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Channel: へべれけ登山隊のブログ
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乙妻山

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今回は先々週に悪天候でパスしちゃった乙妻に行ってきました。
乙妻はロングで有名なクラッシクルートなんですけど、ちゃんと行けたのか?と言いますと・・・

行けませんでした。

ヒラベとハイジの企画だったのですが、なんとなく人数が集まっちゃって、その数なんと総勢11名

メンツはというと
関西勢:ヒラベ、岳、渓、山、フナッシー
関東勢:ハイジ、ササ兄貴、タケオ、ヒナコ、俺
関東勢補欠:カッキー(去年一ノ倉沢で落っこちてリハビリ中・・・)

この人数が前夜に集合しちゃったわけで、そうなると当然宴会が始まっちゃうわけで・・・・
その中には悪乗り大王とか悪乗り大魔神とかウワバミ星人みたいなのが数人いるわけで・・・
ちょっとだけ飲むはずが、けっきょく1時過ぎまで飲んじゃって・・・

当然ながら、まあ、明朝3時半に叩き起こされたときには酷い二日酔い。

こんなんで乙妻なんて行けるのかあ?という状態だったのですが、なかにはモチベーションが高く、ほとんど飲んでない者もいるので、否応も無く戸隠大橋まで連行されてしまうのでした。

補欠のカッキーを一人だけ残して
5:30 10人でハイクアップ開始。
カッキーはのんびり岩魚つりでもするらしい。

まずは長~い林道歩きから佐渡山南の鞍部を目指す。
一時間ほどで林道は終わりで鞍部南東の支尾根に取り付く。
で、この支尾根がパック気味のモナカとガリガリ雪。相変らずシール登りが下手糞な俺は四苦八苦。
あっというまに皆から置いていかれてしまう。

しかも強烈な二日酔いで頭はガンガン、胃はムカムカでちっともペースが上がらない。

ハイジにプレッシャーを掛けられながら、だ~らだ~らと登っていると、なぜか岩魚釣りに行ったはずのカッキーに追い抜かれてしまう。

で、気がつくと一人ぼっち・・・・

鞍部まで登れば皆が待っていると思っていたが、誰もいない。

完全に置いてけぼりを食ったようだ。

しょせん我々は山好き同人。山岳会では無いのだ。一人一人が自己責任の判断で登っているので文句も言えないのであ~る。

仕方が無いので面倒だが地形図など見ながら一人ルーファン。
実を言うと俺、今日のルートの詳細を聞いていなかった。なので、どこから乙妻へ登るのか知らないのだ。
現地は夕べ雪が降ってないので大勢の人のトレースが残っていて、どのトレースを追っていけば良いかも分からない状態。

ま、氷沢川の二股まで行けば誰かいるだろうと、明らかに他人のトレースを使って下って行って見ると、カッキー以外の9人が出発するところだった。

で、カッキーと二人して「このあとど~する?」という感じで打合せ。
相変らず吐き気が止まらない俺はピークを踏む気はゼロ。しかし、せっかくここまで来ているのでちょっとは美味しいパウダーを滑りたい。
骨折リハビリ中のカッキーも「意外と足の調子も腕の調子も良いのでちょっとは滑ってみたい」ということになり、「適当なところまで登って適当なところから滑ろうよ。」という事になった。

で、みなのトレースを使って高妻山東の尾根に取り付く。

イメージ 2


ゼーハーゼーハー言いつつ登って行くと、そこらじゅうにゲロを吐いたあとが残っている。

どうやら俺以外にも二日酔いの者がいるらしい。

で、そのゲロの数が半端じゃない。数えたわけじゃないが10箇所以上にゲロが吐いてある。
しかもそのゲロ、トレースの横とかじゃなくて、ど真ん中に吐いてあるので、歩きながら吐きまくっているようだ。
いまだに俺も気持ち悪いので、ゲロを見るたびにもらいゲロを我慢しつつゲロを避けながら登って行くと、もうちょいで標高2000mという地点でゲロの犯人がのびていた。

そいつは関西勢の岳だった。

イメージ 1


青白い顔をして「あまりにも気持ち悪いのでここでリタイヤしました。」などと力のない声で言っていた。
こやつ、本来は、本日の主要ラッセル要員。なんたって今日の面子の中では一番若いのだ。
ゆうべハイジあたりにしこたま飲まされたんだと思うが、どんだけ注がれたとしても、その酒を口に運ぶのは本人!
なので自己責任なのだ。

しかし、そんなんでよくもまあ、ここまで来たもんだ。

ということで、おいてけぼり第2号なのであった 笑

何度も言いますが、しょせん我々は山好き同人。
一人一人が自己責任の判断で登っているので文句は言えないのだ。
しかし逆に我々は、だれもが単独で行動できる能力をもっているのである。
なので、何の問題も無いのであ~る。

ちなみに、脱落者を無慈悲に放っておいて先に進んでいってしまった8人は俺たち二人が後から登ってくることを知らないので、岳はまぎれも無く厳冬期の雪山に置き去りにされたのである。
まったく酷いやつらだ。

さて、そんなことで、期せずして結成されたグダグダチーム3人でその後の行動をしたわけなのだが・・・・

山の神様は無慈悲ではなかったのだ。

カッキーとの打合せでは、もうちょっとだけ登ってから谷側へドロップしようと考えていたのだが、岳の今の状態ではこれ以上登らせるのは、あまりにも酷。
実は俺もバテバテだったので、「面倒だからここからドロップしちゃおう。」という事になった。

で、俺が先頭で良さそうな斜面を物色する。

尾根をわずかに下方向へトラバースしていくと、ま~あ良さそうな斜面を発見!
そこは上から下まで斜度45度くらいの急斜面でフワフワのパウダーが積もっていた。
しかも雪崩れる気配もなし。オープンバーンではないが適度に木が生えていて安心感もバッチリの斜面だった。

イメージ 3

もちろんファーストトラックは発見者の俺がいただく。

最初のワンターンまでは慎重に行く。
表面をスラフがバラバラ落ちていくが、バーン全体はしっかりしている。
思い切って長めに斜面を切ってみても全く問題なし。
で、後続のカッキーと岳に「最高だー!!」とコールを送る。


で、二番手はリハビリ中のカッキー。
思うように手足が動かないので最初はビビッていたのだが、滑り始めたとたんに事故前と変わらない勢いで「ヒャッホー!」などと叫びながらブッ飛んで降りてくる。


さてさて、問題はシンガリの岳。先ほどまでゲロゲロ吐きまくっていたので平衡感覚はゼロなはず。この急斜面を降りられるだろうかと心配していたのだが・・・
「最高ー!!」と叫びながら最高のパフォーマンスを見せてくれた。


二人とも一時的なアドレナリンの過剰分泌で興奮しているだけだと思うのだが、良いすべりだった。

あまりにも良い斜面だったので谷に下りてからは気分はもはや消化試合。
だらだらと下って氷沢川の二股に戻る。

すると岳、アドレナリンのスイッチが切れたようで、またしてもゲロゲロ二日酔い状態に逆戻り。ザックにもたれ掛りうずくまってしまうのだった。

程なくして無慈悲な8人が我々と同じ沢から降りてきた。どうやらヤツらも時間切れで乙妻までは行けなかったようだが、稜線までは上がったらしい。
みな満足の顔で「パウダー最高ー」などと興奮していた。

そして結果的に11人全員で下山となった。

イメージ 4

今回も良い山行だった。
おしまい。

ハイジレポ↓

※よいこの皆さんは、くれぐれもパーティーを見捨てたりしてはダメですよ。へたすると遭難しちゃいますからね~



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