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Channel: へべれけ登山隊のブログ
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谷川岳リハビリ山行

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7月25日の怪我から80日が経過した。
怪我の経過も良く、9月の末の診察では全てのスポーツが解禁となり、登山だろうがサッカーだろうがやって良いという事になった。
骨折した骨には、いまだに金属プレートにビス7本が打込まれているのだが、痛みもなく、普段の生活には全く支障は無くなっていた。
しかし、運動した時の足首の痛みは相変わらずで、完全断裂した踝の靭帯と、なぜか痛めていないはずのアキレス腱の痛みは続いていた。
しかし、先生が言うには「少々痛くても我慢して動かすほうが良い。」と言われていたので普段の生活でも積極的に動かしまくっていた。
9月の上旬からは装具を付けたままだが、舗装路を15kmから20kmほど歩く長距離歩行の訓練も始めていたので、筋力の回復はかなりの所まで来ていたのだが、どうにも足首の痛みだけがとれないのだった。
特に下り坂の歩行が困難で、段差の大きい階段や長い下り坂ではいつも痛みが伴ったのだが、ここ最近になって、まあ、なんとか我慢できるようになってきたのだ。
で、そろそろ山歩きを再開しても良いかもな。と思ったので、初心者向けのコースを歩くことにした。
 
おそらく登りは問題ないはず。しかし下りは相当にきついはず。
 
という事で、谷川岳を選択した。
谷川なら下りでロープウエイが使えるのだ。
しかし、天神尾根の下りは物凄い渋滞のはず。なんたって秋の紅葉が真っ盛りの時期だから。
でも、それも問題ないはず。何しろ渋滞で待たされるどころか、おそらくは俺が渋滞の原因になる可能性の方が大きいからね。
 
そんなわけで、コースは
マチガ沢のルンゼを眺めながら登る巌剛新道からスタートし、西黒尾根に合流。
頂上からの下りは天神尾根を使い最後はロープウエイで楽々下山と言う予定を立てた。
登り標高差、約1250m
下り標高差、約650m
これなら何とかなるはず。
 
で、朝8時に登山を開始した。
予想通りロープウエイの駅は紅葉狩りの登山者でごったがえしていた。
この分では天神尾根は凄い行列のはず。
しかし、巌剛新道から登る人はほとんどいなくて、西黒尾根に合流するまでは2人の登山者に会っただけで、非常に静かな山歩きを楽しめた。
しかも天気も上々。朝日に照らされたマチガ沢が素晴らしかった。
 
イメージ 1
 
西黒尾根に合流するとさすがに登山者が増えてきて、何カ所もある途中の鎖場では渋滞で待たされたが、リハビリ中の俺としては、ちょうど良い休憩になって苦にならない。
足の調子も良く、おそらくエアリアのコースタイムくらいで登れている感じ。
鎖場は全て鎖を使わず登る。
簡単な岩場とはいえ久しぶりの登攀なので、とても楽しく感じた。
 
で、登山開始から3時間30分。
11時30分に山頂のトマノ耳に達した。
8月中旬まで車椅子の厄介になっていた身としては上々の結果だった。
良い気分だった。
 
さて、問題は、これから始まる下りだ。
「右足よ、最後まで持ってくれよ~」と念じながら、ゆっくり下山を開始する。
 
しかし片の小屋まで降りただけで、右足首がガクガク言い出した。
右足をかばいながら慎重に下る。
すぐに木製の階段が現れるが、これが最悪だった。
意外と段差が大きいので、一歩毎に痛みが走る。
階段が終わるころには右足をかばっていた左足の脹脛まで痛み出してしまった。
 
懺悔岩を通過するころには、予想通り、俺が渋滞の原因をつくっていた。
なるべく端っこを歩き、「お先にどうぞ~」とペコペコ頭を下げながら下る。
 
念の為持ってきたダブルストックを使い、ロボットのようにギクシャクした歩調で下っていると、年配のオバサンが追い越しざまに言った。
「膝が痛くなっちゃったの?こういう所に来るならもう少し練習してから来なくちゃ・・」
 
屈辱だった・・・
おそらく俺のノロノロペースで待たされてイライラしてたんだろうけど・・・
 しかし、思わず俺の口から出た言葉は「どうもすいません」だった。
理由はどうあれ迷惑をかけている事には違いないし、言い訳した所で意味ないし。
 
熊穴沢避難小屋を通過すると最後の試練が待っていた。
それはツルツルすべる例の木道だった。
もはや両足に力が入らないので、滑っちゃうと踏ん張りがきかないのだ。
ツルッと滑って右足首をギクっとやっちゃうかも・・・という恐怖との戦いだった。
 
そして、ほぼ全ての後続者に追い抜かれつつも、どうにか天神平に到着した。
下りに要した時間は、約2時間半だった。
 
しかし俺は満足だった。
要した時間も、ほぼ予想通り。
登りはおそらくコースタイムを切れるはず。しかし下りは2倍はかかるだろうな。というもの。
そしてそれが今回の俺の目標だったのだ。
で、その目標は達成されたのだ。
 
良い気分だった♪
 

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