリの垂直懸垂はちょっと気持ち悪かった・・・
 
2ピッチ目の懸垂
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さて、これで全部で四つあるゴルジュのうち二つを抜けた事になる。今の時間はまだ11時前。どう考えても余裕の時間なのでイワナなど釣りながらのんびり行く。
イワナ釣がどうだったかと言うと、「さすがゴルジュのど真ん中」とだけ言っておこう。
ただ、これを読んで行く気になった人!なめてかかると大怪我しますよ~。
なんたって大怪我した本人が言ってるんだから本当です!
 
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楽しく1時間ほど遡行を続けると第三ゴルジュ到着。
ここは怖くはないがめんどくさいCS滝。
以前は簡単にフリーで登れた記憶があるのだが、なんだかめんどくさそう。
石の上にでっかい木の根っこが乗っかってるし。
ただ、その木の根っこから一本のツルが下がっている。
「あれ使ってゴボウで登れるんじゃね?」とカッキー
で、実際に登ってみると、「あれま!えらい簡単だわ」と言う感じでスルスル~っとクリア。なんだかボーナス貰った感じ 笑
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でも、このツルが無かったらマジでめんどくさい滝。
ほとんどの人が人工登攀で登ってるみたいだし。
だって左岸には残置されたシュリンゲつきのハーケンが連打されてたもの。
ちなみにその連打されたハーケンは登攀経験の無い釣り師とかじゃ難しくて使えないのであしからず。
 
連打された残置ハーケン
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無茶な釣り師が無理矢理ここまで来たとしても、おそらくここで退却だろうね。そしておそらく、凄い怖い思いをしながら往路を戻る事になるはず。
なにしろ俺が初めてこの沢に来た時も、相棒がどうしてもこの滝を登れなくて、ここで退却したのだから。
 
さて、これを過ぎると残るは最終関門の第四ゴルジュのみ。
しかし、第四ゴルジュは左岸から狭い岩屋みたいなところをすり抜けるように巻けば簡単に超えられるので、事実上、これで核心を抜けた事になる。
 
はずだったのだが・・・・
 
本日の相棒が悪かった・・・
 
小一時間ほどで第四ゴルジュに到達したのだが、カッキー、またしても直登する気満々。
しかも「ビレー必要なし!」と言いながら俺を引っ張り上げるための細いフローティングロープを引きながらどんどん登って行ってしまったのだ。
俺が見る限り、落ち口がえらく悪そう。
最後のスタンスは横に走るクラックが使えそうだけどホールドが何も無さそう。しかもツルツル。
少なくても俺は登れる気が全くしないのだ。
なのにカッキー、ビレー無しでどんどん登っていく。
で、核心の落ち口に差し掛かると、なにやら腰のあたりをごそごそやりだして、取出したのはカム。
それはつまり人工登攀で行くかビレーに切り替えるのかって事なのである。
ようするに簡単じゃないって事なのだ。
カッキー。ろくにルーファンしないで登ってたのだ。

 
フリーで登るカッキー。ロープはまだザックにつながってる・・・
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で、結局、あわててビレーの体制に入る。
カッキーはザックに取り付けてあったロープバッグからフローティングロープをハーネスに装着。
俺は手で持っていただけのロープをエイトカンに通してビレーループにセット。
これで一応ビレーの体制はとれたのだが、フローティングロープはダイニーマ。強度は充分だが全然伸びないロープなのだ。
なので、もしも墜落すると衝撃が吸収されず身体へのダメージが大きいのである。
ま、今回は高さが無いので問題ないけど、良い子は真似しないように。
 
結局、カムは決まらずハーケン一枚打って登攀を再開し大股びらきのムーブでオンサイト。
 
で、なし崩し的に俺がフォローで登る事になってしまったのである。
 
「まあ、落ちてもドボンですむし」という事で嫌々登攀開始
予想通り落ち口までは俺でも普通に登れた。
中間支点のハーケンまで登ると「勿体ないからハーケンちゃんと抜いてね。」とカッキー
このハーケンが嫌なほどバッチリ決まっていて抜くのにえらい苦労をさせられた。
ずいぶん時間をかけてどうにか引っこ抜いてから核心部をルーファンする。
やはり俺には難しい・・・
しかも、よく見ると、すぐ上でビレーしているカッキー、ルベルソ使わないで肩がらみのボディービレーだ・・・・
 
「なめてる。こいつ、この滝をなめてる・・・」と思ったが、もはやどうにもならない。
 
しかし、横クラックはしっかりしてそうなので、とりあえず立ち込んで考えようと右方向へトラバース開始。
右足が水流の中のスタンスをとらえ左足を浮かせた瞬間!
 
つる~んっと右足が水流に吹き飛ばされ落下開始~
 
直後に意外とやんわりテンションがかかって落下が止まった。ボディービレーが幸いして衝撃が緩和されたようだ。
でも、カッキーの肩は絶対痛かったはず。体重とザックと加速度が加わってるから軽く100キロ以上の衝撃だったはず。
崩れた体制を立て直すのにけっこう苦労したが、もうめんどくさいので残りは全体重をカッキーの肩にかけながらゴボウで登った。
ぜーはーぜーは―と息が切れていた。
この時の俺の気持ち、「墜落を止めてくれてありがとう。」という気持ちより「肩が痛かっただろザマミロ。」という気持ちの方が大きかった。笑
 
ハーケン抜いてる俺 このあと落ちます~
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さてさて、これでこの沢のアトラクションはすべて終了。
残りは楽しい釣りとイワナのフルコース付のキャンプだけ。
釣竿を取り出しのんびり遡行を再開する。
今日の幕営予定地は滝ノ沢という枝沢の合流付近を予定しているので間もなくだ。
キャンプ地までに食材を確保しないとならないので2人して本気モードで釣りを開始する。
 
俺もカッキーもイワナ釣りに関しては自他ともに認めるエキスパート。なのだが・・・
 
ぜんぜん釣れない。ゴルジュの中ではうようよいたイワナが嘘のように少なくなってしまったのだ。いない事は無いのだが少ないし小さい。
おそらくニグラ尾根越えでやってくる釣り師に荒らされちゃってるんだと思う。
この沢は難しいのは八丁クラガリと呼ばれる四つのゴルジュだけで、他の部分は体力さえあれば誰でも来ることができる沢なのだ。
 
 
14:00 滝ノ沢出合
 
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結局、天場までにキープできたイワナはたったの2匹だった。
それは非常にまずい状況だった。
共同装備の振り分けで、登攀装備担当はカッキーで食料担当は俺だったのだが、沢山釣れるはずのイワナを当て込んでいたので、調味料は沢山持ってきているが、肝心の食材は米とか蕎麦とかの主食系だけだったのだ。
これではお楽しみの宴会が台無しになってしまう。
しかたがないので天端にザックを放り投げて二人とも超本気モードで釣りを開始する。
カッキーはお得意のテンカラ。俺はと言うと、いつものルアーのほかに餌のミャク釣りの両刀使いだ。
実はドタキャンになってしまった安藤塾長に貸してあげようと思い、ゆうべ自宅でエサ釣り仕掛けを仕込んできたのだ。
で、2人して奮闘する事、約2時間、どうにかフルコースが造れる数のイワナをキープできた。
 
16:00 天端設営
 
天場に戻りキャンプをこしらえる。
8ミリザイルの親綱をはりタープを張る。
タープは今は亡きケモの形見だ。いつもこれを取り出すとケモと過ごした沢の思い出がよみがえる。そしてちょっとセンチな気持ちになってしまう。
きっとカッキーもそうに違いない。
 
天端設営はさすがベテラン二人。打ち合わせるわけでもないのに二人ともやるべき事を効率よくこなし、あっという間にキャンプが出来上がる。
薪を集め焚火を起こす。焚火の着火も一発で決まる。さすがだ。
 
キャンプ
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ここからは食料担当の俺の仕事だ。
今夜はイワナのフルコース。
御品書きは
イワナのタタキ
イワナの天ぷら
イワナの塩焼き
イワナの骨酒
ビールはモルツを沢で冷やす
二杯目からは熊本焼酎の元老院だ。
 
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沢宴会としては、ほぼ完璧な料理となった。
 
こうして久しぶりの沢登りの夜は更けて行ったのだった。

 
 
最後に、
まずはリベンジ沢行に付き合ってくれたカッキーに感謝する。
遡行も宴会も釣りも非常に充実したものだった。
今後も沢登りは続けて行きたい。
今までのように、もっと厳しい沢へ、もっと難しい沢へ、という気持ちは正直に言うと揺らいできている。
しかし、これほど楽しい遊びは捨てる気になれない。
自分の実力と年齢と相談しながら楽しんで行こうと思う。

猫岳 夫婦松まで

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みなさまご無沙汰しております。
久しぶりの更新です。

2年ぶりに厳冬期の山スキーに行ってきました。
行き先は雪に埋まった乗鞍スカイラインの途中にある猫岳という2700mくらいの山。
山スキールートとしては初心者向きらしいです。
それでも上まで登るのはけっこう疲れるので、今回は夫婦松って言うところまで登ってきました。
標高差は600mくらい。
ほんと久しぶりなので、今回はこれでちょうど良かった。

現地は1月の北アルプスとはとても思えないほど暖かくて汗ビッショリでした。

沢での事故から2年間ほどバリエーション的登山を自粛していましたが、徐々に再開していくつもりです。

体重が8キロも増えちゃったし・・・・

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乗鞍岳周辺 大崩山

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前回に引き続き、またまた平湯ベースで行って来ました。

メンツはハイジ、ひなこ、俺

今回はK2のピナクルっていう板を新調したこともありテンション高めです。

初日の11(土)はドバドバの大雪で雪崩が怖いので、前回と同じく軽めの猫岳夫婦松を目指しましたが、ハイクアップで軽く雪面を切っただけで ゴソッ!ってかんじで斜面が割れて滑り出しちゃう状態。
40センチ下に明確な弱層があって、そこからきれいにずれているもよう。
だましだまし登ってみましたが、山全体が雪崩の巣って感じがしたので素直に退却。
昼前から温泉はいって飲んじまいました。

翌、12(日)は天気は回復傾向ながらも雪は朝まで降り続いていたので、リスクの低いツリーランとします。
向かったのは四つ岳。森林限界手前で引き返す予定です。

大阪からヒラベも合流して平湯キャンプ場から登り始めます。

ゆうべ温泉で一緒だった金沢のDr早川Pのトレースがあるので途中まではラッセルは無し。ありがたくトレースを頂いちゃいます。
彼らは2時半に出発して大崩山を目指すそうだ。
我々とはモチベーションも実力も大違いだね。とても真似する気にならんわ・・・

程なくして、大崩と四つの分岐点到着。
ここでハイジ、「俺らも大崩にしない?トレースあるし・・」と提案
ま、どちらにしてもピークは踏む気ないし、ラッセルいやだし~・・・という感じで、満場一致
あっさり大崩方面に変更しました。(これで岐阜県警に提出した計画書が無駄になったけどね)

みなで地形図を再確認して出発します。
雪質は昨日とはあきらかに違っていて安定した感じ。

ひなこ先頭でガシガシのぼります。
付いていくのがやっとです。
すげえ女だな~と思っていましたが、2000m付近で雪面がガリガリ言い出したあたりで、急激にテンションダウン。

「まだ登るの・・・」と言い出すヒナコ。
「えっ?ひょっとして怖いの?」ときくと
「こわい~!もう帰ろうよ~」と言い出しちゃいました。
なにやら急に乙女心が顔をだしたのか、普通の女の子に戻ってしまったので、ここで引き返すことに。
まあ、ここから先はしばらく緩斜面が続くので無理に登っても滑りは期待できません。

シールを剥がして滑降開始です。

ところどころに小さなオープンバーンはありますが、今日の雪では雪崩祭りになることは間違いありません。
樹林から出ないようにしながらビュンビュンぶっ飛ばします。

みんなバフバフのディープパウダーに雄叫びをあげて突っ込んでいきます。
あまり飛ばすと顔面スプレーで前が見えなくなっちゃうほどのディープドライパウダー
これほどの条件は1シーズンで1回あればラッキーってくらいのもんです。
時々ちいさな雪崩をおこしながらも、あっという間に滑り終えてしまいました。

堪能させていただきました。
俺的には今回が「山スキー再始動完了」って感じでした。
同行の皆さん、おつかれ!

↓ハイジ編集の動画↓

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妙高周辺 前山

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またまた山スキーに行ってきました。
面子は毎度おなじみのハイジ、ヒラベ、ヒナコ、そして俺の四人
なんだか最近、この面子になることが多いんだけど、みんな凄い長距離を一人で運転して毎週のように集まってるんだよね。
どこから来るのかというと、大阪、東京、新潟、群馬
交通費だって凄いことになってるはず・・・・
馬鹿だね~

さて、今回の計画はロングなクラシックルートで有名な乙妻でしたが、前夜、信州町に到着してみると凄い吹雪。
こりゃあ乙妻は無理だろうなということになり、なし崩し的に宴会が始まっちゃって深夜2時くらいまで飲んじゃった。

そんなわけで、お手軽BCで有名らしい前山という山に登ってきました。

赤倉スキー場のゲレンデトップから標高差でわずか400m登るだけで1200m分のダウンヒルが楽しめるという反則技的なBCスキーなんだけど、ここは良かった。
三田原っていう案も出たんだけど、こっちのほうがずっと良いね。
ビギナーにお勧め。
今回は登り斜面が変な雪だったんでハイクアップが下手糞なおれはちょっと苦労しちゃったけど、滑りは最高だった。
ほとんどの斜面が雪崩のリスクの少ない樹林帯なんだけど、藪っぽさはなくて開放的。
いや~よかったね。

ハイジ編集の動画ね↓

後ろは妙高
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赤城山 黒檜北東斜面 モナカで満腹~

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またまたBCスキーに行ってきました。
とは言っても、今回は「超お手軽近所の山」ってテーマで行ってきました。
毎週のように北アルプスに通っていましたが、さすがに資金が底をついてきたうえに、家内の機嫌が悪くなってきたのです。
そんなわけで、チャチャッと半日勝負のBCスキーです。

向かったのは赤城山は黒檜山の北東斜面。
ここは自宅から35分の距離で非常に近いのですが、BCスキーの情報は皆無。
おそらく雪質はガリガリかモナカだと思いますが、地形図とグーグルアースの衛星写真を見た限りでは、なんとなく滑れそうな感じ。
まあ、ババを引いたとしても無駄になるのは往復のガソリン代の数百円と時間だけなので行ってみることにしました。
県道62号線を根利方面へ向かい、めぼしを付けておいた林道からハイクアップを開始します。

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積雪は50センチってところでしょうか。
雪質は最悪のモナカ・・・
まあ、予想はしていたので、かまわず登り始めます。
運がよければ上のほうはマシになるかも。

意外な事に、先行者のつぼ足トレースが一人分あります。
確かにここからまっすぐ南西に登れば黒檜に行けるんですが、変な人がいるもんだね。(人の事は言えませんが・・・)

30分ほど登ると林道は終わりで、ここからは樹林帯を進みます。

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予想通り、意外と良さそうな斜面が広がっています。
相変わらず雪質はモナカですけど・・・

ここからは地形図の点線をトレースしていきます。
夏なら踏み跡くらいあるんでしょうか?
先ほどのつぼ足トレースもまだ続いています。
不明瞭な尾根筋をしばらく登っていくと、ここで先行のトレースはUターンしていました。
ずいぶん中途半端なところで引き返しているので、ひょっとすると登山者じゃなくてハンターだったのかもね。
俺はいちおう登山者なのでどんどん登ります。

気温が高いので昼過ぎになれば雪も緩んでモナカも滑りやすくなるかも~・・などと希望的観測をしつつ登っていきます。

標高で1200mを越えたあたりまで来ると、なんだか藪が濃くなってきてしまいました。
おまけにササのブッシュもピロピロしてる。
なんとなく「これ以上登っても無駄かな・・・」ってな気分になってきました。

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ということで、このあたりでシールを剥がすことに決定。
あと1時間半も登れば小黒檜は充分狙えるのですが、べつに良いのです。
もともと低いモチベーションで登っているので良いのです。

行動食のジャムパンを食べて滑降開始です。

で、すべりがどうだったかと言いますと、もちろん最悪。
外はガリガリ、中はサクサクの最強モナカ雪ですから、下山するだけって感じ・・・

えらい疲れたわ。

でもまあ、南岸低気圧通過後とかで、条件がよければ充分楽しめそうな斜面が確認できたのでよしとしましょう。
ま、二度と来ないだろうけどね・・・

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乙妻山

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今回は先々週に悪天候でパスしちゃった乙妻に行ってきました。
乙妻はロングで有名なクラッシクルートなんですけど、ちゃんと行けたのか?と言いますと・・・

行けませんでした。

ヒラベとハイジの企画だったのですが、なんとなく人数が集まっちゃって、その数なんと総勢11名

メンツはというと
関西勢:ヒラベ、岳、渓、山、フナッシー
関東勢:ハイジ、ササ兄貴、タケオ、ヒナコ、俺
関東勢補欠:カッキー(去年一ノ倉沢で落っこちてリハビリ中・・・)

この人数が前夜に集合しちゃったわけで、そうなると当然宴会が始まっちゃうわけで・・・・
その中には悪乗り大王とか悪乗り大魔神とかウワバミ星人みたいなのが数人いるわけで・・・
ちょっとだけ飲むはずが、けっきょく1時過ぎまで飲んじゃって・・・

当然ながら、まあ、明朝3時半に叩き起こされたときには酷い二日酔い。

こんなんで乙妻なんて行けるのかあ?という状態だったのですが、なかにはモチベーションが高く、ほとんど飲んでない者もいるので、否応も無く戸隠大橋まで連行されてしまうのでした。

補欠のカッキーを一人だけ残して
5:30 10人でハイクアップ開始。
カッキーはのんびり岩魚つりでもするらしい。

まずは長~い林道歩きから佐渡山南の鞍部を目指す。
一時間ほどで林道は終わりで鞍部南東の支尾根に取り付く。
で、この支尾根がパック気味のモナカとガリガリ雪。相変らずシール登りが下手糞な俺は四苦八苦。
あっというまに皆から置いていかれてしまう。

しかも強烈な二日酔いで頭はガンガン、胃はムカムカでちっともペースが上がらない。

ハイジにプレッシャーを掛けられながら、だ~らだ~らと登っていると、なぜか岩魚釣りに行ったはずのカッキーに追い抜かれてしまう。

で、気がつくと一人ぼっち・・・・

鞍部まで登れば皆が待っていると思っていたが、誰もいない。

完全に置いてけぼりを食ったようだ。

しょせん我々は山好き同人。山岳会では無いのだ。一人一人が自己責任の判断で登っているので文句も言えないのであ~る。

仕方が無いので面倒だが地形図など見ながら一人ルーファン。
実を言うと俺、今日のルートの詳細を聞いていなかった。なので、どこから乙妻へ登るのか知らないのだ。
現地は夕べ雪が降ってないので大勢の人のトレースが残っていて、どのトレースを追っていけば良いかも分からない状態。

ま、氷沢川の二股まで行けば誰かいるだろうと、明らかに他人のトレースを使って下って行って見ると、カッキー以外の9人が出発するところだった。

で、カッキーと二人して「このあとど~する?」という感じで打合せ。
相変らず吐き気が止まらない俺はピークを踏む気はゼロ。しかし、せっかくここまで来ているのでちょっとは美味しいパウダーを滑りたい。
骨折リハビリ中のカッキーも「意外と足の調子も腕の調子も良いのでちょっとは滑ってみたい」ということになり、「適当なところまで登って適当なところから滑ろうよ。」という事になった。

で、みなのトレースを使って高妻山東の尾根に取り付く。

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ゼーハーゼーハー言いつつ登って行くと、そこらじゅうにゲロを吐いたあとが残っている。

どうやら俺以外にも二日酔いの者がいるらしい。

で、そのゲロの数が半端じゃない。数えたわけじゃないが10箇所以上にゲロが吐いてある。
しかもそのゲロ、トレースの横とかじゃなくて、ど真ん中に吐いてあるので、歩きながら吐きまくっているようだ。
いまだに俺も気持ち悪いので、ゲロを見るたびにもらいゲロを我慢しつつゲロを避けながら登って行くと、もうちょいで標高2000mという地点でゲロの犯人がのびていた。

そいつは関西勢の岳だった。

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青白い顔をして「あまりにも気持ち悪いのでここでリタイヤしました。」などと力のない声で言っていた。
こやつ、本来は、本日の主要ラッセル要員。なんたって今日の面子の中では一番若いのだ。
ゆうべハイジあたりにしこたま飲まされたんだと思うが、どんだけ注がれたとしても、その酒を口に運ぶのは本人!
なので自己責任なのだ。

しかし、そんなんでよくもまあ、ここまで来たもんだ。

ということで、おいてけぼり第2号なのであった 笑

何度も言いますが、しょせん我々は山好き同人。
一人一人が自己責任の判断で登っているので文句は言えないのだ。
しかし逆に我々は、だれもが単独で行動できる能力をもっているのである。
なので、何の問題も無いのであ~る。

ちなみに、脱落者を無慈悲に放っておいて先に進んでいってしまった8人は俺たち二人が後から登ってくることを知らないので、岳はまぎれも無く厳冬期の雪山に置き去りにされたのである。
まったく酷いやつらだ。

さて、そんなことで、期せずして結成されたグダグダチーム3人でその後の行動をしたわけなのだが・・・・

山の神様は無慈悲ではなかったのだ。

カッキーとの打合せでは、もうちょっとだけ登ってから谷側へドロップしようと考えていたのだが、岳の今の状態ではこれ以上登らせるのは、あまりにも酷。
実は俺もバテバテだったので、「面倒だからここからドロップしちゃおう。」という事になった。

で、俺が先頭で良さそうな斜面を物色する。

尾根をわずかに下方向へトラバースしていくと、ま~あ良さそうな斜面を発見!
そこは上から下まで斜度45度くらいの急斜面でフワフワのパウダーが積もっていた。
しかも雪崩れる気配もなし。オープンバーンではないが適度に木が生えていて安心感もバッチリの斜面だった。

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もちろんファーストトラックは発見者の俺がいただく。

最初のワンターンまでは慎重に行く。
表面をスラフがバラバラ落ちていくが、バーン全体はしっかりしている。
思い切って長めに斜面を切ってみても全く問題なし。
で、後続のカッキーと岳に「最高だー!!」とコールを送る。


で、二番手はリハビリ中のカッキー。
思うように手足が動かないので最初はビビッていたのだが、滑り始めたとたんに事故前と変わらない勢いで「ヒャッホー!」などと叫びながらブッ飛んで降りてくる。


さてさて、問題はシンガリの岳。先ほどまでゲロゲロ吐きまくっていたので平衡感覚はゼロなはず。この急斜面を降りられるだろうかと心配していたのだが・・・
「最高ー!!」と叫びながら最高のパフォーマンスを見せてくれた。


二人とも一時的なアドレナリンの過剰分泌で興奮しているだけだと思うのだが、良いすべりだった。

あまりにも良い斜面だったので谷に下りてからは気分はもはや消化試合。
だらだらと下って氷沢川の二股に戻る。

すると岳、アドレナリンのスイッチが切れたようで、またしてもゲロゲロ二日酔い状態に逆戻り。ザックにもたれ掛りうずくまってしまうのだった。

程なくして無慈悲な8人が我々と同じ沢から降りてきた。どうやらヤツらも時間切れで乙妻までは行けなかったようだが、稜線までは上がったらしい。
みな満足の顔で「パウダー最高ー」などと興奮していた。

そして結果的に11人全員で下山となった。

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今回も良い山行だった。
おしまい。

ハイジレポ↓

※よいこの皆さんは、くれぐれもパーティーを見捨てたりしてはダメですよ。へたすると遭難しちゃいますからね~


平標から西ゼン

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毎度毎度長野県に集結していたグダグダ山スキー軍団も、今回は行き先がバラバラ。
岐阜、長野、新潟と分かれました。
で、俺はというと、もちろん新潟に参加です。
だって家から近いんだもの。

という事で。平標から西ゼンに滑り込んできました。

面子はタクちゃん、オキさん、そして俺の3人
俺以外の二人は超ベテランスキーヤー
卓ちゃんは某大学のスキー部出身だし、オキさんは元国体選手で今でも現役の競技スキーヤー。
実力の差が激しすぎるんで「おてやわらかに~」って感じだね。

さて、まずは土樽の高速道路下に集合して車一台をデポ。
別の車で三国小学校の横に移動してヤカイ沢ぞいにハイクアップを開始します。

朝のうちは雪がちらついていて関越道もチェーン規制がかかっていたので、ひょっとするとラストパウダーが食えるかもね。などと期待して登り始めます。

曇り空だった空もすぐに青空に変わってきたんだけど、尾根付近だけガスが取れません。

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ま、そのうち取れるでしょって期待してどんどん登ります。

前回の乙妻では二日酔いで酷い目にあったので、今回は晩酌を控えめにしました。
なので、体調も気分もスッキリバッチリ!
「尾根に上がるといつもガリガリなんだよな」とタクちゃんに言われたので、樹林の中でクトーを付けたんだけど尾根上もうっすら新雪が積もっていて快適に頂上まで歩けました。

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この時点で、頂上はガスがとれて晴れてたんだけど、肝心の西ゼンは濃いガスの中。
覗き込んでみても地形が全く分からない状態。
時間はまだ11時だったので「時間あるからのんびり待ちましょうよ。」という事になりランチタイムとした。
後から登ってきた3人組の若い人たちも西ゼン狙いらしく、同じく待機を始める。

で、待つこと約1時間で急速にガスが取れてきました。
山の天気は変わりやすいっていうけどホントだね~

いそいで滑降準備をして3にんして滑り込みます。
雪質はパウダーなんだけど、俺にはやや重過ぎるパウダー。
ファーストトラックは俺がいただいちゃいましたが、重すぎて持て余し気味です。
なので、すぐにベテラン二人に追い越されちゃいます。
タクちゃんは相変らずビュンビュンぶっ飛ばします。
見てるだけだと重さなんて感じさせない軽やかな滑り。
オキさんはさすが国体選手。俺より4歳も上なのに安定したいぶし銀の滑り。

第二スラブの中ほどにも行かないうちに先ほどの若い3人Pも雄叫びをあげながら滑り込んできました。
3人とも凄く上手。
さすがにこんなところを滑りに来る人は下手糞はいないね。
このバーンにいる中では俺が一番ヘタってかんじ。

で、大人のオキさん、「どうぞどうぞお先に行っちゃってください~」と、若い3人組みに先を譲ります。
でも、これには深~い理由があるんだよね~

ノド手前から頂上方向
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この先がノド(第一スラブと第二スラブの中間ね)
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ノドを通り過ぎて第一スラブに突入すると、不思議なことに重かったパウダーがフワフワに変わってしまいました。
吹き溜まったドライパウダーなので、底付きも無し!
3月下旬の新潟ではありえないコンディションでした。
今シーズンのラストパウダーラン。
堪能させていただきました。

さて、最高のパウダーも標高を落とすごとに重たくなってきます。
ダイコンオロシ沢まで下ると、そこはもはや重雪地獄。
しかも厚さ40センチの激重雪。
ここから先はだらだら勾配になっちゃうので、普通はウンザリするほどの下りラッセルを強いられるのです。
普通はね・・・・

しかし!
先ほどパウダーランを若い3人組に譲った代償として、我々は先行3人の下りトレースを使ってラッセルの無い楽々下山を手に入れていたのでした。

さすが長老オキさん。
年の功だね~

というわけで、労せずして土樽の車デポ地まで無事に下山したのでした。

めでたしめでたし。

PS:若い三人衆、下りラッセルありがとう~。しかし、あんたら強いね~。ぜんぜん追いつけなかったわ。

沢初め (プチ沢登り)

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実は先週の話なんですけど・・・
今シーズン一発目の沢に行ってきました。
目的は渓流ハイキングとちょっとだけイワナ釣り。

行き先は秘密にしますが、毎年行ってるいつもの沢です。
今回は会社の同僚が二人同行して3人です。

ここはいつ来てもきれいな沢です。
釣り師の秘密アプローチルートがたくさんあるらしく、釣り氏とのバッティングが多いのですが、意外とゴミは落ちてません。

ここに通うようになった15年前はゴミが目立ちましたが、最近の釣り氏はマナーが向上してきているようです。

それにしても、この沢、エスケープルートを使うショートカットルートで歩いても
累積標高差800m。つまり、のぼり800mで下りも800m。
水平移動距離 約10キロ
釣りとしては意外とガッツリ系のはずなんですが・・・・

不思議なことに普通の長靴を履いた軽装な年配釣師に出会うことが時々あるんだよな。
俺たちは、いちおうロープもガチャも持って軽めの沢登りってつもりなんですけどね・・・
そ~んな軽装備で大丈夫なの?って心配になっちゃうほどの軽装備の人に時々出会うのよ。

たぶんえらく簡単な秘密アプローチルートがあるんだろうけど、どこから来ても標高差で300mの藪歩きは確実なんだけどね。

不思議だ~


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平の小屋 

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毎年恒例になっている黒部湖は平の小屋の小屋開けのお手伝いに行ってきました。

主な仕事の内容はボッカ。つまり荷揚げや荷下ろし。
それが終わったら沢水を小屋まで引いてくる水道工事や、ストーブの煙突工事など。

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ここは何回来てもいいところです。
心が洗われる気がします。

なんたって景色がいい。
一般的な山小屋は山しか見えませんが、ここの景色は黒部湖がメイン。

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しかもその黒部湖ではお魚が釣れる。
そして、釣った魚はお刺身にして食べることができるのです。
釣り好きなのん兵衛にはたまらない環境が整っているのです。

ちなみに小屋主の佐伯氏も釣り好きののん兵衛ときてるから大変。
奥様の玉ちゃんもさぞかし苦労が多いことでしょう。

これは俺がおろした岩魚の刺身。美味そうでしょ。
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こんなのを食いながら皆で飲む酒は最高。

まだ一般客は泊まっていないので、この日も夜遅くまで飲めや歌えやの大宴会となったのでした。

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魑魅魍魎の街

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路地を曲がると異様な光景が広がっていた。

鈍く点るネオンのゴルジュ。
その河床にたむろする娼婦たち。二百人、いや三百はいるだろうか。
ネオンの薄明かりに照らされた女たちはみな、派手な化粧をしてはいるが、俺から見ればほんの小娘ばかりだ。

バーはどの店も大音量のロックを鳴らせている。
すえた酒の臭いと安物のパヒュームが湿気を帯びた熱気で
醗酵していた。

坊主頭のアラブ人と厳つい体系のニューハーフが殴り合いをしていたが、だれも止めようとしない。
ウーハーの重低音が怒声罵声と混ざり合い、狂気に拍車を掛けていた。

ゴルジュ最狭部に差し掛かると、力士のようなオカマに腕を掴まれる。
黒色のミニのワンピース。ガーターベルトに網タイツ。馬鹿でかいパンプスは特注だろうか。
とにかく化け物にしか見えない。
強引に振りほどこうとしたが掴まれた腕はびくともしない。
女の服を着ているがこいつはまぎれも無く男なのだ。
don't touch me 冷たい顔で言ってやると、ようやく手を離した。
第一関門突破か。

その後も次々と高巻や登攀を強いられる。
捨て縄もハーケンも残り少なくなってきた。

深夜1時、ようやくゴルジュ出口に差し掛かる。

ポールダンスの踊り子が店の前で一服していた。
気だるそうに煙草をふかすその女、ミニスカートの下は何も履いていないのに隠すそぶりも見せない。
俺の視線に気づいたその女、スカートをめくり上げケツをこっちに向けやがった。

危うく遭難するところだった。

ここはパタヤの第二ゴルジュ。ソイLKメトロ
世界一クレイジーな街なのだ。

写真はイメージです
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おまけ
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巨大アナゴ

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今年のお盆休みはぜんぜん休めなかった。
ゆっくりできたのは13日だけ・・・
で、昨日の日曜日は休めたので茨城の海に1人で釣りに行ってきた。

狙いは根魚五目。
ソイとかメバルとかヒラメとかを狙っていたのだが、物凄いのが釣れたのだ。

巨大アナゴである。
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釣り上げた直後、大暴れするこいつの口から針を外そうとすると、なんと、噛みつきやがった。
噛まれたのは左手の親指だったのだが、指が食いちぎられそうな力だった。
10秒ほど噛みついたままだった。
ようやく離したのですばやく指を引き抜いたのだが、俺の指からは凄い出血。
傷口は小さいのだが深く噛まれたらしく血が止まらない。

もはや針を外そうなどという気も起きず、ハリスを切って延髄にトドメのナイフを入れた。

さて、この大アナゴ、食っても不味そうなのだが、指を噛まれた恨みがあるので持ち帰って食ってやることに決定!

家に帰り、キッチンの流しに放り込む。
全身がヌルヌルなので大量の塩をぶっ掛けてゴシゴシヌメリを落とす。

背開きにしようか腹開きにしようか考えたのだが、でかすぎてマナイタに乗らない。
仕方が無いので二つにぶった切って普通に三枚卸にした。

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胃袋の中からはタコとアジが丸ごと出てきた。

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さてさて、どう料理してやろうか。
触った感触では物凄い数の小骨が全身にあるらしく、煮るにしろ焼くにしろ、この小骨をどうにかしないと食えそうに無い。
一本一本毛抜きでぬくのはめんどくさすぎる。
なので、ハモなんかでよくやる骨切りにしてみた。
5ミリ間隔で皮だけ残して切り込みを入れる。
切ってるときの感触はザリザリザリっていうよりゴリゴリゴリっていう感じ。

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上の写真で半身分。
いったい何人分あるんだろうか?

とりあえずこの半身は煮アナゴにしてみる。
大きい鍋で一度湯通ししてから醤油と酒と味醂で煮ていく。

15分ほど煮たらアナゴは取り出して煮汁を煮詰めていく。
煮汁にとろみがついたらツメとしてアナゴに掛けて食うのだ。
で、完成したのがこれ↓

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食ってみると・・・・

まずい!非常にまずい!

アナゴっぽい味は確かにするのだが、とにかく骨が多すぎる。というか、骨切りした程度ではどうにもならないほど骨が硬い。
そして皮が豚のホルモンより弾力が強いのだ。
もうほとんどゴムだな。
身自体は大味ながらも、まあ、食えんことは無い。
しかし、骨と皮はどうにもならんね。

という事で全部ゴミ箱に放り込みましたとさ。
もちろん残りの半身もゴミ箱です。

こっちは狙い通りの本命↓ 夏ヒラメだけど普通に美味しくいただきました~
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宮古島 釣り釣りファミリー旅行

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2017/09/06~10
メンツ:俺、家内、息子、娘

遅い夏休みで家族そろって宮古島に行ってきました。

ここ十年くらいは石垣島に毎年通っていたのですが、新空港ができてからの石垣島は、観光客数がえらいこと増えちゃって、まあ、なんとなく、俺好みではなくなってきつつあったのでした。

で、以前から気になっていた宮古島に行ってみることにしたのです。

なんで今まで行かなかったのかというと、「家族旅行で行くには、ちょっと田舎過ぎるかなあ・・」というのが理由なのですが、しょせん俺が選ぶ旅行先の基準は・・

1、郷土料理を食いながら地元の安酒をたっぷり飲める店がある事。
2、おもしろい釣りができる事。
3、あまり観光客がいない事。
と、まあ、この程度なので、宮古島は十二分に合格ラインに入っていたのであります。


9月6日(水)

俺と家内の二人が先行して宮古入りします。
名古屋に単身赴任中の息子と大学4年の娘は二日送れて別々の飛行機で合流予定です。
11時ごろに宮古島到着。
始めて来る島なので、とりあえずレンタカーを借りて島内をぐるりと一周しました。

で、印象はというと・・・
青い海と白いビーチがきれい。
青い空がきれい。
あとは、な~んもねえわ・・・
というものでした。

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ドライブ中に見える景色はサトウキビ畑ばかり。海沿いの道路でも背の高いサトウキビが道路の両側に植えられているので、見えるのはやっぱりサトウキビばかり。
なので、ドライブしながら景色を楽しむというのは、かなり厳しいことがわかりました。

仕方が無いのでレンタカー屋で無料で貰ったガイド冊子を頼りにピンポイントで観光名所を何ヶ所か廻ってみましたが、ま、これといった感動も無く、「ああ、きれいだね」「まあ立派な橋があるね」という程度でした。

で、結論です。
「この島で楽しむためには、確固たる目的を持って遊ぶこと。」
たとえばダイビングとかシュノーケリングとか釣りとかね。
でも、ビーチでのんびり一日過ごすとかはダメです。なんたって日陰のあるビーチがほとんど無いのです。なぜかと言うと、ほとんど木が生えていないから。

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ふつう南国のビーチって椰子の木陰があったりするのですが、宮古には高い木がほとんど生えていないのです。なので一日ビーチにいたら暑くてぶっ倒れちゃうだろうね。
目的も持たず、普通に観光旅行で来ると、「この島・・・ショボイね・・・」という感じで終わっちゃうかもしれない。

しかし、我々はというと、確固たる目的があるのでぜんぜん問題ないのであります。

それは何かというと、魚釣り!

なんたって今回は釣竿だけでも12本も持ってきているのです。
リールも12個。それに付随する仕掛けやルアーなんかもゴソッと持ち込んでいるのです。おかげで飛行機に乗るときに荷物の重量オーバーで4000円も超過料金を取られたほどなのであります。
そんなわけで、島内観光は適当なところで切り上げて、家内と二人して陸っぱり(陸からの魚釣)ポイントを物色します。

この日は南西の風が強かったので島の東側、つまり風裏のポイントを何ヶ所かやってみる事にしました。

小型のミーバイやフエフキダイなどを狙う基本タックルは
スピニングバスロッドのMLを二人分。
リールはやや強めでシマノの3000番HG。
ラインシステムはPE1号に6号のリーダーを組む。
ルアーは派手なトップ系のミノーやポッパーなどをを基本に、20gくらいのスプーンとジグヘッドとワームを少々。

また、ガーラ系などの、やや大物用タックルとして
6000円で買った安物のキャスティング用ジギングロッドを1本。
リールはシマノの5000番HG
ラインはPE2号に10号のリーダー
ジグは28gから60g 色はやはり派手目のキラキラ系を基本にチョイス。

最初に向かったのは池間大橋が正面に見える西平安名岬というところに行ってみました。
ド干潮の時刻で絶望的なシャローだったのですが、他にやることもないので40gのジグをぶん投げてまみます。
水深が2mもなさそうなので高速リトリーブしないとあっちゅうまに根がかりしそう。
なので全開高速巻きです。
で、2回目のキャストでヒット。
掛かったのは50cmくらいのバラクーダ。トルクはないがジャンプしまくるので面白い。剃刀みたいな歯を持っているので、ちっこいミノーなんかにヒットすると一瞬で切られちゃう事が多い魚なのですが、今回は大丈夫。
と、思っていた矢先に何度目かのジャンプ中に空中でフックオフ。
まあ、あまり好きな魚じゃないので良しとします。

その後はロングキャストを繰り返すも、見切られてしまったのか、チェイスはあっても食うことはありませんでした。

ジグは疲れるのでやめにしてFミノーやジグヘッドを使ってミーバイを狙ってみます。
水面下50cmを引いてくる感じでゆっくり巻きます。
すぐにコンコングイ~ンという感じでミーバイが釣れてきます。
色々な模様のミーバイが釣れて面白いですが、いずれも30cmに満たない小さな魚ばっかり。
ま、釣れりゃあなんでも面白いから良いのです。
魚は全てノータッチリリースしました。

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いずれにしても、宮古島のショアキャスティング、今回は小手調べ的に適当な場所で条件の悪い時間帯にしかできなかったけど、きちんと調査してまじめにやれば良さそうですねえ。

9月7日(木)
橋を渡って池間島、伊良部島、来間島などを調査
適当なビーチでだらだらしたり、よさげなポイントを見つけたら釣り~という感じで過ごしました。

9月8日(金)
子供たちも到着。
レンタカーで空港に迎えに行って合流。
この日もビーチでだらだらしたり、地下で海と繋がってる池など観光してだ~らだ~らと過ごします。
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9月9日(土)
さてさて、実はこの日が今回の旅行のメーンイベント。
船で沖に出ての五目釣りの予定が組んであるのです。
宮古島に来たのは、これが本当の目的なのです。

チャーターしたのは栄真丸という本気の釣り船。
この船の船長は東京出身で、もともとはIT戦士という変り種なのですが、釣り好きがこうじて宮古島に移り住んだという、根っからの釣り師。
と言うことは、俺みたいなヤツの考えている事がすぐにわかるはず。
と思えたので、宮古島の数ある船の中から選んだのでした。

栄真丸↓

とは言っても、今回はファミリーフィッシング。あまり本格的な釣りは無理と判断したので、マグロやカンパチなどの超大物は狙えません。
だいたい、関東在住の俺は、そんな大物を釣り上げる道具を持っていません。

船にはレンタルタックルもあるのですが、俺はどうしても自分の準備した道具で釣りたいのです。
そもそも釣りという遊びの楽しみの半分は準備にあると思っているので、レンタルタックルなどで釣ったのでは楽しみが半減してしまうのです。

まあ、そんなわけで、今回の作戦は、
とりあえずグルクンとかを釣って、そいつを餌にして泳がせてアカジンとかの根魚や小ぶりなカンパチなんかが釣れれば良いなあ。
ついでにライトなジギングで遊ぼうかなあ。
という感じで船長にプランニングを頼んでおいたのでした。

で、そのような釣りをするためのタックルを準備して、夜の明けていない朝の5時半に港に到着。
船長に挨拶を済ませ、タックルを船に積み込みます。
で、船長と今日のプランの打合せを行います。

船長:「ジギングの道具持ってきた?」
俺:「まあ、いちおう・・・」
船長:「じゃ、朝一の活性が高いうちにジギングやりましょう。活性が落ちてきたら餌釣りに変えるって感じが良いとおもうよ~」
俺:俺以外はジギング未経験なんだよな~。でもまあ良いか。という感じで「じゃ、そうしましょう。」
とまあ、こんな感じなのでした。

早々に船は出港。進路を北へとり池間大橋をくぐる。
進路を北東に修正して1時間ほどクルージング。
ポイント到着と同時に夜明けとなりました。

で、まずは、お遊び用に持ってきたライトジギングを人数分準備します。
家内と娘にはジギングのジャーキングは無理だろうと思い、タダ巻きで狙えるインチクとラバージグをチョイス。
息子にはスローロッドの3番、ジグはスロー用のショートタイプ130gを付ける
俺はイナダやサバなんかを狙うハイピッチ用の2番のロッド、ジグはたしか中古200円で買った60gのショートタイプをつけた。。
ラインは全員PE2号、リーダーはフロロの8号です。

準備をしているときに船長から「根にもぐられると厄介だからガチドラグにしてくださいね~」と指示がでます。
俺は素直に全てのリールのドラグを閉めこみました。全締めではありませんが、まあ、実用のガチガチって感じで。

で、全員同時に釣り開始。

船長が「水深は60m。沖縄の魚は派手なアクションが良いですよ~」とマイクでアドバイス。
ルアー着底後、俺は素直にワンピチの早巻きでジャーク。
20mくらいまで巻き上げたら、再度底まで落とします。
これを繰り返します。

2回目、着底から10mほどの所で、ドスン!という感じで乗りました。
ライトなジグロッドが危険な角度で曲がります。
すると船長、「お!お父さんヒット~」と、のんきな感じでマイクで言っていましたが、俺はそれどころではありませんでした。
ほぼガチドラグのオシアカルカッタ300HGの最大ドラグは6kg。それがギャギャ~という感じで出て行く。で、約2秒でラインブレイクしたのでした。

何だったんだ今のは・・・という感じで放心していると、その直後、なんと家族全員がヒット。

そして、俺と同じように全員がほぼ同時にラインブレイクしたのでした。
これはもう完全にタックルのミスチョイスなのが明白。
お遊び用に持ってきたライトジギングタックルでは話にならなかったのでした。(つまり関東のスタンダードタックルね)

さて、どうしようか?

ドラグを締めれば切られるし、緩めれば根にもぐられるし・・・・

俺と息子はリーダーの先で切れていました。
家内のインチクはフックのダイニーマがぶち切られています。
娘のラバージグはPEラインが切られていました。ひょっとするとホテルで飲みながら組んだリーダーのスッポ抜けかも知れません。

いずれにしても話にならないほど強度不足でした。

しかしこの船の下には間違いなく大きい魚がうようよいます。何しろ数分の間に全員にヒットして全員が切られたのですから。

仕方が無いので全員のリールを変更する事にしました。
泳がせ釣り用に持ってきたリールはジギング用ではなく、巻き上げスピードの遅い普通のリールですが、Pラインの4号から5号が巻いてありました。
リーダーは全てフロロカーボンの14号でシステムを組んであります。
14号の強度は約22キロ。つまり満タンの石油缶を持ち上げても切れない強度があるのです。
少々竿とリールのバランスは悪くなりますが全員のリールを変える事にしました。
しかしライトジギング用の竿の強度はどうしようもありません。無理をすると竿が折られる可能性があるのです。

でも、このチャンスを逃す手は無ありません。なにしろここに来るために結構な良い金を掛けているのです。旅費やチャーター代、新調したタックルなど、全部あわせれば数十万円という、サラリーマンとしては洒落にならない金額が掛かっているのです。

竿の1本や2本、折られた所でどうでも良いのです。

最初に交換が終わったのは家内の竿でした。
もはやインチクやラバージグの在庫は無いのでスロー用のジグ130gを付けました。
「リールをグルグル回しながら竿をグイグイ煽れば釣れるよ。」などとおざなりなレクチャーをして手渡します。
そしてすぐに娘のリール交換を始めます。

と、なにやら家内が前のほうで大騒ぎしていました。どうやら何か掛かったようです。

「アカジンだ~!いいサイズ~!」と船長の声が聞こえてきました。

見に行きたいのは山々ですが、まだ3人ぶんの交換作業が残っているのです。
無視してせっせとリールの交換作業をします。

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すると、またしても大騒ぎする家内の声!
「キー」だの「ギャー」だのと、まさに豚を殺す騒ぎです。
次に聞こえてきたのは「こんどは大きいミーバイ!」と船長の声。

俺はウズウズする気持ちを抑え、心を無にして交換作業に集中しました。

20分以上も掛かったでしょうか。ようやく全員ぶんのリール交換が終了して釣りを再開しました。
皆ちゃんとジャーキングができてるかな?と全員の様子を見てみると、ま~あ、てきとうなジャークです。
というか、とてもジギングしているように見えません。ど素人が仕掛けの回収でリールをぎこちなく巻き取っているようにしか見えないのです。
息子だけは、さすがバスアングラーだけあって、そこそこさまになっていますが・・
家内たるや竿を横方向にブンブン振ってみたり、長時間止めていたりと滅茶苦茶なのです。

こんなんで釣れるのかあ?と不安になりましたが、家内はすでに結果を出しています。しかも大物2匹。
俺は未だにゼロでした。

で、今度は2番目にいい加減なジャークをしていた娘の竿にヒット。

「キャ~!ぜんぜん巻けない。重い~。竿折れる~。」などとこれまた大騒ぎ。
安物とはいえアブガルシアの最新型大物用リールなので、そんなに苦労するはずはないのですが、確かに重そうです。
5分ほどかけて上がってきたのは、なんとアカジンが2匹でした。つまりスロー用のジグのフロントフックとリヤフックの両方に掛かっているのです。しかも先ほど家内が上げたのと同サイズの良型でした。
重たいわけです・・・

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船長いわく、「この船でジグでアカジン2匹掛けは初めてですよ。今日の魚の活性はすごいですよ~。がんばって~!」でした。

がぜんやる気が出てきます。

で、まさしくその通り、娘も家内も息子も次々とヒットさせています。

息子も既にカスミアジやアカジンを釣り上げていました。

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しかし、俺だけ釣れないのです・・・

なぜかって?

理由があるんです。

リールを変えてはみたものの、掛かる魚の瞬発力は凄まじく、14号のリーダーでさえブチブチ切ってしまうのです。

リーダーが持ったとしてもフックが伸ばされたり折られたりが連発。何しろ関東の根魚ジギングのスタンダードタックルですから・・・

リール自体のパワーも不足しているらしく、ガチガチに締めたドラグでさえズルズル引きずり出され、根ずれによるラインブレイクも・・・・・

そのたびに「はい、おとうさん。また切られちゃった・・」という感じでタックルの修理依頼が殺到するのです。
そんなわけで、お父さんには釣る暇がないのでした。

うなだれている俺を見かねた船長が、「おとうさん。キャスティング用の竿が一本あったよね?あそこにナブラが立ってるからやってみようよ。たぶんカツオだよ。」と俺のためのステージを用意してくれたのでした。

しかし、確かにナブラ打ち用にキャスティング用ジグロッドは持っていました。でも残念ながら肝心のプラグやポッパーのケースをホテルに忘れてきてしまったのでした。
すると船長、「じゃあ一番強い竿でトローリングしましょう。40gのジグで行けますよ。」と言って、俺のタックルケースから小さなジグを取り出してトローリング用の凶暴な大きい針に交換してくれたのでした。

で、娘に使わせていた5号のPEラインのリールでトローリング開始。
空には鳥山。沢山の海鳥が急降下を繰り返し、海面は逃げ惑う小魚を追い回す大型魚で大きなナブラができていました。
そして船は40gの小さなジグを引きながらナブラの横ギリギリをかなりのスピードで突っ切るのです。
実は俺、トローリングって始めてなのでワクワクです。
船長に簡単なレクチャーを受けて船の最後尾に陣取ります。

竿を大きめにギュンギュンと煽ってアクションを加えます。すると程なくガツン!あっけなく最初のヒット。船が走った状態で掛かるので最初の衝撃は「オオ!すげえ!」と感じますが、所詮は小さめのカツオ、簡単に寄ってきます。

釣れたのはスマガツオといって四国などでは最も美味しいカツオといわれる種類でした。
とにかく、これでようやく坊主から抜け出せました。

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しかし確かにに嬉しい事は嬉しいのですが、トローリングって他力本願的に船長に釣らせてもらった感が強く、素直に喜べないのでした。

実は息子も俺ほどではありませんが、外道ばかりが釣れていて、あまり良い思いをしていなかったので、二回目のトローリングは息子にやらせてみました。
するとすぐに1匹追加。
少々小ぶりですが同じスマガツオでした。

せっかくなのでもう一流ししてもらって3匹目を追加してトローリングは終わりにします。
さて、この後はどうする?と船長

俺はせっかく泳がせ釣りの準備をしているのでグルクン釣って泳がせ釣りをしたいと希望します。

で、サビキにキビナゴの付け餌作戦でグルクンを狙いましたが、釣れるのは餌になりそうもない変な大きなカワハギとか不気味な変な魚ばかり。たぶん棚が合ってないんだと思います。

これでは泳がせ釣りができないじゃん!と思っていたのですが、
「生簀にオジサン(魚の名前です)が1匹だけ入ってるから使っていいよ。」と言ってくれたので、ありがたく使わせていただく事に。

タックルは持ち込んだものの中で最強と思われるものを組み合わせて構築します。
ハリスは14号。リーダーも14号。針はタマン針24号。南方延縄結びでがっちり縛ります。竿は新調したばかりの大物用を使います。
餌はオジサン1匹だけしかありません。まさにワンチャンス。一発勝負です。
針を口から上顎に抜いて投入します。

着底後7mほど棚を切ります。今までの経験上、今回のタックルではドラグが引きずり出されて根ずれで痛い目にあっていたので多めに棚を切ったのです。

で、投入後わずかで前アタリです。竿先がブルンと震えます。

直後、ドカン!と言う感じで竿先が海面に突き刺さりました。

マックス10kgのドラグをかなり締めこんでいるはずなのにズルズル糸が出て行きます。
大物用の竿は海面に刺さったまま持ち上げられません。

こいつは間違いなく大物!と思った瞬間、バチ~ン!!

ラインブレイクでした・・・・

切れたあとは、何の重さもなくなってしまったので、リーダーが抜けたのかなと思いましたが、親子サルカンの繋ぎ目で切れていました。
サルカン結びは自信があるし、知っている限りの最強のノットで結んでいたので、14号のリーダーが強度不足だった事で間違いないのでした。

燃え尽きました・・・真っ白な灰になっちまいました・・・
と言うほどではありませんが、もはや万策つきた感がありました。
そんなわけで、俺はもう帰港して良いかなと思っていたのですが、

「ねえ、おとうさん。私の竿はあ?」と娘と家内。まだまだ釣りたいみたいです。

仕方が無いので、またしてもジギングの仕掛けを作り直します。
でも、もうアシストフックも無くなっちゃったし、20本以上持ち込んだジグも切られまくりで半分以下になっていました。

もうどうでもいいや的気分になっていた俺は150gのロングジグにキャスティング用のちっこいフックを付けたりミノー用のトレブルフックを付けたりと、まあ滅茶苦茶なバランスで作り直して家内と娘に渡します。

しかしこの二人、今日一日、道具の良し悪しもテクニックもヘッタクレもなく、成果を上げまくっているのです。

どおせまた何か釣っちゃうんだろうな・・・と、羨ましさと嫉妬を感じながら思っていると、我が家内の竿がまたしても海面に突き刺さっているではありませんか。

そして「何か変!何か変!何か変!何か変!」と騒いでいます。

家内は奇声をあげつつ、たっぷり時間をかけて巻きあげてきます。

ようやく魚の姿が見えてくると・・・

「なんじゃこれ~?」とランディンッグネットを持って待ち受けている船長が叫びます。

釣れたのはコブシメという大きなイカでした。
8キロくらいありそうです。船長は10キロあるんじゃないかなあと言っていましたが、まあ、7~8キロってとこでしょうか。いずれにしてもランカークラスの大きさです。

それを、事もあろうかジグで釣っちゃうんだからあきれます。

我が妻・・・いわゆる「もってる」ってやつなんでしょうか?

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そして船長、「この船でイカ釣った人は奥さんが初めてです。なんだか今日は初めてづくしだなあ。ワッハッハ。」でした。

この後、最後の最後に俺と息子が小さなタマンを釣り上げたところで時間切れ。
沖上がりとなりました。

俺的にはダメダメな結果となりましたが、それでも充分楽しかったです。

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<今回の釣行で学んだこと>
宮古の海は、とにかく頑丈なタックルが必要。
特に、根魚狙いではファーストランで根に潜ぐられると切られるので、ドラグまかせの細いラインは通用しない。強引な巻上げが必要。
釣れる魚は、関東の同じサイズの魚に比べて、パワーは2倍。瞬発力は3倍って感じ。

14号のリーダー(強度50ポンド・23kg)が何度も瞬殺されました。根魚にですよ・・・

何度も言いますが、ドラグが緩められないという条件がつくので、我々の常識が通用しません。
上手な人なら底のほうで食わせないで、上まで誘い上げてから食わせる。しかる後にドラグを効かせながら余裕で巻いてくるなどの高等技術で釣れるのかもしれませんが、ど素人ファミリーフィッシングではそんなの無理です。

実釣して感じたラインの現実的な組み合わせは、ジギングでも泳がせでも、PE4号(高級なヤツ)にリーダーは20号。(ショック吸収を考慮すると長めのナイロンのほうが良いかも)泳がせるならハリス18号。
まあ、つまり、でっかいブリとかを狙うようなタックルって事だよね。

これでも大物がかかると切られると思う。

当然ながらロッドやリールもこれに耐えられる物が必要。

絶対切られたくなければPE6号(強度50kg以上)にリーダー30号(強度45kg)だろうね。
でも、そんなの、うちの近所の釣具屋じゃ絶対売ってないぞ・・・

ネットとかで調べるとリーダー60号とか使う人もいるみたいだけど、そんなの使うと娘とか家内とかじゃラインが切れる前に海に引きずりこまれちゃいそうで危険だと思う。

運が悪いと鮫とかのモンスタークラスが掛かる可能性だってあるわけだし。


<今回の釣行で思ったこと>
今回釣り上げることができた魚は、ヒットした中で小さなものばかりのはずです。大きな魚には、ことごとくぶち切られてしまったのですから。

今思うのは、逃げた魚の口から針が外れてくれることを願うばかりです。
でも、おそらく針が外れずに無駄に命を落とす魚がほとんどでしょう。心が痛みます。

これを読んだ皆さん。
宮古島の海で釣りをするなら、魚のためにも、とにかく頑丈なタックルで臨みましょう。繊細さは必要ありません。たぶん・・・


この日の夜はホテルの近くの海鮮悟空という居酒屋に魚を持ち込んで料理してもらいました。
1人2000円という低価格で7品の料理にしてくれると言う約束でしたが、数えてみたら10品ありました。

料理はどれも大変美味しく、大満足でした。
唯一、言わせて貰えば、超豪華な船盛りが最後に出てきた事くらいでしょうか。ふつう刺身は最初に食いたいもんね。
それでも大満足でした。お奨めですよ。

ちなみにメニューは
モズク酢
ミーバイの煮付け
タマンの煮付け
フエフキダイのから揚げ
ミミジャーのマース煮
コブシメのゲソの炒め
コブシメのフリッター
握り寿司(アカジン、コブシメ、スマガツオの3種)
豪華船盛り
グルクンの味噌汁
でした。

当然ですが、4人ではとても食いきれる量ではなく、半分近くを残してしまいました。

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現地で食べた魚以外は翌日、持参したクーラーに入れて飛行機で持ち帰りましたが、帰宅後も充分鮮度が保たれていて、美味しくお刺身で頂けました。

もちろん何度も氷を追加したりして温度管理は神経質にやりましたし、つれた魚は船長が血抜きと絞めをやってくれて、しかも大きなクーラーの海水氷で初期の温度管理までしてくれていたのが良かったんだと思います。(ここまでやってくれた船長は他にはいませんよ~)

これを書いている今(釣ってから4日目)も、アカジンのエージングがちょうど良いらしく、とてもお刺身が美味いです。

たぶん来年も行っちゃうと思います。

何しろ俺、完全に欲求不満ですから!

栄真丸の鈴木船長、大変お世話になりました。俺だけは欲求不満ですが、家族はみな大満足です。
HPで書かれてる「ファーストクラスのサービスを・・・」まさしくその通り、きめ細かなサービスに感謝します。
来年また、よろしくお願いします。

おしまい。

秋のキノコ

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年に一度のお楽しみ!
早起きして1人でキノコ狩りに行ってきました。

行き先は群馬県北部の里山。

実は毎年この時期に行っている山なんですけど、今年は盆明けから妙に涼しかったし、雨も良い具合に降っていたので、ひょっとすると早い時期からキノコが生えちゃってベストシーズンを逃したかもなあ?なんて考えていたのですが、

案の定!

例年よりだいぶキノコの数が少ない感じ・・
というか、そろそろ終盤って感じでした。
毒キノコすらほとんど生えていません。
しかも山は大勢のキノコハンターたちの足跡だらけ。
採り尽くされちゃった感もあります。

現場にキノコ狩のプロっぽいおじさんがいたので聞いてみました。
すると、「おらあ毎日来てるけんど、そろそろ終わりだなあ・・。先週までは色々採れたんだけどなあ・・」などと言っていました。

しかたが無いので、奥の手を駆使することにします。
滑落停止用のピッケル。
5ミリ×30mのロープ
ガチャ少々
を持ってきているのです。

普通の人じゃ行かないような場所を重点的に探しました。

んで、結果。けっこう採れました~

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大きな鍋でキノコ汁にしましたが、濃厚な良い出汁がでて非常に美味です。
うどんを入れて煮込んでも美味しいんですけど、俺はご飯にぶっかけて食べるのが好き。
うまいんだ~これが!

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