日時 :2016年6月22日~6月26日
メンバー:俺と家内(どっちも50代)
行程 :一日目 スワンナプーン国際空港からバスでホアヒンへ
二日目 プタラクサホテルに滞在
三日目 バンコクへの移動日だが移動手段は未定
タイはバンコクの南、約200キロに位置するホアヒンって所に行ってきました。
実は前々から行ってみたいと思っていたビーチリゾートなんだけど、なんでもホアヒンという所は、「タイの王様の保養地として古くから発展した優雅な気品漂う由緒正しいリゾート地」という触れ込みで、タイにありがちなゴーゴーバーとかマッサージパーラーとかの風俗系は無いらしい。大型ホテルもあんまり無くて交通の便も貧弱。
そんなわけで、ゆったりした時間が流れる昔ながらのアジアリゾートが満喫できそうな気がしていたのである。
実を言うと、今回の旅行、前回のパタヤに行った時と同様で、会社の研修旅行なのである。
俺の会社の研修旅行って非常に変わっていて、「交通費と宿泊費は出してやるから好きに楽しんできてヨシ!」という、団体行動が苦手な俺としては非常にありがたいシステムなのである。
で、会社が出してくれるのはバンコクまでの交通費と市内の高級ホテル3泊分だけ。
そこから先は自己負担なのだが、タイ国内で必要な予算なんてたかが知れているのであ~る。
さて、では旅行記を書こう。
6月22日
午後10時ごろ羽田空港到着
今回利用する飛行機はJALの深夜便。会社が用意してくれたシートはもちろんエコノミーだったのだが、チェックインの時に「1万円余分に払えばプレミアムエコノミークラスにアップグレードできまっせ~」と受付の兄ちゃんに言われた。
すでにビールとワンカップで良い気分になっていた俺は1万円払ってアップグレードしてしまったのだが、これは正解だった。シートがビジネスクラスと変わらない大きさだし、足元もとても広いのである。深夜便という事で熟睡できるのは嬉しいし、なにより普通より良い席に座っているという優越感が良い気分なのであった。
6月23日
夜中の0時40分に出発した飛行機は定刻通り5時過ぎにスワンナプーン国際空港に到着。
ここで俺たち夫婦は他の社員とお別れして約200キロ南のホアヒンへと向かう。
交通手段はBELL TRAVEL SERVICE っていう会社の高速バスで空港からホアヒンまでの直行便だ。ネットで予約できて値段は@約1000円と格安なのだが、大型バスにたった24席のゆったり設計で、シートの大きさは飛行機のビジネスクラスと同じくらい。車内にはトイレもついていて非常に快適であるという情報を掴んでいたので、出発数日前にネットで7:30発の一番バスを予約しておいたのだ。
滞りなく入国手続きを終え、空港1階8番出口付近にあるBELL TRAVEL SERVICE の受付カウンターに向かう。それはすぐに見つかった。ネットで送られてきた支払い済みのバウチャーを差し出すと胸に貼り付けるシールとチケットを渡される。チケットはすべてタイ語で書かれているので何が書いてあるのかさっぱりわからないが、出発15分前にここで待っていろと英語で言われた。
出発まで1時間ほど時間があるので朝飯を食う事にする。受付カウンターのすぐ横にmagic foodっていうフードコートがあるのでそこに入ってみる。
どうやら地元人向けのフードコートらしく、全てタイのローカルフードのメニューだが、写真付の看板メニューがあるのでわかりやすい。1人分はおおむね150円くらいで食べられそうだ。おそらく、この空港内の食堂ではここが一番安いんじゃないだろうか。
入り口で100バーツ(約300円)分の食券を購入。
店内は混雑していたが、俺たち以外はすべてタイ人だった。
家内は良くわからないぶっかけ飯。俺は良くわからないワンタンメンを頼んだ。
一年ぶりのタイ飯なので美味しかった。
定刻が近付いたのでカウンター前に戻る。約15名ほどが集まっていた。そのうちの半数が俺と同様に40リッターくらいのザックを背負っていた。
家内を連れての旅行にバックパックというのもどうかと思うかもしれないが、今回の旅行、予定を決めてあるのは行きだけで、帰りの予定はしていなかった。というか、バンコクへ戻るためのバスの予約方法が判らなかったのだ。なので、帰りの交通手段によっては相当な歩きが必要な場合が考えられるし、事によっては見知らぬ街で右往左往する可能性だってあるのだ。なんたって俺、タイ語はぜんぜんわからないし、英語力はせいぜい中学1年生か2年生程度。円滑なコミュニケーションは無理なのである。そんなわけでスーツケースという選択肢は無かったのである。
話をもどそう。
係りのオバサンが「ホアヒーン、ホアヒーン。」と言いながら歩き出したので、皆がゾロゾロ付いていく。道路を横切った先にバスは待っていた。
乗り込んだバスは情報通り、とても贅沢なゆったり設計。広い室内に大きなシート。後部奥にはトイレがあって、運転手の他に女性の乗務員が1人。飛行機と同様で客室と運転席は分厚いアクリルのガラス板で仕切られていた。
さすがに機内食までは出なかったが、乗り込むとすぐにミネラルウォーターが配られる。
ちなみにバス内での飲酒は禁止になってしまったそうだ。
バスは定刻通り7:30に出発。
懐かしいバンコクの街並みの中をバスはどんどん走る。時間が早いのでお約束の渋滞もない。小一時間ほどで市街地を抜け、湿地滞の中をしばらく進む。そして間もなく4号線のクルージングに入る。100キロくらいで走っているのでおそらく高速道路なんだろうけど、日本のそれとは違い、自動車専用道路ではない。路側には普通に家もあるし、原チャリも走っている。しかも路側帯を逆走している原チャリを何台も見かけた・・・タイでは原チャリはバイクじゃなくてチャリ扱いなんだろうか・・・?
見える景色は鬱蒼としたジャングルだと予想していたのだが、そうではなかった。はるか遠くまで見渡せる背の低いブッシュの原野にヤシの木が点在しているという景色だ。
タイって亜熱帯だと思っていたのだが、分類はサバンナ気候だそうだ。サバンナはライオンとか像とかがいるアフリカが有名だが、タイもサバンナ気候なんだそうだ。
(※サバンナ気候:雨季と乾季が明確に分かれていてヤシの木が生えるような気候だそうだ)
で、その背の低いブッシュの原野はいつまでも延々と続き、すぐに景色には飽きてしまう。なぜかというと、けっして魅力的な景色ではないからだ。中途半端に店舗や民家や企業の大型看板なんかがあって、大自然のサバンナっていう物ではないからなのであった。
そんなわけですぐに眠くなってしまい寝てしまった。
10時を少し回ったころ目が覚めるとチャームに差し掛かっていた。
チャームとは、ホアヒンのちょっと北にある小さな街で、昔から地球の歩き方でも紹介されていてローカルにも好まれる田舎のリゾート地らしいのだが、実は田舎好きの俺はチャームも今回の行先候補に上げていたのだ。しかし、実際に来て見て「来なくてよかった」と思った。だって田舎過ぎるんだもの。
バスの窓から見た感じでは、ハイウエイと海の間にホテルが点在していて、他は例の背の低いブッシュの原野だけで、他にはなんにも無いのだ。
俺はアジアのローカルな生活感を感じながら優雅なホテル生活を楽しみたいのだ。
昼はホテルのビーチやプールで生ビールなど飲みながらのんびり過ごし、夜はローカル色満載の屋台とか市場とかで庶民の味を楽しみつつ地元の安酒をたっぷり飲みたいのである。
それをするにはチャームは田舎過ぎると思う・・・
チャームを過ぎると間もなくホアヒンに到着した。11時ちょい過ぎだった。
バスターミナルは町の中心より3キロほど南に下った場所であった。
バスを降りるとすぐにお約束でタクシーの客引きが群がってくる。しかし、たいていの場合、こういった客引きドライバーはボッタクリなのだ。
なので完全無視を決め込む。そして道路に出て流しのタクシーを拾うのだ。
道路に出るとすぐに一台のタクシーがつかまった。タクシーと言ってもトラックの荷台を座席に改造したソンテウと呼ばれるものである。
とりあえず町の中心へ向かい昼飯を食う事にする。
が、すぐにマーケットビレッジと書かれた大きなショッピングモールのような建物があったのでそこで降りてみた。タクシー代は一人@10バーツ(約30円)。安いね~
中に入ってみると、さまざまな種類のレストランが沢山あって、和食の店だけでも4店舗もある。寿司、鉄板焼、蕎麦うどん、と・・・ま~あ・・・こりゃ日本のショッピングモールと変わらないぞ・・・。
つまり、ぜんぜん面白くないじゃないの!!
という事で、再度道路に出てソンテウを拾って中心街へ向かう。
ここで、ソンテウの紹介。先にも書いたけど、素性は日本製の小型トラックである。荷台をてきとーに座席に改造したものなのだが、ドアーなどは無く、しっかり捉まってないと落っこちちゃうという安全性に欠けるタクシーなのだ。
いちおう屋根の上に日本と同じようなTAXIの看板が付いているので前から見てもそれとわかる。
バンコク市内では見たことないが、バンコク以外では、どこの町もソンテウが主流。
値段は決められた路線を走るものなら一律10バーツ(約30円)とかが多い。
えらく安いのだが、基本は乗合なので、ある程度人数が乗らないと出発してくれないし、途中途中でどんどん客を拾ったり降ろしたりするのでノロノロだが、それでも東京の路線バスよりずっと早いと思う。
降りたいときは屋根をコンコン叩いたりすればどこでも止まってくれる。
さてと、そんなソンテウにのってようやくホアヒンの中心地に到着した。我が家を出てから、実に17時間が経過していた。現在時刻は現地時間で12時。
ずいぶん遠くまできたもんだ。
ソンテウを降りたすぐそばにレストランがあったのでそこに入る。フランスのカフェーのように歩道にテーブルをはみ出させた席があったので、そこに座る。そして生ビールを2杯注文する。良く冷えたジョッキの生ビールは、注いだ瞬間から結露で水滴を滴らせ実にうまそうに見えた。で、ぐびぐびと一気にやる。染み渡るうまさであった。
料理は焼きソバとトムヤムクンを注文した。
焼きソバは美味かったが、なぜかトムヤムクンはトムヤムチキンが出てきてしまった。俺の発音が悪かったんだろうな。
お代わりした二杯目のビールを飲み終えたので、時間つぶしのためにマッサージをすることにする。ホテルは午後2時からチェックインなので、まだ1時間半もあるのだ。
すぐ近くに暇そうな小さなマッサージ店を見つけた。入り口のウインドウに全身マッサージが1時間で165バーツと書かれていた。つまり日本円で500円。2人分でも1000円だった。
10年くらい前のバンコクで100バーツだった記憶があるので、だいぶ値上がりしたようだが、さすがに高いとは感じない。だって日本だったら1時間で3000円はするもの。
店に入ると、ま~あ粗末な感じでフットマッサージの椅子が3個。奥に全身マッサージ用の施術台が3個の小さな店だった。
で、施術するベットに案内されると、笑っちゃうほど大きなブカブカのパンツを渡され、裸になってこれに着替えろと言う。
俺は男だから良いが、家内にも同様なパンツ1枚しか渡さないのだ。つまりオッパイ丸出しになれと言うのである。しかも着替えはここでやれという。更衣室など無いのだ。ちなみに脱いだ物を入れるカゴすらないので、汚れないようにザックの上に脱いだものを乗せる。
開き直った家内、「恥ずかしがる歳じゃないわよ」とか言いながらオッパイ丸出しになった。幸いマッサージ師は女性だったのだが、男のスタッフからも見えちゃう位置であった。
しかし、ここのマッサージの技術は良かった。強すぎず弱すぎず、的確にツボを押さえる。17時間の長旅で疲れた体が蕩けていくようであった。
あまりにも満足なマッサージだったので支払は500バーツ(1500円)を渡し釣はチップとした。店のスタッフも満足そうに笑顔になった。たった500円でみんなが笑顔。マイペンライだ(違うか?)笑
タオルの下はノーブラです
店を出るとちょうど午後2時だったのでホテルへ向かう。
予約したホテルはプタラクサという、ホアヒンで2番人気の小洒落た小さなホテル。いちおう高級な部類にあたるので俺というキャラには似つかわしくないのだが、今回は家内と一緒なので奮発したのである。
アイフォンのグーグルマップで位置を確認すると600mほどの距離だ。歩くには暑くていやだし、タクシー乗るには微妙に近いし・・という中途半端な距離だったが、結局歩いてしまった。
ホテルに入るとすぐに可愛らしい受付嬢が出迎えてくれた。
チェックインだと言うとウエルカムドリンクと冷たいオシボリが提供され、しばし待たされる。
というか、えらく待たされた。「まさかひょっとしてオーバーブッキングで部屋が無いとかかあ?」と不安になったころ、ようやく部屋に案内された。歩きながら待たせた理由らしいことを英語で説明してくれたが、俺の英語力で理解できたのは「用意できたのは2階の眺めのいい角部屋ですが、それで良いですか?」という事だけだった。
で、部屋に入ってビックリ。予約した部屋よりだいぶ広いのだ。予約したタイプの部屋が満室なので運よくこの部屋があてがわれたのかと思ったが、どうもそうではなく、他に空き部屋は結構あるように見受けられた。
そんなわけで、いまだに何で部屋がアップグレードされたのかは謎なのである。俺の英語力じゃそれを確認できないし・・・・まあ良いけどね。笑
さて、このプタラクサというホテル。非常に良かった。もちろんネットでしっかりリサーチしてから予約を入れたのだが、評判通りこじんまりした良いホテルだった。
ちなみに予約したのは一番安い部屋をさらにディスカウントされたもので一泊@約13,000円。(定価は約30,000円)。ホアヒンでは高級な部類なのだ。(※最高級じゃないですよ。)
で、このホテル、一言で言うと大人向けのリゾートホテルである。実際に熟年夫婦の欧米人が多く見受けられた。
プールサイドでは中年のオバサンはビキニだし、頭の禿げたオヤジは突き出たお腹を堂々とさらしながら日光浴を楽しんでいた。(まあ、俺たちの事でもあるけどね・・・笑)
もちろんピチピチのマイクロビキニの白人ギャルもいるので目の保養にも事欠かないのであ~る。
部屋からの眺め
この写真を撮ったあと、盗撮で訴えられそうでドキドキした・・・笑
大型ホテルのようにプールバーがあったりはしないのだが、プールには専属のスタッフが常駐していて、新しい客が来るとさりげなくタオルを運んできてくれたり、時々冷たいミネラルウオーターをクーラーボックスごと無料で運んできてくれたりと、キメ細かなサービスが嬉しい。もちろん頼めばトロピカルカクテルなんかも持ってきてくれるのだ。
街の中心部などに外出したいときはホテル専用のトゥクトゥクというオート三輪が用意されていて街まで無料で送ってくれる。
朝食のビュッフェも美味しかったし種類も豊富。
客室はと言うと、白を基調に品よくまとめられて良い雰囲気である。ベッドはキングサイズのダブルで程よい硬さ。毎日果物と氷のサービスがあって、とてもきれいに掃除してある。
どの部屋もバルコニーにはベットのような大きいソファーがあって、白いパイル地の清潔なカバーが付いている。若いカップルならそこでイチャイチャするもよし。本でも読みながらのんびりするのも良し。酒を飲みながら煙草をふかすのもよしなのである。(ちなみに室内は禁煙)
バスルームのシャワーの勢いとお湯の温度が低いのが難点だったが、まあ、そんなことはどうでも良いと感じられる満足のホテルだった。
ホテル紹介はこの辺にして続きを書こう。
まあ、そんな感じで俺も家内もこのホテルは充分に気に入ったのだった。
ホテルで夕方までのんびり過ごし、夕方に例のトゥクトゥクで街まで送ってもらう。
この街にはナイトマーケットがあって、さまざまな雑貨や土産物などの屋台が立ち並ぶのだ。一画では新鮮なシーフードを食わせるレストランが軒を連ねていたりで、非常におもしろいのである。
しかしそれは観光客を狙ったものに違いなく、ローカルな生活感を求める俺の欲求を満足させるものではなかったのだが、実は昼間ホテルに行く前にナイトマーケットの路地裏に見つけておいたのだ。活気あふれる地元民用の市場をね。で、夜はそこに遊びに来ようと楽しみにしていたのだが、そこは夜は店仕舞いした後だったのだ。
考えてみれば、それもそうなのである。地元民用の市場が夜までやっているわけがないのであった。
しかたがないので素直にナイトマーケットを楽しむことにした。
とは言っても、屋台で安物のお土産を買ったりするほど若くは無いので、とりあえず適当なバーに入って一杯やる事にする。そんな場合の店を選ぶコツは、長期滞在者らしき欧米人が多く座っている店を選べば大抵間違いはない。彼らは安くて居心地が良いい店にしか入らないからだ。
で、すぐにそのような店が見つかった。
俺はジャックダニエルのストレートを注文。家内にはなにかトロピカルなカクテルがよかろうとメニューを見ると、hua hin というカクテルがあったのでそれを注文した。ウエイトレスにどのようなカクテルなのか尋ねたのだが、怪しい笑顔を浮かべるだけで答えようとしなかった。またしても俺の英語が伝わらないのか?と思っていたのだが、運ばれてきたグラスを見て理解した。ジョークたっぷりのセクシーカクテルであった。
女性の体をモチーフしたグラスにナフキンで作ったかわいいビキニが着せてあったのだ。
田舎のレストランバーにしてはなかなか洒落ててよろしい。ますますホアヒンの町が好きになった。
ちなみに中身はラムベースのダイキリでアルコール度数は高め。
若い女の子を酔わせるには良いかもしれないが、我が家内、この程度じゃ屁とも思わないので面白くない・・・
さてと、ウイスキーとダイキリですっかり良い気分になったので食事をすることに。
食べたいのはもちろんシーフード。
で、今いる店のとなりがシーフードレストランだった。
レストランといっても厨房が路上という屋台のようなレストランなのだが、鮮度の良さそうなエビや魚が氷の上に大量にディスプレーされていて、見るだけでも実に楽しい。料理は路上の厨房で豪快に調理されるのだが、高火力のバーナーで中華鍋を振るうので、ちょくちょく鍋から火柱が上がるのだ。そのたかさは2mくらい。これがまた見ていて実に楽しいのだ。
何を食おうか迷う所なのだが、タイに来たらとりあえず食べたかったのが、プーパッポンカリーという渡り蟹のカレー。店を仕切っていたオババに「つくれるか?」と聞くと「もちろん!」というので迷わず注文した。サイドメニューはホタテガイのグリル。バターとチーズのガーリックソースで味付けしてもらう。〆はエビチャーハンを頼んだ。
で、美味かったのかというと、まずまず及第点であった。
しかし、支払いの伝票をみてビックリ。2人でこれだけ食べてビールだって飲んだのに、日本円で1800円ほどだったのだ。コストパフォーマンスは素晴らしいと感じた。
お腹も膨れたし、ずいぶん飲んだので、あとは帰って寝るだけ。流しのトゥクトゥクを拾ってホテルに帰った。ちなみにトゥクトゥクの料金は100バーツ(約300円)走る距離はたったの600m。昼間乗ったソンテウが10バーツだったことを考えると、えらく高いと感じたが、どのトゥクトゥクと交渉しても100バーツだというので、これが相場らしい。
でもまあ・・・300円だけどね 笑
6月24日
今日はのんびりゆっくりしていて良い日なので早起きする必要はないのだが、歳のせいなのか興奮のせいなのか判らないが7時前に目が覚めてしまう。
まだお腹もすいてないのでホテルの周辺を散歩する事に。
とりあえず道路を挟んで海側の宿泊棟のほうに行ってみる。このホテルの造りはちょっと変わっていて、道路の海側と山側と敷地が半々に分かれているのだ。ちなみに俺たちが泊まっている山側はアパート風の造りの一般客室で、海側はコテージ風の高級客室棟となっているのだ。行ってみると確かに良さそうだが、こっちは一泊5万円以上もするので普通の人には無理。いつか泊まってみたいものだ。
敷地を抜け海まで行ってみたが、海はまあ、きれいではない。というか汚い。ゴミや古タイヤなどの漂着物が散乱していて、最近の日本の海水浴場より汚い感じ。
ま、泳ぐ気にはなれないな。
という事でこのビーチで長居する気分じゃないので朝飯を食いに行く。
ホテルのレストランは俺たちの部屋のとなりだった。
円形茅葺みたいな屋根の洒落た建物がそうだ。中に入ってみると既に8時だというのに客は俺たち以外に二人だけだった。
みんなまだ寝ているのだろう。
食事はバイキング形式だった、どの料理も優しい味付けがされていて美味かった。種類も豊富。
朝飯を終えてからはしばしプールでまったりする。
今日の予定は特になにも決めてなかったのだが、俺は昨日行けなかったナイトマーケットの路地裏に見かけた例の市場にどうしても行きたかった。
家内もそういった市場などを冷やかすのは大好きなので、「行ってみようぜ」と誘ってみると「良いわねえ。私も水着とか買いたいし。」と、すぐに食いついてきた。
そんなわけで昼飯を絡めていく事にした。
11時ごろフロントに行きトゥクトゥクでナイトマーケットまで行きたい旨を伝えると「昼間はマーケットはやってませんよ。行っても何もありませんけど・・」みたいな事を言われた。やはりあの市場を見物に行く観光客はあまりいないらしい。
「まあ良いから良いから、とにかくトゥクトゥクにのせてくれよ。」という感じで無料トゥクトゥクで出発する。
テーマパークの乗り物のようなトゥクトゥク
で、行ってみると、やっていました。市場!
入り口がとても狭くて分かりにくい市場なんだけど、中はかなり広くて活気にみなぎった正しいアジアの市場が展開されていた。魚と野菜と果物の市場らしいのだが、衣料品や雑貨品も売られている。
この市場で何か買いたいと言うわけじゃないのだが、とにかく俺はこういった所を見物するのが大好きなのだ。
で、この市場の入り口に小さな食堂があるのだが、その店の入り口にあった大きい鍋の中に凄く食いたいと思っていたものを発見した。煮込み豚足だ。
20年くらい前に一人でサムイ島やパンガン島など旅行した時に、豚のモツと豚足のゴッタ煮のような物を食った事があるのだが、それがもの凄く美味しくて「また食いたいなあ」と思っていたものなのである。ここ店の物はモツまでは入っていなかったが、まあ似たような感じだ。
いても立ってもいられず早速注文した。通常は豚足を小さく切ってご飯に乗せて食べるものらしいが、ビールのつまみとして食いたいのでご飯抜きで注文する。煮卵も添えてもらった。付けあわせに小さい丸ごとのニンニクと小さい唐辛子が付いてきた。
その小さなニンニクと唐辛子をかじりながら食べるらしい。
さっそくそのようにして食べてみたのだが・・・・絶品であった。
豚足は甘辛くトロトロに煮込まれていて、噛み締めていると自分の脳味噌までトロトロになっていきそうだ。
家内はこういったビジュアルのよろしくない物は苦手なので俺が一人で全部食ってしまったのだが、食べ終わっても口の中には脂っこさなど微塵も無く、むしろ爽やかな余韻さえ残るほどの美味しさだった。
この料理、今回のタイ旅行で食った物の中でダントツ1位である。
豚足
骨を外して食べやすい大きさに
盛り付け完了
小粒のニンニクと唐辛子2種類
絶品です
興味のある方は是非おためしあれ。
その後は、またしても昨日行ったマッサージ店でマッサージなど受け、家内の水着を買ったり(なんとビキニである)してホテルに帰る。
午後はプールでのんびり過ごした。
夜はまたしてもナイトマーケットに行く。
今日はホアヒン最後の夜なので、贅沢をしようというのが目的だ。
家内は夕べのレストランが気に入っていたらしいが、同じ店と言うのもつまらないので夕べの店のとなりのレストランにした。まあ似たような感じの店なんだけどね。
で、値段など気にしないで美味そうなものを物色する。
とりあえずは1キロくらいのでっかいロブスターを一匹チョイス。半身をバターソースのグリルにしてもらい、もう半身はガーリック味で焼いてもらう。
ムール貝の蒸し物を1キロほど頼む。
さらに見た事の無い魚だが、ヒラスズキのような魚があったので、それは香草蒸にしてもらった。
付けあわせはもやし炒め。
この量、絶対に二人で食いきれない事は解かっているのだが「今日は贅沢する」が目的なので良いのだ。
飲み物はとりあえずビールで乾杯。二杯目からは免税店で買ったシーバスリーガルの12年を持ち込んだので、氷と水を注文してスコッチの水割りとした。
タイのレストランって酒の持ち込みとか全然OKなのである。おおらかで良いよね。
で、料理の味がどうだったかと言うと、まあ、昨日と同じで普通に及第点だ。
値段はと言うと、夕べの感じでだいたい予想はついていたが、あれだけの高級食材をたのんだにもかかわらず、日本円で約5800円だった。安いよね。これでも観光客向けの値段設定なんだよね~。熱海あたりで同じもの食ったら何万円するんだろ?
ま、二日目の夜もこんな感じで夜は更けていくのであった。
ハイテンションのウエイトレス
持ち込みOKです
6月25日
今日はバンコクへの移動日
しかし、帰りの足は確保できていない。
考えられる交通手段は
贅沢にタクシーだと6000円~8000円くらいらしい。値段はともかく面白くないのでこれは却下
列車だと1人1200円位らしいが、早朝とか夜遅くにしか便が無いのでこれも却下。でも、本当は列車で帰りたかった。外国で電車乗るの好きなんだよね。
エアコン付のバスだと1人1000円位でしかも快適なのが解かっているのだが、予約ができていない。でもこれが現実的なので第一候補。
残りはロットゥーと呼ばれるミニバス。おもにトヨタのハイエースなどのバンの乗合なのだが、おそらく狭いだろうし、安全性とか良くわからんので、これは第二候補。
早めに朝食を済ませ9時にチェックアウト。
とりあえずホアヒン駅近くのバス乗り場に行ってみた。
その場所はバス停でもあるのだがロットゥーの乗り場でもあった。
ロットゥーの客引きがうるさいのだが、無視してバスの受付に行ってみると、時刻表があり、それには10時と12時のバンコク行きが書かれていた。現在の時刻は9時40分。
ちょうどいいと思い10時のバンコク行きのチケットを頼むと、なんと、10時のバスは出ないという。なんで?と尋ねたが俺の英語力では理解不能~
とにかく10時のバスは無いのだ。
タイでは時刻表がインチキで、まったくもって信用できないという情報は持っていたのだが、まさしくその通りであった。
という事で交通手段の選択肢はロットゥーだけとなった。
しかたがないのでロットゥーの出発時刻を聞いてみると、帰ってきた答えは「NOW!」だという。値段はバンコクの戦勝記念公園まで@500円だという。
決定であった。
切符を買い車に乗り込む。乗客は俺たち2人だけ。「貸切じゃん。これで一人500円なら凄い安いよな。」と喜んでいたのだが・・・
NOWと言った割にぜんぜん出発する気配が無い。
すぐに気が付いた。「NOW=今」というのはウソで、お客が集まったらスグに出発するという意味だったのだ。
結局、20分ほどの間に続々とお客が乗り込みほぼ満席になった。俺たちを含む外国人が半分。地元タイ人が半分くらい。赤ちゃんを抱いたタイ人のお母さんなんかもいて、ローカル色満載だ。俺は腹が立つどころか、だんだん楽しくなってきた。
こういったローカルにどっぷりつかるのが大好きなのだ。
結局ロットゥーは10時に出発となった。
この分なら13時にはバンコクだなと思っていたら、このロットゥー、頻繁にあちこちに止まるのだ。バンコクまでまっしぐらと思っていたのだが、路線バスのように、あちこちに停留所みたいな物があって、そのたびに地元客を乗せたり降ろしたりして小銭を稼いでいるようであった。
だがそれもチャームの町までで、その後は4号ハイウエイをビュンビュン飛ばして走った。
運転はけっして丁寧ではなく時速100キロからの急ブレーキも頻繁で、とても2種免許を持ているとは思えない荒っぽいものだった。そもそもタイには2種免許なんて無いのかもしれないけどね。
ただ、この運転手、乱暴だが運転はうまい。というか、ちょうど俺と同じような運転スタイルなので妙な安心感を感じていた。
しかし家内は何度も「ひゃ~」とか「うわ~」とか小さな悲鳴をあげていたようだった。
ロットゥーはバスと違い、車にトイレが無い。なので途中で休憩が入る。バンコクまでの中間点と思しきあたりでガソリンスタンドとドライブインを兼ねたようなところで休憩となった。効きすぎのエアコンでトイレに行きたかったので助かった。
さっそくトイレに駆け込んだのだが、ここのトイレは20年以上前にタイを旅行したころの懐かしいスタイルのままだった。けっして清潔とは言えないし、どちらかと言うと汚いトイレなのだが、なつかしくて思わず笑ってしまった。
どのような物かと言うと、水洗便所なのだがレバーやボタンで水は流れない。便器は和式に近い形状で、トイレットペーパーは無い。代わりに水の貯められた桶が置いてあるのだ。
どのようにして使うのかと言うと、用を足した後はお尻を桶の水を柄杓で汲み、手で洗うのだ。もしくは水道がある場合はホースで尻を洗うのである。しかるのちに今度は柄杓で汲んだ水を一気に便器に流しウンコを流すのである。
初めてだとビックリするかもしれないが、アジアのトイレはどこもこんなスタイルが多かった。
俺も初めてアジアを旅行した時はビックリしたし抵抗もあったのだが、慣れると非常に気持ちがいいのだ。そもそも紙で拭くよりも、よほど衛生的なのである。
しかし、最近はこのスタイルはめっきり少なくなった。少なくても外国人旅行者が多い場所ではぜんぜん見かけなくなった。
まあ、便所の話はこれくらいにして続きを書こう。
お客のトイレも終わり、ロットゥーの給油も終わって車は再び走り出す。
見える景色は来る時と同じ、例の背の低いブッシュの原野。
おもしろくない景色なのでやっぱり眠くなってしまい居眠りの開始。
次に目が覚めると、ちょうどチャオプラヤ川の橋の上だった。
とうとうバンコクに入ったのだ。
ここまでは渋滞も無く来れたようだが、チャオプラヤ川の橋を渡ると間もなく渋滞につかまった。まあ以前のバンコクの渋滞に比べたら可愛い渋滞だったけどね・・
結局渋滞は目的地の戦勝記念公園まで続いていた。で、この渋滞の原因はなんと、凄い数のロットゥーだったのである。ロットゥーの発着場所に行くためには中央分離帯で区切られた片側2車線ある道路をUターンしないと入れないのだ。なので凄い数のロットゥーが同じ場所でUターンするのだが、車体の大きいロットゥーがUターンするには3車線もの車を一時的に止まらせる必要があるのだ。それをすべてのロットゥーがするものだから、このあたりだけ道路は上下車線で凄い渋滞。もしもこれが東京だったらえらい騒ぎになると思うんだけど、ここはタイだからね・・・
そんなこんなで、とにかくバンコクにたどり着いたのは予想より30分遅い13時30分だった。
ロットゥーの発着場は排気ガスで薄汚れた高架下のせまい広場だった。おびただしいロットゥーが停まっていて、なぜか多くの品の無さそうな男たちがあちこちで大声でわめき散らしていた。何を言ってるのか判らないが、文句を言いあっている感じだった。
ちょっと怖いので急いで退散する。
実は俺、ここに来るのは初めてだし、戦勝記念公園の近くだという事は判ってはいるが具体的な現在位置は全く分からなかった。西も東も判らない状態だった。そんな時に活躍するのがアイフォンのグーグルマップ。正確な現在位置と行きたい場所への距離も方向も一目でわかる。便利になったもんだな。
調べてみると次に乗る予定のBTSという電車の駅までは少し歩くようだ。
駅は戦勝記念公園の向こう側であった。ちょっと遠いがこの公園もバンコクの観光スポットの一つに違いないので見物しながら歩いていく。
腹が減ったので途中の食堂でタイで最もポピュラーなメニューの一つのカオマンガイと言う鳥飯を食べる。まあ普通にうまい。今までも何度も食った事はあるけど、どこで食っても普通にうまい。日本人の感覚だと駅前食堂のカツ丼と言ったところかな。
カオマンガイ
道路は渋滞
さて、飯も食ったし、BTSの駅に向かう。
ホアヒンと違って妙に蒸し暑いし、ギュウギュウ詰の40リッターザックを背負っているので汗でびっしょりだ。汗を拭き拭き歩く。
駅に着くと凄い混んでいた。しかも、自販機で切符を買いたいのだが小銭が無い。両替したいのだがなぜか両替場は長蛇の列。50人くらい並んでいる。
痺れを切らした家内、「タクシーで行こうよー。」と言い出したが、道路が渋滞しているのは先ほど思い知らされているので先刻承知。おとなしく並んで電車に乗った方が絶対に早いのだ。
15分も並んでいただろうか。ようやく切符を手に入れて電車に乗り込んだ。列車の中はエアコンが利いていて天国のように感じた。
途中で一回乗り換えがあるが、目的地のサラディーン駅まで行けばこの旅も終わりだ。
サラディーン駅の目の前に会社が予約してくれたクラウンプラザという高級ホテルがあるのだ。
まあ、帰国するのは明日なので旅が終わりと言うわけじゃないのだが、まあ俺的にはここで一度ピリオドっていう気分なのである。
というわけで、レポはこれで終わりにする。
日記と言うつもりで書いたので、えらい長文になっちゃったけど、最後まで読んでくれた人、ありがと~。
<ホアヒンの率直な感想>
色気の無い街なので若い人や団体旅行には向かない。俺たちみたいな熟年夫婦とかには凄く向いてると思う。
街は全体的に騒々しくはないが静かでもない。
しつこい呼び込みや物売りはほとんどいない。
レストランやバーはそこそこ充実しているので、食事や酒には困らないが、派手な店は見かけなかった。
日本人はぜんぜんいない。ホテルで何人か見かけたけど町ではゼロ。なので日本語は全く通じない。街では英語すら通じないところがけっこうあった。
これといった見どころもアクティビティも全然無いので、のんびりする以外に過ごしようがないのも事実。
事前情報の「優雅な気品漂う由緒正しいリゾート地」というのはちょっと違うぞ~。ほめ過ぎだろうって思うけど、まあ、嘘でもないかな。
とにかく俺たちはとても気に入ったので、おそらくこの先、何度も来ることになると思う。
おススメではありますね。
<ホアヒン旅行の情報が欲しくて、ネットで検索してたどり着いた人へ>
俺も今回のホアヒン旅行に行くにあたって、けっこう情報不足で苦労したので、知りたいことがあればコメントしてください。知っている事はお答えしますよ。
今ネットで流れている情報だけだと古すぎて使えない物も多かったし・・